第02話:ストーカー殺人事件!
京一は家にいた。
家では同居している恋人、鮎川 瑞希が料理を作っている。
台所から香ばしい匂いが伝わってくる。
「瑞希、今日の飯は何だ?」
「出来てからのお楽しみ」
ピリリリリリ──京一の携帯が鳴る。坂巻からの電話だ。
「坂巻か。どうした? え、事件!?」
料理している瑞希の手が止まる。
「分かった。すぐに行く!」
玄関に向かう京一。
「瑞希、仕事出来たから行ってくるな!」
「いってらっしゃい、気をつけてね!」
京一は瑞希に見送られ、仕事へと出て行った。
その直後、家のインターホンが鳴った。
瑞希がドアを開けると、いきなり何者かに腹部を包丁で刺されてしまった。
「うっ!?」
(き……きょういち……)
その場に倒れる瑞希。
何者かは扉を閉め、走り去っていった。
葛飾区の亀有公園で遺体が発見された。
京一と坂巻はホトケの顔を拝みながら合掌した。
被害者の身元は御門 大輔。年齢は二十四。フリーターだ。
「下沢、死亡推定時刻は?」
「昨夜の十一時ごろです」
「死因は?」
「鈍器のようなもので殴られたことによる頭蓋骨陥没かと」
と、そこで京一の携帯が鳴る。
京一は携帯を取り出した。
(瑞希からメールか。何だろう?)
京一はメールを開いた。
助けて──メールにはそう書かれていた。
「坂巻、聞き込み行ってくれ。俺は家に戻らなきゃいけなくなった」
「はい、分かりました」
坂巻は目撃者を捜すため、周辺の聞き込みに向かった。
京一は家へと帰り、扉を開けた。
「瑞希!?」
玄関に瑞希が倒れている。
腹部には包丁が刺さっている。
京一は瑞希の脈を確認した。だが脈は止まっていた。
「瑞希!」
声をかけるが返答しない。
京一は携帯で百十九番をする。
到着した救急隊によると、瞳孔が開いていて死亡が確認された。
京一は同僚を呼び、捜査を開始した。
周辺で聞き込みを行い、目撃情報を集める。
それによると、幾日か前から高岩家の周辺をうろついている怪しい男を見たという証言が得られた。
捜査員たちは手分けをして周辺に防犯カメラがないか探す。
そして、発見した防犯カメラの映像を隈無くチェックし、そのいくつかの映像に映っている怪しい男の身元を調査した。
それから男の身元が分かったのは三日後のことだった。
男の名は御手洗 栄吉。警視庁のデータベースで照合したところ、御手洗はストーカー規制法違反で逮捕歴のある人物だった。
京一と坂巻は御手洗の家を訪ねた。
インターホンを鳴らすと、御手洗が出て来た。
「御手洗 栄吉さんですね? 警察です」
京一は御手洗に警察手帳を見せる。
御手洗は驚く。
「け、警察が俺に何の用?」
「鮎川さんとはどういう関係だ?」
「知らねえよ、そんな女」
「そんな女? 鮎川さんと言っただけなのに、どうして女性だとお分かりに?」
「あ……、いや……」
「貴方が殺害したんですね?」
御手洗はその場に膝をついた。
「僕が殺しました」
「殺害の動機は何ですか?」
「彼女が振り向かないからです」
「だからって殺していいってのかよ!?」
御手洗に襲いかかろうとする京一だが坂巻が止める。
「やめて下さい、警部!」
「瑞希はな、俺の大切な人なんだよ! 覚悟しろよ、このストーカー男!」
京一は手錠を取り出し、御手洗の手にかけて警視庁へご招待した。
「坂巻さ、亀有の事件はどうなったんだ?」
「あれなら所轄が犯人を逮捕しましたよ」
「そうか」




