悪魔の聖騎士日記《エンリカ・ロハス》後編
もう50話ってマジ!?
ここまで読んでくださっている皆様のおかげです。
ありがとうございます。
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「助かった、凍え死ぬ所だった」
「僕達は村長に報告するからまたね」
村に入った所で探索者の2人と別れて自宅へ向かう。
「ただいま」
玄関の戸を開けて勢い良く家に入ると、2人がドタバタと足音を立てて近づいて来る。
「どこ行ってた、エンリカ!」
「怪我は無いか!?」
兄には肩を掴まれ、父には鋭い視線で問いただされる。
「森の方で戦闘音が聞こえたから助けに行った」
10年培ってきた勘が正直に話すととんでもない事になると言っている。しかし、嘘は吐けない。
そこで嘘ではない情報不足の真実を話す事にした。
「エンリカ」
名前を呼ばれる。
どんな叱られ方をしても良い様に身構える。
ところが想定していた大きな声を出される事は無かった。
2人はただ私を抱きしめる。
少し涙見える。
長くも短くも感じられる時間が過ぎていった。
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『ドンドンドンドン』
早朝、扉を叩く音で目を覚ます。
疲れていた為、昨夜は肉を食べた後にすぐ眠ってしまった。
体が少し痛い。初めての動きで筋肉が傷ついたのだろう。
父と兄の2人も同じタイミングで部屋を出た。
寝巻き姿のまま、3人で玄関の扉を開ける。
扉の前には昨日と同じ格好をした探索者の2人が立っていた。
「おはよう!君、僕達のパーティに入らない?」
急な展開に立ち尽くす私。
それに対して父と兄は2人を家に上げる。
2人には少し待ってもらって着替えをしてから話し合いのテーブルに着く。
「自己紹介がまだだったね。俺はアレックス・ビューラー・ドライアー」
「僕はランディ・カーター」
「君は?」
「エンリカ・ロハス」
「エンリカ、僕達のパーティ悪魔の聖騎士に入らない?」
まさに青天の霹靂。あまりの出来事に頭が追い付かない。
いつかは探索者になりたい。だが、こんなに早い段階でスカウトを受けるのは想定していなかった。
しかし、それと同時にこの2人となら上手く出来そうな予感が湧いてくる。いや上手く出来る予感しかない。
「これからよろしく、アレックス、ランディ」
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あれから30分経たずに出立の準備が出来た。
剣以外に興味が無かった為に元々すかすかだった自室でも荷物が少し無くなっただけで一気に寂しく見える。
5人で村の出口まで行く。
あまり良い思い出が無いこの村もいざ別れるとなるとなんとも言えない感情が込み上げてきた。
「エンリカ、元気でね」
「偶には手紙寄越してね」
村の出口で別れの抱擁を交わす。
必死に堪えていた涙が溢れ出す。
長い抱擁の後、涙を拭って笑顔を見せる。
「行ってきます」
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ぐすん、ぐすん。
良い話だった。
只の辻斬りとか思ってごめんなさい。
こっちまで涙が溢れそう。
………あれ?ちょっと待って。
「エンリカって何歳ですか?」
「ん?大体15歳半だけどどうかしたの?」
え!?僕と半年しか変わらないの!?
半年後にこんな化け物になれる気がしないんですけど。
「ちょっと、今失礼な事考えていたでしょ。斬るわよ!」
「すみません!」
テーブルが割れるくらいの勢いで頭を打ちつける。
なお、割れたのは僕の額であった。




