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外出はたまにが良いとニートは思います。


「おかえりなさいませエル様。ルード」

 光が収まり、目を開けると行きと同じようにエリーザがそこに立っていた。

 私たちを確認して、エリーザは頭を下げる。

「ただいま、エリーザ」

「ただいま戻りました」

 頭を下げるエリーザにそう返して背伸びをする。ハルはエリーザに軽く頭を下げていた。

「さすがに疲れたわあ」

 ベッドの上にダイブしようとするとエリーザにそっとたしなめられる。たしかにこの服は少し埃っぽいか。このままベッドにダイブしたら今夜寝る時が埃っぽく感じてしまいそうだ。

「湯浴みの準備はできておりますから湯浴みをされてください」

「ありがとう」

お風呂でゆったりまったりしよう。そう思いベッドにダイブは何とか踏みとどまる。

「では、俺はこれで」

「お疲れさま、ハル」

「お休みなさいませお嬢様」

 部屋に戻ったので私の世話はメイドに引き継がれる。護衛の仕事は終わりだ。

 仕事が終わったハルはエリーザに声をかけ、私もねぎらいの言葉をかけるとハルは一礼して部屋を出た。

「さあ、お嬢様。参りましょう」

 ハルを見送った私はエリーザに引っ張られるままお風呂へ向かったのだ。







 お風呂からあがってベッドの上に転がる。兄は明日の準備があるからと早々に部屋に戻ったらしい。

 私に会えないことをとてつもなく嘆いていたらしいが、兄のために頑張っていたのだから大目に見てほしい。思っていたよりも会えない時間は減るわけだし。

「お食事はどうされますか?」

「今日は疲れたから軽いものをもらえるかしら?それと、明日兄に手紙を渡してほしいのだけれど」

「かしこまりました。まずはお食事を準備いたしますね」

 エリーザはそう言って一度部屋を出る。その間に私は兄宛ての手紙を書くことにした。

 内容は盗賊団のアジトについて、だ。一応私の魔法で血縁者には光って見える石を配置しているから私の魔法を知っている兄ならすぐに気づくだろうが、念のためその魔法を動かしていることを文字にしておく。

 それとねぎらいのメッセージ。どうせどんなに早く片が付いても数日は拘束されるだろうからそれに対しての応援メッセージだ。私はいい妹なのだ。

 便箋の半分以下に収まった文章に他に書くことを探そうとしたが面倒になって諦め、封蝋を押す。

 この作業は楽しいなあ。この押し付ける模様は個人的なものなのでかわいらしいものを作ってもらった。使う相手は兄やこの家の使用人くらいだけれど、ちょっとした手紙にも押したくなるくらい可愛い。

 押し終わった封蝋を見て満足しているとエリーザがサンドイッチを持ってきてくれた。

「ありがとう。これがその手紙よ。これを食べたらもう寝ちゃうから、エリーザも下がっていいわ」

「かしこまりました。おやすみなさい、エルお嬢様」

「おやすみ、エリーザ」

 エリーザを下がらせてサンドイッチをかじる。美味しい。肉が入ってて美味しい。簡単なものでいいって言ったけど肉が入ってるだけで幸せになるわね、さすが料理長。わかってる。

 ペロリと食べ終わるとお腹が満たされて今度は睡魔が襲ってくる。

 食べてすぐに寝るのは太るかしら、と思いながらも自堕落な生活をしている私は精神が強くないためその誘惑に打ち勝つことはできず、命じられるままベッドにダイブする。

 ボワンとクッション性の良いベッドに、思わずうっとり。そのままいそいそと寝る準備をして、≪光玉≫を消した。

 





 ああ、今日も疲れたけれど、いい一日だった。





次は少し時間が空くかもしれません……。

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