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6話 「それぞれの戦場」 後編

 「「「ファイアーボール!」」」

        「「ウォータースプラッシュ!!」」

               「サンダーアロー!!」

      「「ブライト!」」

           「「ウィンドストーム!!」」


 魔法使い達が一斉に放った数十にも及ぶ魔法はすべて自走砲の一団がいる場所へと着弾する。自走砲達の周りは炎に、水に、雷に、光に、風が渦巻きあう地獄と化し、随伴兵達ごと殲滅された。


 それを見届けた前衛の戦士たちはすぐさま周囲の魔法使い達を止めようとする敵との戦闘を止め、後退する。それを追撃しようとしていた機械派の兵士達は、中衛として前衛を援護をする魔法使い達や飛び道具を持つ兵士達によって阻まれ、追いつくことが出来なかった。


 今回突撃軍を編成するにあたり、魔法使いは3つの役割ごとに割り振られた。自走砲を叩けるだけの火力を誇る後衛組。前衛への火力支援を行う中衛組。軍団全体並び各部隊ごとに支援する支援組。砦にいる腕利きの魔法使いたちを連れてきたこの軍団は機械派の包囲の中にありながら、一定の戦果を挙げ続けている。


 ランスロットが率いる軍団は戦士達も魔法使い達も一丸となって自走砲の一団をひとつずつ潰して行った。その過程で先ほど二つ名持ちが戦闘をしている戦場をやり過ごしたが、二つ名持ち達は確認出来るだけで二人戦闘しているところを見つけた。しかし、それはみるだけで集団の暴力で圧倒的物量に飲み込まれていく様で、一刻を争う事態だというのが嫌でもわかる。すぐさま周囲の魔法使い達に自走砲を懺滅するよう命じてた。そうして今、自走砲の一団をひとつ潰したので魔法使いや戦士達が一旦集結する。


 集結した魔法派の兵士達は指揮官の言葉を待つ。その間も支援魔法使いたちは支援魔法をかけ続け、前衛の戦士たちは軍団を囲み防衛線を構築する。戦場において一瞬の判断が生死を分ける。ランスロットは素早く周囲の兵士達に指示を出す。


「第一目標であった自走砲は全て片付いた!!次は二つ名持ちの援護に回る。隊長達、頼んだぞ!!」


 そう声高に叫ぶ。隊長達にはあらかじめ自走砲を一団づつ撃破したら自分の声が聞こえる位置にいるよう戻ってこいと伝えてあったので、誰も聞き漏らすことはなかった。


 「俺達は「闇の流星」の援護に行くぞー!!」


 「おうっ!」


 「私達はディランド様のいるところへいくぞっ!!」


 「おおー!」


 次々と隊長達が自ら率いる部隊に指示を出す。隊長達は数十人といるので、それぞれが自分の想う二つ名持ちのところへと部下を伴って向かわせる。その指示を体言するかのように、各部隊の隊長達はいち早く先頭に立って動き始めた。


 しかし、二つ名持ちは常に移動し続けているので、どこにいるかはほとんどの隊長達が分かっていなかった。そこで、今回の、支援魔法使い達の本領を発揮することとなった。支援魔法使い達は魔力を探知する魔法を唱えることが出来たからだ。その支援魔法使い達は隊長達に随伴してくれるので、強大な魔力を持っているが故に探知しやすい二つ名持ちの居場所へと向かうことは簡単だったからだ。


 「我々も行く!グレンを助けにいくぞっ!」


 「おおー!」


 ランスロットも動き始める。走り出しながら、随伴してくれた支援魔法使いにグレンの居場所を聞くと、神妙な面持ちになった。


 「それが、砦から一番遠く、敵の本陣の方が近いところにいます。」


 「まさか、他の奴よりも遠いとはな。これは、明らかにCTRとの相対を狙っていただろうな。」


 「やはり、そう思いますか…。」


 ランスロットが確認したグレンの居場所は、現在の主戦場の外れのほうだった。主戦場は、砦の正面にいた機甲師団と今自分達が戦闘していたところだ。グレンは、その主戦場よりもっと西のほうで、他の別々に分かれた三人と比べてもっとも砦から遠くで戦闘をしていた。





