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第八十四話 土下座から始まる謁見

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は……はい、タイトル通りです。


それでは、どうぞ!

(どうするっ? 土下座っ、土下座だよなっ?)



 ライナードの後ろに付き従うことしかできない俺は、混乱の真っ只中にあった。そして……。



「来たか」


「申し訳ありませんでしたぁぁぁあっ!」



 魔王陛下の言葉が聞こえた途端、俺は精一杯の土下座を展開する。

 水を打ったように静まり返る謁見の間。俺はもちろんのこと、誰一人として微動だにすることはない。



「……ライナード、説明しろ」


「私にも、何が何だか……?」



 そして、広い謁見の間で繰り出される小声の会話。しかし、小声とはいえ、今は周りが沈黙しているため、やけに大きく聞こえる。



「カ、カイト? 何を謝ってるんだ?」



 本気でわけが分からない、といった様子のライナードの声に、俺はそっと顔を上げかけて……。



(見てるっ、めっちゃ見てるっ!?)



 魔王陛下がこちらを凝視していることに気づき、再び目を伏せる。



「あ、あの、その……私、勇者一行と一緒に居て、その……」



 そこまで言えば、さすがに事態を理解したのか、ライナードと魔王陛下が揃って『あぁ……』と声を出す。



(あれ? 謝ったは良いけど、俺、これからどうなるんだ? ……首ちょんぱとか……い、いや、それは、できれば、勘弁してほしい……)



 と、そんなことを考えている時だった。



「んゆ……」



 ライナードに背負われていたニナが目を覚まして……。



「……カイトおねえちゃん?」



 俺が土下座している場面を目撃してしまったのだ。そして、みるみるうちに、その目に涙を溜めると……。



「……めっ! カイトおねえちゃん、いじめりゅの、めっ!」


「むっ!? い、いや、誰もカイトをいじめては」


「めーっ!!」



 ライナードの頭をぽかぽかと叩くニナは、完全に誤解をしていた。



「ニ、ニナ? 私は別に、いじめられたわけではないんですよ?」


「めーっ! めーっ、なのーっ!」



 慌ててライナードをフォローするものの、ニナが聞いてくれる様子はなく、しばらく、謁見の間は混乱するのだった。








「ふっ、面白いものを見せてもらった」



 ようやく、ニナが俺の言い分に納得してくれたところで、魔王陛下がクツクツと笑っている様子が目に入る。



「あぁ、そうだ。リクドウ嬢。お前に関して咎めるつもりはない。だから、そこまで萎縮する必要はないぞ?」


「えっ?」


(えっ? いや、俺、あなたを殺そうとした一味なんだけど!?)


「大丈夫だ、カイト。カイトの存在はイレギュラーだったが、あの勇者一行の行動は、それなりに想定されていた」


「……そういえば、死んだふり……」



 ライナードにまで諭されて、俺はようやく、魔王陛下が始めから勇者一行の存在を知っていて、死んだふりをしたという事実を思い出す。



「まぁ、そうだな。それには色々と理由はあるが、今は明かせない」


「は、はい」



 そりゃあ、一国の王が死んだふりをするなんて、ただごとではないだろう。ただの一般庶民な俺は、そこまで突っ込むつもりはない。



「それで? ライナード。用件は何だ?」


「はっ、カイト達を受け入れてもらえたことに感謝を」


「あぁ。だが、こちらにも協力してもらうぞ? リクドウ嬢が魅了の力を抑えているという現状が、どのような力によるものか、検証させてもらう」


「御意」


(あぁ、そういえば、俺の側ならニナの力は暴走しないんだよな……検証……実験かぁ……血を採られたりするのかなぁ?)



 どんな検証をするのかは分からないが、魔王陛下のこんな調子を見ていると、そう悪いものではないだろうと思える。



「ぎゅー」



 ちなみに、ニナは寂しくなったのか、今は俺に引っ付いて離れない。



「リクドウ嬢。もし良ければ、俺の妻とも仲良くしてほしい」


「はっ、はいっ!」



 ニナに気を取られている間に、話が進んだらしい。返事をした後に、俺はその言葉の意味を認識して、改めて緊張する。



(魔王陛下の妻といえば……噂の、ユーカ様?)



 同じ日本人に会えるかもしれない予感に、俺はこの部屋に入ってきた時とは別の意味で、ドキドキし始めるのだった。

いやぁ、書きながらどうしてもニヤニヤしてしまって(土下座シーン)、家族から不審がられましたよ。


それでは、また!

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