悪魔の聖騎士日記《エンリカ・ロハス》前編
現在11/14 MVP速報直後です。
キャッチャーのあの成績でAL MVP取れないのエグすぎるだろ。
あの成績でもALなら2022、2023、2024も取れないし2021も多分取れないの魔境じゃねえか。
NLの方はまあ知ってた。
両者おめでとうございます。
〜8年程前、エンリカ・ロハス7歳〜
*
「いた」
剣の修行をしていると何個か上の男達に小石をぶつけられる。
「ナイスピッチ!じゃあ俺も」
また投げられる。
今回は当たりこそしなかったが顔の近くを通った為、少し大袈裟に避けてしまった。
「いや〜、惜しい」
「でもめっちゃビクって避けてたぜ」
「ギャハハ、マジそれ!」
再び投げようとしたのを見て、思わず家の方へ走り出して逃げてしまう。
エンリカは幼い頃に病で母を失っている。
親に甘える時間を剣の修行に費やしてきたエンリカは相応に力を伸ばしていった。
ただ、それを良く思わない人も居る。
その内の1つが先程のいじめっ子達。
年下の自分が村で1番の剣の腕なのが気に入らないのか見つけるたびに嫌がらせをしてくる。
もう1つが村の大人達。
剣しか取り柄の無い上に闘争心が強いエンリカは歩く度に後ろ指刺されて小言を言われる。
どうしようもなく歩いていると癖なのか家の前まで来てしまった。
「…ただいま」
「お帰り、エンリカ。今日は早かったね」
今更戻る気にはならない為に仕方なく家に入ると優しい男の声がする。
「兄ちゃん、またいじめられた」
帰って早々、5個上の兄のシャビエル・ロハスの胸元に飛びつく。
「よく耐えたね、偉い偉い」
エンリカがここまで剣に熱中できたのは理由がある。
その一つが兄の存在だ。
生まれつき体が強くない兄の代わりに必死に修行を積んだ。
その結果兄を困らせたのなら本末転倒かもしれないが。
子供ながら考えて暗い顔になってしまっているとと兄が畏って座る。
それに釣られて正座をする。
「エンリカ、もう少し大きくなったら村を出て探索者になりなさい」
いつもの優しさを残しながらピリピリとした緊張感のある声で静かに言った。
「でも、兄ちゃんが…」
「僕の事は良い、エンリカのやりたい様にやりなさい」
反論を許さないよう、食い気味に否定してくる。
初めて感じる兄の一面に気圧される。
「兄ちゃんの事を思ってくれるのは嬉しい。ただ、兄ちゃんはエンリカが好きに生きる方がもっと嬉しい。分かる?」
溢れ出る涙を抑えつつコクコクと首を縦に振る。
「とは言っても焦ってエンリカに何かあったら凄く悲しいからゆっくりコツコツね」
いつもの兄に戻ったのを確認して更に涙が噴き出す。
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翌日、今日も日課である修行をしていると小石をぶつけられる。
一度大きく深呼吸をしてから、ぶつけてくるいじめっ子達に大声で叫んだ。
「あんた達、仮にも剣の修行もしているよね?剣を取って纏めて掛かって来なさい。全員ボコボコにしてやるわ」
一目散に逃げていくいじめっ子ら。
修行を再開する。
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更に翌日、修行をしているとまたいじめっ子らがやって来る。
しかし、今日は石を投げてこない。
その代わりに大きな声を飛ばして来る。
「望み通り全員剣を持って来たぞ!いざ勝負!」
「掛かって来なさい!」
不覚にも心が高鳴っているのを感じる。
村の全員が相手にならなくなって以来の久しぶりの対人戦。誰であろうと関係無い。
敵は4人、囲む体形を取っている。
お互いの手には木刀。当たっても致命傷にはならないが痛い。
右側からの攻撃を避けると背後から攻撃される。
瞬時に交わしても次の攻撃が来る。
(連携は悪くない。ただ実力が足らない。だから私には通用しない!)
僅かな隙間を縫って包囲網を抜け出す。
その際に1人の胴体に1発入れる。
攻撃を受けたいじめっ子は腹を抱えて蹲った。
相手の動揺の間に取った距離を一気に詰めて首元に攻撃する。
すかさず反撃してきたもう1人には鳩尾に蹴りを入れた。
少し離れて様子を見ると首元に入れた方は膝から崩れ落ち、蹴りの方は蹴りの地点から数メートル後方で白目を剥いている。
残りは1番年上のリーダー格。
リーダー格は恐怖を打ち消す様な気合を入れる声と共に大きく振りかぶる。
「遅い」
ガラ空きの胴体に一撃。
リーダーは後方に飛ばされ、よく見ると胴体に切り傷が出来ている。
「うっかり力が入っちゃった。まだまだね」
息を吐きながら反省の言葉を口にして修行を再開した。
本当は分けたくなかったけど未来の海万の為にお裾分けします。




