《悪魔の聖騎士見習い》エドワード・クレイ
音を立てずに一歩一歩慎重に歩く。
僕達5人と一体は入り口から最も遠い場所の一つ、【黄蛇の蟻穴】の本来のボス部屋へ向かっている。
元々のボスとなるモンスターは少し強いオーアスネークであり、僕でも死力を尽くせば3割程だが勝てる見込みはあるみたい。
「エド、僕達が居るから安心して」
自分でも気付かなかったが、緊張と不安で動きが固くなっていたらしい。
ランディが気持ちを落ち着かせようと声を掛けてくる。
ランディって本当に良く見てるよな。流石暫定だがリーダー。
気持ちを落ち着かせようと深呼吸をする。
悪魔の聖騎士の皆んなが付いている事を考えると心強い。
悪魔の聖騎士に加入った大きなメリットの一つだろう。
もし、僕と同じほぼ新人で組んだパーティだとこのような状況でここまで冷静ではいられない。
「あの、一つ良いですか?」
考えていると一つ疑問が生じた。
「どうしたの、エド?僕に出来る事なら何でも」
「どうして僕を悪魔の聖騎士に入れたのですか?」
そう、何故新人の僕を入れたのか?という事だ。
ランディ達は一流のBランクパーティ。
僕でないといけない理由が無い。
こんな時に聞くのも違うかもしれないが、戦闘に集中出来ない状態は危険だ。排除できる危険は最大限、排除するべきだ。
「気になる?」
ランディがニヤニヤしながら答える。
「はい、聞きたいです」
少しの間、顎に手を当てて考える表情をした後、明るい笑顔に戻った。
「うーん、でも皆んなからの理由もあるし、帰ったら宴をするからその時に言おっか!」
あっ、その、それまずいですよ!
フラグって言うんですよ!
『探索者たる者フラグは絶対に立てるな』って鉄則があるくらいですよ!
皆さんは強いから大丈夫でしょうけど僕は皆さんの攻撃の流れ弾に掠るだけでも逝っちゃう可能性だってあるんですよ!
「そうね!楽しみにしてると良いわ」
エンリカもランディに賛成してしまった。
あっ、なんかエンリカの言葉が悪役の台詞に聞こえてきた。
やっぱりこのパーティに来るの100%間違えだった。
無事に帰りたい。
そう切実に思うエドワードであった。




