『ウォーク・トゥ・リメンバー』 ボロ泣き青春純愛
2023年4月
今回は2002年のアメリカ映画『ウォーク・トゥ・リメンバー』について語りたいと思います!
高校生の真っ直ぐな純愛を描いた気持ちの良い&涙腺崩壊ラブロマンスものです。
がっつりネタバレ感想書いていきますね。
【あらすじ】
ウォーク・トゥ・リメンバー(原題 A Walk To Remember)2002年 引用:IMDb.com
不良男子のランドンはある日仲間たちとハメを外して警察沙汰を起こしてしまう。
学校の課した罰として奉仕活動への参加を強要され、演劇部の手伝いなどを通して同級生の少女ジェイミーと関りを持ち始める。
2人は幼馴染だったが、ジェイミーは通年同じカーディガンを着続けるような地味で垢抜けない女の子。
性格が対極のためまともに口を利いたこともなかった。
なんやかんやで演劇会の主役をあてがわれてしまったランドンは、悪友たちの目を忍びながらジェイミーと台本の読み合わせ作業を重ね、徐々に親しくなっていく。
【ジェイミーまじ天使】
このお話は男女の寄り添うような恋を優しく描いた、本当に優し気な空気に包まれまくってる映画です。
ストーリーもすごく良いんですけど、何より印象深いのは主演2人の素朴な演技だと思います。
特にヒロインのジェイミーの柔らかなほほ笑みや眠たげに見える二重など、幼さの残る少女の雰囲気がハイパー天使です。
『完成された美人』というのではなく、この年頃にしかない淡いマブさが詰まってるなって思います。
主人公のランドンも寡黙な不良に見合うタイプのクールフェイスで、かつ囁き系イケボが良いっすよ。
これ言ってしまうと身も蓋もないんですけど、ラブロマンスものって主演2人のビジュアルが何より重要だと思いませんか(爆)。
主人公とヒロインはずっと同じ学校やクラスで顔馴染みではあったけど、きっかけが起きるまではまともに話したことも無かった、という設定も、小さな町の小さな恋っぽくていいですね!
ストーリーの導入部分は不良少年と地味少女との身分差恋愛といった感じで、荒んだ生活を送っていたランドンが改心してジェイミーに尽くそうとする一途な過程は見ていてとても気持ち良いです。
【めっちゃ泣きました】
ネタバレなんですが、実はこの作品は俗に言う『難病ヒロイン』ものです。
物語中盤でヒロインが余命がいくばくかも無いことを打ち明け、流れが急転していきます。
この手のシナリオって2000年代前半にめちゃくちゃ流行りましたよね。
日本でも世界の中心で愛を叫んだりするやつがブームでしたし。
当時の映画やドラマのヒロインって死んでナンボみたいなところありませんでしたか?
その狂った時代を経てきた人からすると、「はいはいその系統ね。もう見飽きたよ」と、
冷めを通り越して一種の拒絶感すら覚えてしまう方もいるのでは。
僕も初見で「おっ、きたな」と思いましたが、ただ、本作は展開やオチが読めてしまっても関係なく全然泣いちゃうんですよね。
悲劇の恋のテンプレのような流れでも、そのベタさをマイナスに思わないほどの魅力に満ちています。
当たり前の話ですけど、映画で着目したいところって作品ごとに違いますよね。
練り込まれたシナリオの出来を重視するものもあれば、ワンシーンごとの美しさを愛でたい、みたいな作品もやっぱりあります。
本作は後者で、なんというかシンプルに、僕はこの恋路をずっと見守っていたいって心底思えたんです。
カミングアウトまでの恋愛過程があまりにもロマンチックすぎて。
この2人には幸せでいて欲しいのに……!
神様もう少しだけ……!
などと、あふれる愛や悲しみで胸を引き裂かれますよ。
僕はたぶん後半30~40分くらいはずっと顔面濡れてました。
【演者情報】
本作で一番知名度高いのはたぶんヒロイン役のマンディ・ムーアです。
女優兼歌手の方で、本作時点ではまだ16歳だったらしいんですけど、その後もいろんな映画に出演する売れっ子女優になった模様。
作中の演劇シーンで歌唱力を披露してくれるんですが、さすがプロやな……と思わせる心洗われる美声でしたよ。
と思いきや、主人公役のシェーン・ウェストも歌える人のようで、本作後は俳優業よりもバンドマンとして活躍してるみたいですね。
あとの演者は大体どこかの作品の端役で見たな、くらいの顔ぶれなんですが、
連続ドラマ『シカゴ・ファイア』でレズビアンの女性救急隊員役を演じてたローレン・ジャーマンが主人公とつるむ不良少女役で出ていました。
【本作との思い出】
僕は大学で下宿生活になったんですけど、学生の独り暮らしって意外にも夜の時間長いんですよ。
学校終わって家に着いてから寝るまでの時間。
まあ普通の人は新しくできた友達とかと飲み歩くんでしょうけど、僕は一人でずっと映画観てました。
特に新生活が始まった直後の4月。
孤独を紛らわすかのように手当たり次第に鑑賞してて、そんなときに出会ったのもののひとつが本作です。
めっちゃ泣いたんですよね。
「こんな恋してえな。誰かを愛してえな」
って思いましたよね。
そんな経緯ですごく思い入れのある作品でして、新年度のなんとも言えないザワザワと浮足立つ気分の季節は、ピュアな青春ものの映画を漁りたくなってしまいますね。
またあの2人の恋を見たい。でもあの悲しみは味わいたくない……。みたいにウジウジと心に残り続けて、それでも人生の節目と思えるときはまた見返したいなと思える作品。
具体的にこう、とは言えないけど、僕に強い影響を与えてくれた一作だと言えます。
~Happy End~