 正面から来た銃弾がグレンに当たることなく幾条も通り過ぎる。それを見届けることもなく、すぐに前進をして目の前にいる銃弾を放った黒いCTRめがけて左手の刀を右下から左上へと斬り上げようとする。


 しかし、横合いから剣を抜いた黒いCTRが介入してきたので、振り上げようとした刀を器用に回転させ、逆手に持ち替えて防御に回さざるを得なかった。


 そうして、CTRの剣を受けるが、CTRのもともとの馬力が違いすぎるので受け流すことまでは出来ず、吹き飛ばされる。吹き飛ばされてもグレンは焦りも浮かべず、半回転をして滑空した後、地面を滑りながら着地した。

 

 そこに今度は拳を振りかぶったCTRが再び左から突撃してくる。それを、グレンはまだ距離があると瞬時に判断し、身体の向きは変えずに左足を一歩下げ、左手の刀振るった。振るわれた刀からは刃の衝撃波が発生し、同時に、CTRから放たれた拳と激突して消滅した。


 拳を振るったCTRはのけぞったが、すぐさま二機のCTRが左右を固めて、射撃によって援護する。援護射撃に対して、グレンは刀を持った右手を水平に振るい炎の壁を作り出して防ぐ。しかし、そこに留まることはせず、たとえ体勢が維持できなくても後ろにすぐさま脱出する。次の瞬間、炎の壁が破られると同時に、紫の膜を覆った弾丸が炎の壁だったものを超えて右から左へと飛翔していった。


 「(あの拳は魔力を纏っているのか?紫の弾丸同様に。出なければ今頃拳は使い物にならないはずだが。)」


 脱出したグレンは考えながら息を整え体勢を直していると、黒いCTR達はすぐさまそれぞれの定位置に戻っていた。それは、グレンを倒すためにジンテツ達が練り上げた戦略のひとつである陣形だった。


 ジンテツ達はグレンのことを研究して分かったことがある。それは、彼がいつも右手の刀をあまり振るわないことや、刀を振ることに全力を注いでいるので防御がおざなりになっていることだ。先ほどまでは「聖解」や「七玉」が支援魔法をかけていたおかげで防御面を気にせずにいたが、今はもう切れている。


 それを逆手にとって、ジンテツ達は、常に彼を包囲して波状攻撃し、攻撃される隙をつけ与えないようにし、こちらからは左から集中攻撃することで、右手で防御し、左手で反撃することをさせず、常に左手を塞いでいくように心掛けていた。そうして、だんだんと弱ってきたところを仕留める作戦だった。持久戦になることは明白だったので、部下たちにはそのつもりで訓練をさせてきた。


 にも関わらず、30分経った今でもグレンに止めを刺すことはおろか傷一つつけることすら出来なかった。


 「各員、残弾報告。」


 「自分はバズーカの弾薬が尽きたので、予備のマシンガンでやっています。」


 「自分も同じです。」


 「私は少しライフルの段数が心許ないわね。せいぜい2マガジンというところよ。魔力弾はもともと数が少ないからね。」


 「私はまだ剣と予備のライフルがある。大丈夫だ。」


 「自分は両腕が健在ですのでまだいけます。」


 「まだまだ戦える…」


 「俺は剣が使えなくなったから、予備のライフルでやっている。」


 ジンテツは全員の報告を聞いて渋面を作る。まさか、ここまで出来る相手とは思っていなかった。


 「分かった。私は剣が無事だ。予備の剣もある。」


 皆には心配をかけないように平静を装いながら返事をする。


 「しかし、想像以上に粘る。短期決戦のつもりできたがここまでとは。侮っていたのは我々か?」


 ジンテツはここにきて決断を迫られる。退くか、戦うか、だ。今退けば、全員が助かるだろう。しかし、「紅い死神」を倒せなかったことから周囲から蔑まれることは確かだった。それに部隊員の未来を奪うこともあり得る。逆に、戦うのならば、倒せる可能性に賭けて、何人かの犠牲を払うことになる。それで倒しきれないことも有り得る。部下を大切にしてきたジンテツは、できることなら退きたかった。しかし、再び部隊全員から応答があった。


