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第九十一話 解決

ブックマークや感想をありがとうございます。


とりあえず、今日で事件解決の後のお話になっていきます。


それでは、また!

 城に滞在して、四日目には、何か事が動いたらしく、全てが解決していた。ソファに座ってのんびりしている時、ノーラが息を切らせて入ってきた時は何事かと思ったものの、どうやらニナに魅了された人達は元に戻ったらしい。



「ニナを憎む人は、居なかったのかな?」


「それは……何とも……」



 ニナのせいで、片翼が狂いかけたという魔族は多かった。アメリアさんだけでなく、リド姉も被害に遭った一人だったらしいというのは後から聞いたものの、それ以外にも多くの魔族が魅了され、片翼との関係を拗らせたらしい。死人が出なかったことは不幸中の幸いではあったものの、それで許してもらえるとか、そういう問題ではないだろう。

 言い淀むノーラに、俺はそういうことなのだと判断して、それでも、俺はニナの味方で居ようと決意する。

 今は俺の膝を枕にしてスヤスヤ眠るニナ。彼女は、けっして望んで魅了の力を使ったわけではない。それを知っているからこそ、守りたかった。



「そっか……」


「それと、カイトお嬢様。申し訳ありませんが、当初の予定通り、この城に一週間滞在していただきたいと、ライナード様から言伝を受けております」


「うん? 解決したなら、戻れるんじゃないのか?」


「……現在、屋敷は改装中です」


「改装中?」



 なぜ、今そんなことをやっているのか疑問に思ったものの、きっと言いたくない何かがあるのだろう。目を逸らすノーラを見て、俺は、追及することを諦めた。



「それじゃあ、ライナードとはまだ会えないのか……」



 きっと、この騒動の後始末に加えて、表向き、屋敷の改装となっている事柄に伴うあれやこれをしていれば、俺に会いに来る暇などないだろう。それを考えると、少しばかり寂しかった。



「いえ、ライナード様ならば、間もなくこちらに到着される予定です」


「っ、そうなのか? ……でも、仕事とか、大丈夫なのか?」



 無理してこちらに来るというのなら申し訳ない。そう思って尋ねてみると、思ってもみない方向から答えが返ってくる。



「大丈夫だ。元々俺は、片翼休暇中だしな」


「ライナードっ」



 城で与えられた俺の部屋の入り口に、ライナードは佇んでいた。



「む……ニナは、カイトに膝枕を……」


「ん? あぁ、そうだな。ニナが眠そうだと思って、膝枕をしたら、すぐに眠ったよ」



 ゆっくりとこちらに近寄ってきたライナードは、ニナの姿を見ると、何やら複雑そうな顔をしたため、一応説明しておく。



(ニナと話したかったのかな?)



 そして、中々ニナから視線を逸らさないライナードに、俺はもう一度、仕事は大丈夫なのかを尋ねる。



「大丈夫だ。部下達が、俺の代わりに動いてくれている。問題ない」



 俺の目を見て答えてくれたライナードに、嘘はなさそうだった。



「そっか……おかえり、ライナード」


「っ、た、ただいま」



 どこか嬉しそうにするライナードを見て、俺は、ユーカ様から言われたことを思い出し……実行に移すことにする。



「ライナード、ちょっとこっちに来てくれ」


「む? 分かった」



 動けない俺の側にライナードを呼べば、ライナードは指示するまでもなく、しゃがんでくれる。だから、俺は……。



「いつもありがとう。大好きだ」



 自由になる腕を目一杯使って、ライナードの頭を抱き締める。



「……」


「……ライナード?」



 ただ、抱き締めた後、ライナードの返事がない。別に、力を込めているわけではないため、窒息しているなんてことはないはずだ。

 そっと腕を外してライナードを見てみると……ライナードは、見事に硬直していた。



「ライナード? おーい」



 目の前で手を振ってみるものの、反応はない。



(と、いうか、これ、息してる?)



 そう心配になった直後だった。



「はっ、俺は……いったい……」



 意識でも飛んでいたのか、何だかぼんやりしているライナードを俺は覗き込む。



「大丈夫か? ライナード?」


「カカカカカ、カイト!?」


「うん?」



 珍しく慌てたライナードは、俺の顔を間近で見た途端、真っ赤になって、バランスを崩してそのまま尻餅をつく。



「だ、大丈夫か? ライナード?」


「……あぁ、俺は、今死んでも構わない……」


「……ノーラっ、ライナードが壊れたっ!」


「ライナード様のこれは、カイトお嬢様が前に居るなら正常です」


「えっ!? どこがっ!?」



 とてもではないが、正常とは言いがたいライナードの反応に困惑していると、ニナが俺の膝の上で身動ぎをする。



「っ……と、とにかく、ライナード、冷静になれ」



 小声でそう告げれば、ライナードはぼんやりした状態でうなずく。



「カイトのためなら、冷静にもなりたいが……無理だ」


「何でっ!?」



 小声で応酬する俺達に、助け船を出してくれたのは……ノーラだった。



「ライナード様。ひとまずはお着替えになられた方がよろしいかと」


「あ、ぁ」



 ノーラに促されて、ようやく立ち上がったライナードは、フラフラしながら部屋を出ていくのだった。

次回は、魅了被害に遭った人達のお話を書こうかなと思っております。


色々と、処分とかもありますし?


それでは、また!

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