ニート、お土産を持っていく。3
連続投稿です。このひとつ前の話も今日の投稿です。
「エルヴィーラ嬢、数日ぶりだな」
「ヴェッター、御機嫌よう」
シュタインに連れてこられたヴェッターはいつも通りのようだ。
私はヴェッターが元気溌剌である姿を見たことがない気がするんだけど、この人せめてちゃんと寝た方がいいと思う。
「ヴェッター、見ろよこれ。お嬢が持ってきたもんだ」
シュタールがヴェッターにドラゴンの血が入った瓶を見せる。
どれどれ、とヴェッターが自分の≪鑑定≫の魔法道具を取り出し、目を瞬かせた。
「これは――いや、しかしまさかこんな早くやるとは」
「ちゃんと骨も皮も持ってきていましてよ」
「さすがはお嬢」
「なんと、これはすばらしい」
骨と皮も取り出してみせるとシュタールがほほうと呟きシュタインが目を輝かせる。
いいだろう、もっと褒めたまえ。
「これで私をドラゴンスレイヤーと呼んでいただいてもよくなりましたわ」
「≪魔法使い殺し≫の方がかっこいいと思うがなあ」
「ドラゴンは少ないとはいえ、倒せる冒険者はいますからね」
胸を張る私にシュタールとシュタインが理解できないと首をひねる。
この世界の人間にしてみれば≪魔法使い殺し≫使いっていうのはかっこいい称号らしい。ある種最強ともいえるものだからかな。
私にしてみると正直ただの沈黙魔法使いだからなあ……。
それよりも竜殺しの方がかっこいいと思う。
だってドラゴンだよ、ドラゴン。実際戦ってみた感想から言っても強い敵って感じだし。
「まあ、なんだ。これですげえもん作ってやろうぜ」
「防具や武器にするにしても上質かつ強度の高いものができそうですね」
「ドラゴンの血で魔法陣を書くと強力になるという話を試したいと思っていたころだ」
三人はそれぞれ好き勝手に話している。
「どうせだからドラゴンの血でドラゴン装備に魔法を付与してはいかが?」
「ほう、面白そうだな」
私の提案にヴェッターの目が煌めく。
「とりあえず作るものを決めるぞ」
シュタールの言葉に私たちはうなずいた。
ハルはそんな私たちを横目に勝手にお茶を注いで飲んでいたけど。