 「隊長、迷うことはありません。死んで来いと命令してくれれば、隊長のために行きます。」


 「ふふっ、そうね。私達はそこまでは無理だけども、准将閣下がおっしゃるのなら、死なないように行きますよ。」


 「ああ。」


 「おう。」


 「武人たるもの戦場に散ってこそ花だろう。」


 「散ること前提はだめだろ。」


 「・・・(肯定の意)」


 全員が私の考えを見透かしていたのか言った。それも私のために。


 「お前たち・・・。…分かった。勝って生き残るぞ。そして祝おうじゃないかっ!!」


 「「「「「「「おおうっ!」」」」」」」


 黒いCTR達は戦闘態勢を引き締めなおす。その間もグレンは息をついてはいるが、待っていたのか動かなかった。


ジンテツは「紅い死神」がその様子でもやるべきことをやる。


 「待たせてしまったようだな。だが、その前にひとつ名乗っておこう。」


 そう外部スピーカーを通して言う。グレンも少しだが顔をあげる。


 「私はスレイプニル隊隊長、ジンテツ・オンワだ。そしてここにいるのはスレイプニル隊全員だ。覚えておくがいい。」


 ジンテツは教官時代に養った張り上げた声で名乗り上げる。周囲の部隊員は自然と笑みになっていた。それに対してグレンは、少し間隔を空けてから突然笑い出す。


 「…ははっ、ははは。はははははっ!!!」


 「なにがおかしい!!」


 グラバスがすぐさま隊長を笑われたのかと思い憤る。


 「少し待て、グラバス。」


 「隊長・・・。」


 それをジンテツは制止する。


 「紅い死神、どうして笑うのだ。理由を聞いてもよいか?」


 グレンは問いに答える。


 「いや、な。面白いんだよ、この状況が。」


 「ふむ。」


 「お前たちのような強者と出会えたことも嬉しいが、その強者が高潔であることも嬉しくてな。そして、俺が全力を出せる相手をようやく見つけたこともだっ!!」


 そう言って力を引き出すためある言葉を呟く。


 「覚醒、幻想の零・・・」


 刹那、グレンから炎の渦が巻き起こる。それはうねりながら周囲に広がっていき、CTRの足元まで飲み込んでいく。


 「これは…魔法?」


 「いいや、覚醒だ。そこらの魔法使いたち相手ではまず見ないだろうな。」


 次にグレンの持っていた両手の刀が変化する。刀身が炎を帯びていき、やがて刀身自体が炎となった。さらに、炎の刀身が魔力を注ぎ込まれたのか巨大化し、刀身自体も元の二倍近くまで伸びた。炎の渦と合わせたその光景は地獄の門番かのように錯覚した。


 「これが…覚醒なのか・・・。」

 

 ジンテツは目の前の変化についていけなかった。


 「なんだ、あれは・・・」


 「魔法なのか?」


 「いや、魔法陣が見当たらないわ。」


 「刀からものすごい魔力を感じるぞ。」


 「(隊員達も動揺を隠しきれないようだな。無理もないな。あれは存在自体があやふやなものとされていたのだから。まさか私もこの目でみる日が来るとはな。)」


 ジンテツは踏み込んではいけない領域に入ってしまい、後戻りは出来ないところまで来てしまったと悟った。


 「(ならば、全力で迎え撃つのみ、か。)」


 だからこそジンテツは覚悟を決め、各員に指示を出そうとするがグレンがそれを遮る。


 「そっちが名乗ったなら、俺も名乗ろう。俺はグレンだ!!火ノ鳥グレンっ!!」


 そう名乗ったグレンはグラバスのCTRへと向かう。その初動は見えなかった。いつの間にかグレンは走っていたのだ。それもこちらが捉えきれない速度で。


 「避けろ、グラバスゥ!!」


 ジンテツは叫ぶ。グラバスの機体はグレンの速度について行けず、一瞬ひるんだ。しかし、それも束の間ジンテツの声が聞こえたのか、拳で防ぐことはせず足を踏み込んで機械音を軋ませながら右に飛び退いた。


