第11話:ジェットコースター殺人事件・模倣
京一は聡子と共に千葉にある遊園地に来ていた。
ジェットコースターの列に並んで順番を待っている。
やがて順番が回ってきて、コースターに乗る二人。
セーフティガードを下ろすと、コースターが発車した。
坂を上り、急降下で一気に初速をつけてコーナーを曲がり、宙返りをし、洞窟の中に入る。
「うっ!」
後ろから呻き声。
「何、この生温かいの!?」
洞窟を抜けると、後ろの人の首が無くなっていた。
「きゃああああ!」
悲鳴を上げる聡子。
コースターが下り場に着く。
係員は驚くが、直ぐに落ち着いて千葉県警を呼んだ。
千葉県警はこの事件を事故と決めた。
しかし、京一だけは違う見方をした。
「違う! これは殺人だ!」
「何で他殺だと分かるんだね?」
「これと同じ手口の殺人事件が起きる漫画を俺は知っています。これは模倣犯の仕業でしょう」
「──なるほど。君が読んだ漫画では、犯人は金属のフックに縄を結び、先端を輪っかにして被害者の首にかけてフックをレールに引っかけると、コースターの速度によって首が吹っ飛ぶ、ということか。だけど、そんなことをするやつが本当にいるのか?」
「いるんですよ。犯人は俺の前に座っていたあの女性です!」
京一は女性を指差した。
「え? 私が殺したっていうの?」
「そうです。貴方は洞窟の中で解説した通りのことをやってのけたのです」
何も言えなくなる女性。
「署へ連れて行け!」
警官が女を連れて去る。
「いやあ、君がいなきゃ殺人事件を事故と処理するところだったよ。これからお礼も兼ねてお茶でもどうかね?」
「では、お言葉に甘えて」
千葉県警の刑事と京一たちは遊園地内の喫茶店に入った。
「そういえば、自己紹介がまだだったな。私は千葉県警本部捜査一課の石垣 幸三だ。階級は警部。よろしくな」
「高岩 京一です」
「黒川 聡子です」
「二人はアベックか?」
「そうですよ」
「そうか。私にはいないから君達が羨ましいよ」
「俺達、合コンで知り合ったんです」
「ほう。私も合コンやりたいな。ところで、お住まいはどこなんだね?」
「東京です」
「京一さんって頭がいいんですよ。東京で数々の難事件を解決してきて。都外でも活躍されてるんですよ」
「そうなんだ」
「でも、分からないことが一つあって」
「分からないことって何だよ?」
「職業よ。京一さん、全然教えてくれないんです」
「事件を解決に導いてるってことは、探偵か何かかね?」
「そんな所です」
「どんな事件を解決してきたんだね?」
「主に殺人事件ですかね」
「そうか。でも、それって危険なんじゃないかね?」
「大丈夫ですよ。警察の友達いっぱいいるし、困ったら助けてくれるんで」
「それならいいのだけど……危険なことはしない方がいいぞ」
「そうですね。それじゃ、俺たちそろそろ……」
「ああ」
京一と聡子は喫茶店を出た。




