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最強転生少女はニートを希望する。  作者: 三毛林実卦
ダンジョン編

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ニートと水魔法1

本日2話目です。


「水魔法といえば水場よね」

「何かが違うと思います」

 水魔法を使う相手をさて、と考えて私は水の気配がする場所へと移動することにした。

 大きくはないがそれなりの広さの湖には水場に生息する宝喰いがちゃんと存在しているらしい。湖の淵にはゲームや小説で思い浮かべるスライムのような宝喰いや両生類のような見た目の宝喰いがちらほら確認できたし湖の中には魚類のような見た目の宝喰いが泳いでいたり留まっていたりしていた。

 この世界のスライム――正確にはゲル状宝喰い(スーレム)という名前だ――は冒険者に厄介者扱いされる存在だ。

 直接攻撃がほとんど通らず、魔法が有効であるため魔法使いがいないパーティは長時間の戦闘を覚悟する必要がある。攻撃力はそこそこなので怪我の心配は少ないが、長時間かけて倒してもドロップ品がしょぼい。体も倒してしまうと数時間で消滅するので利用価値もない。

 そんな邪魔者扱いされるスライムを水魔法と炎魔法の応用である氷魔法で片づけていく。

 水の温度を下げて氷にしているだけなのでお手ごろな魔法だがスライムには効果抜群だ。なのでゲル状の体を凍らせることができるからね。

 そうやって周囲を一掃して、ようやく水魔法に取り掛かれる。応用の氷は使ったけどやっぱり湖といえば水魔法だよね。水と氷は同系統のようで全く違う魔法だと思うし。

「エリーザさん、俺は水場の宝喰いには水属性の魔法は通用しないと思うんですが」

「ルードの言葉は一般には正しいです。ですが、エル様ですから」

「まあ、そうですね」

 後ろで2人が話しているのはちゃんと聞こえている。

「失礼ね。私も何も考えなしにここに来たわけじゃないわ」

 まあ見てなさい、といって私は自分の周囲に水を集める。

 ふよふよと水の塊が浮いているのを見るのはとても楽しい。なんだか自分が超越した力を持っているようで――まあ、魔法は使えるわけだが。

 この水の塊を薄く延ばし、自分とハル達の周りを包み込む。

「これ、なんですか?」

「この中なら濡れずに水の中に入れるでしょう」

 そう、これがあれば水の中で戦うことができる画期的な魔法である。まだ試作段階だが。

「普通水の中に入るなんて考えませんよね」

「水の中でも騎士たちが戦えるようになればできることも増えるでしょう?面白いと思ったから試してみることにしたの」

 この魔法が上手くいけばこの魔法と同じ現象を起こせる魔法道具でも作ろうかと思っている。量産が必要になればそれこそシュタール達に頼むつもりだ。

「さて、じゃあ入ってみようかしら。――ここ、どれくらいの深さなのか調べてなかったわ」

 これで膝までの深さとかだったらシュールな見た目になってしまう。身長以上の水深じゃないと見栄えが悪いのよねえ。

 どうするか、少し迷ってとりあえず最初に私が入ることにした。

 ハルが自分が行くと言ってくれたが自分のミスは自分でなんとかせねば。

 ということで私の部分を二人と切り離し、包みなおす。

 浮かばないように陸と同じく地面を歩くことを頭の中に入れ、一歩踏み入れる。

 この湖はそれなりに深いらしい。頭の先まで水の中には入れたことを確認して2人のところへ戻る。

「大丈夫だったわ」

「本当に濡れてないのですね」

 一応、タオルを用意してくれていたエリーザが私の頭の先からつま先までを確認してほっとしたように息を吐く。

 心配してくれたことに礼を言って、今度は2人を連れて水の中に入った。



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