 それをグレンは飛んで、いままで振るわなかった右手の刀を左上から切り下げてグラバスの機体を斬る。刀は、普通ならば当たらない距離にも関わらず避けたグラバスの機体に吸い込まれように炎の刀身が伸び肩から下の右腕を切断して、胴体部の脇まで斬り抜いた。斬られたグラバスの機体はまるで溶けたと形容してもいいような切断面だった。その状態でグラバスのCTRは右半身を上にして横に倒れた。


 「ぐうっ!!」


 「グラバス!!」


 ジンテツが動く。推進器を全開にしてグレン目掛けて突っ込み、右手に持っている剣を斬りつけようとする。他の隊員もジンテツの行動に合わせて各々が射撃武器をグレン目掛けて放つ。剣を持っていた二人の隊員もジンテツに合わせてグレンに突っ込む。


 それらに対してグレンはこちらに一瞥をするも避けることはなく、いつ発動させたのか分からないほど早く炎の波があふれだしてきた。それは縦横に何mと伸びていき、グレンの背丈の何倍もの大きさとなって、すべての銃弾を飲み込んでいった。レイラが放った紫の膜に包まれた弾丸も、そこいらの魔法とは桁が違う魔力量の前にどうすることもなく塵になった。


 ジンテツはその炎の波がない真横から仕掛ける。グレンの右側にはグラバスの機体があり、ジンテツから見て邪魔にしかならなかったので、左側から仕掛けた。今、右手からでも攻撃が出来るグレンには死角にすらならないだろうが、それでも仕掛ける。


 グレンは案の定こちらを見つけると右手の刀を振り下ろそうとしていた。その何倍にも伸びた刀をジンテツは剣で受け止める。しかし、剣は耐えることなく溶けていき、刀が振り下ろされた。その刀はCTRにあたることはなかった。ジンテツは剣が溶ける前に強引に推進器を逆噴射して機動を止めており停止していたからだ。


 「そこだっ!!」


 ジンテツはこれを待っていた。刀が振り下ろされた一瞬の隙を突いて、左手の盾を捨てもう一本の剣に持ち替えてグレンに切り下ろす。CTRの馬力で振り下ろされた剣を人間の力で止めることは不可能だった。グレンは右手の刀を振り下ろした直後だったので振り上げるのは間に合わないと判断して左手の刀を水平にかざして受け止めようとする。剣と刀が交差したとき、グレンは沈んだ。ジンテツはグレンの足か腕の骨が折れたのかと思った。そしてそのまま押し切れると思った。しかし、実際は違った。グレンはCTRの馬鹿力で振られた剣を受け止めたのだ。そして、沈んでいたのは地面だった。不可解な事態にジンテツは焦った。それを見越したのかグレンは言う。


 「はははっ、面白いぜ!! だが俺は竜の血を取り込んでいるからな、この程度なら問題ない。残念だったな。」


 「なにっ!?」


 グレンは燃える刀身によって溶けかけている剣を押し返して、ジンテツのCTRを仰け反らせる。その隙を狙って今まで放つことがなかった技を使う。


 「楽しかったぜ。…覇黒!!」


 短く告げた言葉と共に振り上げた左手の刀を持ち直し、一気に振り下ろす。振った刀の軌道をなぞるように炎の刃が地面まで巻き込み燃やし尽くすように巨大になって前へと進む。ジンテツの機体はその刃の目の前にあったのですぐに飲まれた。


 「隊長ーーー!!!」


 グラバスが叫んだ。一部始終を見ていた隊員達も各々が叫んでいた。


 「・・・まさか、こんなことがあるとはな。」


 炎の刃が数十mを突き進んでやがて消えた。後に残るのは、焼き焦げた地面と黒い塗装がさらに黒ずんだCTRが立っていた。


 「隊長!!」


 「准将閣下!」


 「ぐっ、……心配するな。お前達は、奴を倒せ……」


 そういって力尽きたのかジンテツの機体は残った左膝だけを付いて機能を停止する。

 

