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第10話:東大生殺人事件! 後編

 京一と沼田は東大で藤堂(とうどう) 勝一(しょういち)について調べていた。

 二人は藤堂と仲が良かったクラスメイトの工藤(くどう) 耕作(こうさく)から話を聞いている。

「え、勝一が死んだ!? 殺しですか!?」

「ええ。亡くなったのは、昨夜の十一時なんですが、貴方はその時間、何を?」

「僕を疑(うたぐ)ってるんですか!?」

「いえ、これは関係者全員に聞いてることなんで」

「そうですか? その時刻なら家にいましたよ。ちょうど彼女が来ててね。彼女に聞いてくれれば分かると思いますよ」

「その彼女のお名前は?」

「横山(よこやま) 由香(ゆか)です。この学校の法学部の子です」

「そうですか。因に、藤堂さんに何か変わったところはありませんでしたか?」

「変わったところ? 分かりませんね」

「そうですか。ありがとうございます」

 京一と沼田は会釈をすると、法学部の教室に移動した。

「横山さんはいますか!?」

 京一の問いに女性がやってくる。

「横山さん?」

「はい、そうですけど……?」

 京一は警察手帳を見せた。

「警視庁捜査一課の高岩です。昨夜十一時ごろ、工藤さんと一緒だったというのは本当ですか?」

「はい。耕作、何かしたんですか?」

「彼の知人が亡くなったので……」

「それってもしかして、今朝のニュースでやってた藤堂 勝一じゃないですか? 彼、うちの学部なんですよ」

「そうですか。彼に何か変わったところは?」

「いえ、特に……」

「どうもありがとう」

 二人は教室を出る。

「あの二人、シロですね」

「そうだな。取り敢えず、警視庁へ戻るぞ」

 二人は警視庁に戻り、鑑識を訪ねた。

「藤堂さんの遺留品見せてくれ」

 鑑識が藤堂の遺留品を用意する。

 遺留品には財布、携帯、自動車運転免許証、ロープがあった。

「ロープ……これは?」

「被害者の首に付いていた繊維とそのロープの繊維が一致しました。恐らく、殺害に使われたロープではないでしょうか? それと、被害者がこれを握っていました」

 職員が袋に入った服のボタンを示す。

「指紋は?」

「微量ながら取れました。これです」

 職員が京一に資料を渡す。

「マエは?」

「前科(マエ)はありませんでした」

「そうか」

「あれ?」

「どうした、沼田?」

「横山さん、今朝のニュースでって言ってましたけど、藤堂が発見されたのって、お昼でしたよね。だとすると、今朝のニュースで見ることは出来ないんじゃ……?」

「その通りだよ沼田! 俺は東大戻るから、お前は横山家のガサ入れの準備だ!」

 京一はそう言い残し、東大の法学部に戻った。

「あ、刑事さん。今度は何ですか?」

「藤堂 勝一を殺した犯人が分かりました」

「誰が絞め殺したんですか?」

「おめえだ、バーロー!」

「え、私が殺害したと言うんですか?」

「あんた最初に会った時、ニュースでって言ったよな。でも、藤堂が発見されたのは今日の午後十二時過ぎなんだ。朝のニュースで死亡を確認することは出来ないんだよ。死んでいることが分かってない限りね!」

「証拠はあるんですよね?」

「藤堂が絞殺された事は捜査員と犯人しか知り得ない情報だ! それから、藤堂が亡くなった時、服の袖から外れたボタンを握ってたんだ。昨日、あんたが着てた物のだろ? 今頃、あんたの家をガサ入れしているところだろうな」

 横山はその場に崩れる。

「すみませんでした……」

 京一は懐から手錠を取り出し、横山の手にかけて警視庁へ連行する。

 その後、ガサ入れした横山家からボタンの外れた服が発見された。そして、嘘の証言をした工藤も犯人隠避の罪で逮捕されたという。


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