実録・不眠症① 暗闇の中で立ち尽くす男
2025年6月
皆さんこんにちは!
お久しぶりです(照)
実に8カ月ぶりの更新になってしまいましたが、とうとう戻ってまいりました。
※このエッセイは時系列順の掲載になっていませんので、「なんのこっちゃ?」という方のために話を整理すると、
2024年9月のエッセイ更新を最後に、2025年5月にいたるまでの8カ月間、わたくし創作界隈から失踪しておりました。
エッセイだけでなく、他の小説作品やツイッターの宣伝活動からも完全撤収していました。
その間どこで何をしていたかというと。。。
仕事でひたすら病んでいました(死)
本日は皆さんに「帰ってきたよ~」の挨拶と、一緒に僕が陥っていた壮絶なストレス体験談を語らせてもらいたいと思います!
【どしたん話聞こか?】
僕はいま全国転勤のある企業で働いています。
九州支部に配属となったのが去年の春で、長崎県に越してきてやっと1年と少しが過ぎました。
端的に言ってしまうと、こちらの部署で人間関係のストレスに苛まれました。
毎日毎日ものすごい怒りを抱えて過ごしていました。
また、それに起因して不眠症を患いました(泣)
1年のあいだにひと悶着もふた悶着もあったんですけど、最終的に根本の問題は一応取り除かれて、今は比較的穏やかに過ごすことができています。睡眠もとれてます。
喜ばしいことに、創作意欲もちょっとずつ充電されてきたようで、また前のように活動再開したい! と思えるようになりました。
それにあたり真っ先にこちらのエッセイを更新せねば、という流れでいま文章を打っています。
経緯の報告はここまでで、以降は僕が苦しんだ不眠症に関するアレコレについて、この場を借りて生々しい記録を残しておきます。
似たような状況で苦しんでる人への共感とか、自分が数年後に読み返して「こんなことあったな~この頃マジできつかったな~」みたいに懐かしむ目的で書き散らかしておきますね。
【まさか私が、不眠症?】
職場に配属になってからは常に日中は緊張、夜はイライラで過ごしていました。
2カ月くらいが過ぎた頃に、毎晩夜中に目覚めてしまうようになりました。
かつ、そのまま寝付くことができずに朝が来てしまう、という状況が増えました。
二度寝しようと頑張っても、やけに上階や隣室の些細な物音が気になって眠れない。
この時は単純に原因は物音だと思っていました。
でも今になって考えると、アパートに越してからそれまでの期間は普通に同じ環境で眠れてたんですよね。
要は知覚過敏というんですか、自分の神経が異常に鋭くなってしまう現象が起きていて、これまで気付かなかった音が気になりだしていたんでしょうね。
お恥ずかしながら管理会社に相談をして、周辺の住民へ注意喚起のチラシを配ってもらいました。
それで夜間の物音は止んだんですけど、不思議なことに、静寂の中でも変わらずふっと夜中に目が覚めてしまう。
そこで初めて、原因は音ではなかったこと、そして自分がいわゆる「不眠症」というものを患い始めているのだということを自覚しました。
【恐怖の中途覚醒】
不眠症というものの形態はざっくり3パターンに分けられるそうです。
ひとつは寝つきが悪くなる入眠障害、そして夜中に唐突に目が覚めてしまう中途覚醒、起床予定の数時間前に目覚めてしまう早朝覚醒。
僕の場合はもっぱら中途覚醒でした。
寝入りは何の問題もないんですけど、眠ってから数時間で必ず目が覚めてしまう。
そして覚めると、その瞬間からぶわーっと職場であった出来事が脳内にフラッシュバックして、動悸がしてくるんです。
イライラするんですよ。
そのまま怒りに囚われて一睡もできずに出社時間が来る、という感じでした。
入眠から中途覚醒まで何時間眠れるかはランダムだったんですけど、だいたい3時間前後が多かったです。
ときには1時間かそこらで起きちゃう日もあって、地獄でしたね。
仮に覚醒しちゃっても、二度寝できればさほど問題はないんですよ。
そう思って布団の中で「眠れ~眠れ~!」「もう一度夢の中へ~!」とかって念仏唱えるように目をつむってみるんですけど、残酷なことに眠れません。
フラッシュバックの怒りに加えて、早く眠らないとそのうち朝になってしまう、という焦りとで、余計に動悸が早まります。
イライラしたまま眠るのって難易度高いですから、気を逸らすために適当なことに思いを巡らせたりしてみるんですけど、
浮かんだ何かしらのキーワードが地雷原の導火線に触れて、そこからズルズルと負の連想に発展していく。
たぶんもう、思考のベクトルがデフォルトで負に向いてるんでしょう。
そういう堂々巡りでいつまでもイライラの渦から脱せない。
皆さんも経験ないですか?
これほんと、自分でも「いい加減にしろよ」って呆れてしまうほどなんですけど、どうやったらスパッと怒りを切り捨てることができるんでしょうか。
間違いだと理屈ではわかっているのに、生理的に不可能なんですよ。
【やべー異常行動】
不眠が続くとことあるごとに動悸を感じるようになりました。
特に起床時や中途覚醒時がきつかったです。
二度寝しようとしても、胸が苦しくてとても寝れたもんじゃない。
不思議と横になってるより座ってる方が楽だったので、よくベッドの上で体育座りしていました。
それでもきついときはもう立ってました。
深夜に電気もつけず、無言で、ただベッド脇に突っ立ってるんですね。
たぶんこのとき空き巣とかがやって来てたら僕の姿を見て腰を抜かしてたと思います。
意味わからないじゃないですか、真っ暗闇で何をするでもなく立ちすくんでる男がいるって。
どんなホラーだよと思いますけど、あのときの僕はただただ眠るために必死だったんです。
寝不足による体調不良で出社して、ストレスにさらされながら業務するっていうルーティーンも辛かったんですけど、
毎晩眠りたいと願いながら過ごす、不安と歯がゆさとに蝕まれるだけの無益な数時間というのもまた別格のきつさでした。
「なんで寝れないの。自分はいったいどうしちゃったの」って、頭を抱えるけど為すすべは何も無いという絶望感。
しまいにはそんな自分自身にイライラし始めていました。
一度ですね、自暴自棄になって、こんな自分どうにでもなってしまえと思って、夜中に衝動的にアパートを飛び出した日があったんですよ。
そのまま小一時間ほど近所をさまよい歩きました。
そのとき何を想ったわけでも、その出来事のあとで何が変わったというわけでもなかったんですけど、たぶん僕はあの日の深夜徘徊を忘れることはないんだろうとは思います。
【投薬、そして改善へ】
結果的に言うと、不眠が3カ月くらい続きましたかね、そのあとは睡眠薬なるものを使い始めてさらに数カ月。
そして今はストレスの根本原因が改善されたこともあり、薬無しでしっかり眠れるところまで回復することができました。
文字数あれなのでここで区切り、次回もお話を続けながら過去の自分をねぎらいたいと思います。
~つづく~