創作活動の変遷 その7:中世ファンタジーにハマる
2026年5月
【生涯アプデ計画】
アプデ計画を意識してその後もいろんな作品を作りました。
そのひとつが以下の「チュートリアルが終わらない」です。
大規模オンラインゲーム「アイデンティブ・ワールド」はプレイヤーの1人ひとりが自由に仮想世界を構築でき、プレイヤー間でそのサーバー世界を往来することができた。
しかしとあるアップデートを機に致命的バグが発生し、ゲーム内NPCが凶暴化して各サーバーが崩壊し始めてしまった。
奇しくもその「崩壊アップデート」の更新と同時刻にゲームへ新規参入した「Player-8744-01-912」通称P-8は、生成されたアバター内にバグを内包し、どれだけダメージを受けても死なない(死ねない)耐久値異常特性を有していた。
チュートリアル担当の管理局アバター「Supporting and Managing Usher」通称SaMUと共に、P-8はまだ生存しているアバターたちを救うため、他プレイヤーの創造した仮想世界を行き来する旅に出る。
本作もメインストーリーが小一時間ほどあり、その後は単エピソードを随時更新していく予定でした。
エピソードごとに新キャラ(他プレイヤーのアバター)が登場し、その人物が創造した仮想世界でわちゃわちゃと大騒ぎする、というコメディものです。
例えばクリスマスが大好きなサンタコスのお姉さんが登場して、彼女のサーバーであるクリスマスの世界を一緒に巡りながらバグ化したNPCモンスターを退治する、みたいな。
舞台をゲームのバーチャル空間にすることで、世界観に縛られずにいろんなネタをぶっ込めるだろうと考えてました。
ただ、これもやはり本編製作後に熱が冷めてしまい、まともにアップデートしないまま終わってしまった読み切り作品になります。
余談ですが、本作の主人公には不死という特異能力はありますが、ゲームの初期プレイヤーのため戦闘面ではまったく役に立ちません。
あえて主役の活躍を抑えることで続々登場するサブキャラたちの魅力を引き立たせよう、という狙いがありました。
普段は頼りにならないツッコミ担当、でもここぞという場面では不死のバグを使ってきっちり出番は作ってあげる、というバランス感覚です。
これは現在連載中の小説「ゴブリンガールはガチャを引く!」にも受け継がれているところがありますね。
とにかく多彩なキャラを量産したい、という作品の場合はこうした設定の方が合理的かなと思ったりしています。
【遅ればせながら中世ファンタジーにハマる】
異世界転生系でお馴染みの、いわゆる中世ファンタジーもの。
実は長らく敬遠しており、ごく最近までこのコンテンツのことをよく知りませんでした。
「剣と魔法? なんかダサくね」
みたいに斜に構えて見てました。
僕はずっとロボット界隈で活動してきたし、サスペンスやらホラーやらにもちょこちょこ触れるので手一杯で、他のジャンルまで見識を深めようという気もあまり起きなかったんですよね。
2020年頃にですね、既に型落ちでしたがプレイステーション3を購入しました。
ゲームのハード機を手にしたのはたぶん10年ぶりくらい。
よくわかんないけどソフト持ってなくても無料でできるゲームがあるとのことで、「ドラゴンズドグマ」というオンラインゲームをダウンロードして遊んでみました。
ドはまりですよ。
剣と魔法、めっちゃカッコイイ。
その後も「黒い砂漠」や「アサシンクリード オデッセイ」といった中世の神話やファンタジーが舞台のアクションゲームをプレイして、その魅力にのめり込んでいきました。
もちろんインスパイアされて創作活動も始めました。
「イフパクス」というダークファンタジーものです。
記憶を無くして目覚めた主人公は、魔獣に出くわして襲われかけたところを村娘に助けられる。
娘曰く、彼女たち村人は以前は違う世界で暮らしていたが、あるとき村を含む周囲の平原一帯をそっくり巻き込む形で、この星「イフパクス」に転移してしまったという。
イフパクスはそうしていくつもの並行世界から特定の領域を転移させ、継ぎ接ぎを作るようにして成り立つ忌み星だった。
人が異世界に転移する、というのは当時世間のトレンドでしたが、これをもう少し捻りたくて、
「人だけじゃなくて土地ごと転移させちゃった」という着想が本作の基盤です。
土地ごとの転移なので、そこには大勢の人たちの暮らしと文化がそのまま残っています。
そんな領域が隣接し合って広がっている星、イフパクス。
人々は自分の故郷を守るために領域間で対立していきます。
そんな中、土地と共にではなく身ひとつで転移してきたのが主人公です。
彼には記憶がなく、行く当ても帰る場所も無い。
やがていくつもの領域を渡り歩く旅に出るのですが、そこで出会う人々の信念や生き様に触れることで、次第に自分は領域間の架け橋を担うという使命を負っているのではないかと、自身の存在解釈に至ります。
という壮大なお話が主軸にはなるんですが、基本は剣や魔法で魔獣退治をしていくという王道のダークファンタジーものです。
パワポ紙芝居で2時間ほどのメインストーリーがあり、その中で3つの領域を訪れ、3人のヒロインたちを救います。
その後は「生涯アプデ計画」に則り、随時新たな領域のエピソードを追加していこうと思ってたんですが、例のごとく続きませんでした。
本編がシリアス路線だったというのもあり、追加エピソードにも一定のクオリティーが求められた(求めてるのは自分ですが)のがネックになったと思います。
なかなか上手くいかない。生涯アプデ計画。
ちなみに本作からペンタブの特性を生かした差分イラストを多用するようになりました。
差分というのは既存の絵を複製して加工・加筆することでいくつものバージョンを量産するもので、イメージしやすいのは着せ替えイラストなどです。
主人公には3種類の衣装があり、それぞれで装備武器も変わる、といった設定がありました。
アプデに合わせて新たな衣装や装備も増やしていく展望がありました。
【続きます】
ここまで紹介してきた作品はすべて非公開のもので、僕のパソコンの中にひっそりと眠っているだけのお蔵入り作品でした。
次回は小説界隈へと進出して自作品を公の場に晒すことに至ったお話や、この投稿サイトでも公開している小説作品について取り上げていきたいと思います。