 ジンテツはグレンが「覇黒」を放つ瞬間に機体を前に倒した。それが奇しくもグレンの「覇黒」の最低射程範囲内であったため右半身だけが焼かれることとなった。しかし、余波で機体全体に炎を浴び、さらに炎の刃に右半身と共に機体が持っていかれ元いた場所からかなり引きずられてしまった。この地点でジンテツはかなりの消耗をしていたため、覇黒を受けた衝撃でついに意識が遠のいていった。


 グレンはこの上ない喜びに満ち溢れていた。それを表にだすことはないが、体言するかのように彼の周りに渦巻く炎は煌きを絶やさない。


 いまグレンが使っていた魔法はすべて、彼の本気だ。それをこのスレイプニル隊の連中は対応をして、なおかつ隊長は俺に一撃を入れ、仕舞いには俺の必殺技を不完全ながらも避けたのだ。これほどの機会派の強者に出会えたことはいままでになかった。だから素直に賞賛した。


 「実に楽しいぞ。俺と対等に渡り合える人間がいるのは。」


 「くっ…」


 スレイプニル隊の隊員達はグレンの言葉に口を挟まない。挟んだ所でどうにかなるような状況ではないからだ。隊長が気絶した今彼らはまとまれない。その隙をグレンは見逃さないだろうと思えた。しかし、


 「お前達は強い。だから、今日のところは殺し会わないでおこう。」


 そう言ってグレンは覚醒を解いて、平常に戻った。


 「えっ…」


 誰かがもらした言葉は全員の思いだろう。


 「なに、今ここには俺の仲間が駆けつけてくる。そうなればお前達に勝ち目も逃げ道もなくなる。俺は、お前達とまた全力で戦いたい。だから、行け。」


 グレンの言動に不審を抱くも、スレイプニル隊のまとめ役であるレイラがレーダーを確認すると確かに魔法使いの反応がいくつも向かってきた。


 「ここは退きましょう、みんな。准将閣下がいつもおっしゃっていたではありませんか、生き延びることを第一としろ、と。」


 「了解…」


 無事な機体の隊員達がジンテツとグラバスの機体を二機がかりで回収する。レイラは撤退する際にグレンに感謝の言葉を述べる。


 「ありがとうございます。再び合間見えることを願いましょう。」


 「これは俺の勝手な都合だ。感謝されることなんてない。いずれ殺すのだからな。」


 「そうですか。それでは。」


 そう言って去っていった。




スレイプニル隊が去って行った後、数分もすればランスロットが魔法使い達を引き連れてやってきた。ランスロットは周囲に戦いの跡があるものの敵のCTRが見当たらないことを疑問に思った。


 「敵はどうした?」


 グレンはごく当たり前のように答える。


 「逃げられた。」


 その答えにランスロットは呆れたように言う。


 「それもおかしいが、そうか・・・。」


 「いや、実際のところ、魔力が限界に近いんだ。自走砲を吹き飛ばすのに結構使って、戦っていた奴らもこっちの対策が万全だったからな。全員倒せていたとしても、ランスロット達が来ていなければ帰れていたか怪しいかも。」


 「なら無茶はするな。ここまで敵陣に近いと来たくても来れなくなる。」


 「わかったよ。気を付ける。」


 ランスロットはグレンの実力も性格も知っているので多くは追及はしない。

 好敵手とも呼べる存在は、機械派にいない。CTRに乗っていようがグレンの前では1兵士と変わらなかった。それが逃げたということは、相手が強かったということでもある。好敵手と呼べるくらいには。

だが、追及したところで自分勝手な答えをいうのだろう。味方がいる手前、そんなことは聞くわけにはいかない。だから、代わりに魔法使い達に手当をさせるよう言った。その後グレンを伴って砦に帰還した。



 

今回は今までで一番長かったです。ロック砦編はあと2話ぐらい続きます。なにか思いついても、2話にまとめられるよう努力はします。

今回もここまで読んでいただきありがとうございました。

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