ニートと水魔法2
「ハル、手伝ってちょうだい」
「はあ」
今度はなんだという目をしながらも頷いたハルとエリーザの水の膜を切り離す。
エリーザの膜はそのまま私のものと合体させ、私とエリーザ、ハルの二つに分ける形にした。
「それで、俺はどうしたらいいんですか」
「まずは剣を構えてくれる?」
ハルが言われた通り剣を構えたのでハルの水の膜を変形させる。水まんじゅうのような形だった膜がハルの体に添うように小さくなり、剣も同じように沿わせれば完成だ。
「少し剣を振ってみてちょうだい」
「了解です」
ハルに剣を軽く振ってもらい水の膜が一緒に動くかを確認する。
ハルは試しと軽く動かし、水の膜がついてくることを確認して剣の型を繰り返す。
上段から下段に斬り、横に払い、フェイントもいれる。
そのすべてに水の膜は対応できていた。これは私の意思で動かすのではなく体に添わせるようにしたときに中にいる人間の動きに合わせるようプログラムしたからだ。
「動きに合わせるのは大丈夫ね。問題は切れ味だわ」
水の膜があるままだと敵に刃が当たらず切れないという致命的な問題が生じてしまう。
しかし剣だけ水の膜から出してしまうとそこだけ濡れてしまってかっこ悪い。打開策の一つとして剣に沿わせた部分の水の膜を細かく振動させる方法と勢いよく水を噴出させてウォーターカッターのようにする方法を考えてみた。
「ウォーターカッターの方はだめね。何もかっこよくないしなによりこれじゃあ剣よりも杖の方が強そうだわ」
「そうですね。剣士なら自分の力量が関係ない時点で好まれないと思います。やはり刃の部分だけ出した方が強いのでは」
「でもそうするとその部分に水の抵抗が加わるのよね」
そう、かっこ悪いだけではなく切れ味が落ちるところも問題なのだ。
其れからも色々と考え、試した結果とりあえずごく薄く延ばした水の膜を細かく振動させるブレードとして機能させることにした。
切れ味は上がるがこれをどう利用するのかは剣士の腕に任せられるし、まあ及第点は与えられるだろう。
「ところで、これがお嬢の水魔法の練習なんですか?」
「まさか」
これは魔法道具に応用できそうな魔法の研究だ。
これが魔法道具に落とし込めればそれなりに売れるだろう。帰ったらシュタール達と話し合う必要があるかもしれない。ついでに水まんじゅう型にしかならないものを作って新しい水遊びとして売るのもいいかもしれない。スキューバダイビングみたいで流行るんじゃないか?
そんな夢溢れる商売にもなりそうな研究はひとまず終了だ。
次こそ私の水魔法の練習に移ろう。




