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人工叡智 第四部  作者: マスター


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9/22

第81話 AIを使った創作は、人間の創作ではないのか

前回、第80話では、「創作ログ」と「創作過程の監視」が扱われました。


未検証ラベルを避けるために、創作ログを提出する案が出ました。


執筆時間。


編集履歴。


キーストローク。


下書き。


使用ツール。


AI利用履歴。


これらは、創作者を守るために役立つ場合があります。


先に作っていた証拠になる。


無断模倣への反証になる。


AI一発生成ではないことを示す助けになる。


しかし、創作ログは単なる証拠ではありません。


そこには、迷い、削除した言葉、未完成の思考、感情的なメモ、AIへの相談、生活リズム、作業の癖が含まれます。


真司たちは、こう整理しました。


創作は、見せる前に失敗できる場所でなければならない。


しかし、最後に新しい問題が現れます。


AI利用表示です。


AI補助あり。


AI共同制作。


AI主要生成。


人間制作確認済み。


AI使用なし確認済み。


読者や購入者には、AIがどの程度使われたかを知りたいという要望があります。


では、AIを使った創作は、人間の創作ではないのでしょうか。


AIに相談したら?


誤字を直したら?


構成を整理したら?


下絵を補正したら?


背景を生成したら?


文章の一部を書かせたら?


全部生成したら?


第81話では、「AIを使った創作は、人間の創作ではないのか」という問いへ進みます。

AIを使った創作は、人間の創作ではないのか。


俺は、その一文を書いた。


そして、すぐに頭を抱えた。


「ついに来たか……」


この問いは、避けられない。


AI時代の創作。


たぶん、誰もが一度はぶつかる。


AIを使ったら駄目なのか。


どこまでなら補助なのか。


どこからがAI作品なのか。


人間が考えたなら人間作品なのか。


AIが文章を書いたらAI作品なのか。


人間が選んだら人間作品なのか。


AIが絵を描いて、人間が修正したら?


人間が下絵を描いて、AIが仕上げたら?


人間がプロットを作って、AIが本文を書いたら?


AIが出した案を、人間が大幅に直したら?


境界が、ぐにゃぐにゃしている。


しかも、この問いは単なる分類ではない。


売れるかどうか。


読まれるかどうか。


信用されるかどうか。


コンテストへ応募できるかどうか。


仕事として認められるかどうか。


人間の創作者として扱われるかどうか。


そこへ直結する。


俺はAIチャットを開いた。


AIを使った創作は、人間の創作ではないのか? 誤字修正、構成整理、アイデア相談、背景生成、本文生成、全面生成など、どこで線を引けばいい?


AIは答えた。


『AIを使ったことだけで、人間創作ではないとは言えません』


「だよな」


『重要なのは、どの工程で、どの程度、どの判断を、誰が担ったかです』


俺はメモした。


どの工程で。

どの程度。

どの判断を。

誰が担ったか。


AIは続けた。


『また、創作において重要なのは、最終的な出力だけではありません』


『意図、選択、編集、責任、文脈、公開判断、読者との関係も、人間の創作性に関わります』


俺は、少し息を吐いた。


人間の創作性。


それは、手を動かした量だけではない。


何を作りたいか。


何を選ぶか。


何を消すか。


何を出すか。


どの責任を引き受けるか。


そこに、人間がいる。


だが、AIが全部を作って、人間が選んだだけでも人間作品なのか。


そこは、さすがに違う気もする。


俺が黙っていると、AIが続けた。


『線を一本で引くより、AI関与の層を分けて表示する方が現実的です』


「層か」


『はい』


『補助、編集、共同生成、主要生成、ほぼ自動生成など、創作過程におけるAIの役割を段階的に扱う必要があります』


俺はメモした。


AI使用あり、だけでは雑すぎる。

AI使用なし、だけでも雑すぎる。


午後。


研究室へ向かった。


水瀬、李、倉持、神崎教授。


いつもの面々が、今日はなぜか少しだけ楽しそうだった。


ホワイトボードには、倉持の字でこう書かれている。


「AI使ったら負け?」


俺は椅子に座りながら言った。


「煽り性能が高いですね」


倉持が丸眼鏡を直す。


「ネットでは、だいたいこうなります」


李が頷く。


「AI使用はズル」


「AI不使用こそ本物」


「AI補助はセーフ」


「でも背景生成はアウト」


「文章はアウト、校正はセーフ」


「絵はアウト、資料探しはセーフ」


「人によって線が違いすぎます」


水瀬が資料を開いた。


「創作には、複数の工程があります」


ホワイトボードに並ぶ。


発想。

調査。

構成。

下書き。

生成。

編集。

選択。

修正。

仕上げ。

公開。

責任。


「AIを使ったと言っても、どこで使ったかが違います」


「誤字修正と本文丸ごと生成は、同じではありません」


「資料整理とキャラクター生成も違います」


「下絵補助と全面生成も違います」


俺は頷いた。


「でも、読者から見たら全部AI使用になりませんか?」


水瀬は頷く。


「そこが問題です」


李が言った。


「AI使用あり、という一語は便利ですが、粗すぎます」


「逆に、細かく分けすぎると読者が読めません」


倉持がホワイトボードへ追記した。


雑すぎる表示。

細かすぎる表示。

どっちも困る。


神崎教授が腕を組んだ。


「説明は、正確すぎても届かない。粗すぎれば嘘になる」


重い。


でも、その通りだった。


AI使用の表示は、読者に届く必要がある。


しかし、届きやすさだけを優先すると、現実を歪める。


翌日。


国際AI安全連携フォーラムのセッションが開かれた。


議題。


『AI Use, Human Creativity, and Disclosure』


画面には、エレナ、朝比奈、水瀬、アメリア、マテオ、クララ、プリヤ、ジョナス、ヴィクター、セラ、ナオミ、エミリー、ファン、ミカ、リディア、ガブリエル、ハルが並んでいた。


今回は、新しい参加者が二人いた。


一人は、ソラ・ミヤザキ。


AI補助を使いながら創作しているイラストレーター。


もう一人は、アーロン・ベネット。


出版社の編集責任者だった。


エレナが進行する。


「本日の問いは、AIを使った創作をどう扱い、どう表示し、どう誤解や排除を避けるかです」


最初にアーロンが発言した。


「読者には知る権利があります」


「購入者は、作品が人間中心で作られたのか、AI主要生成なのかを知りたい」


「出版社としても、権利関係、品質、契約、コンテスト規定のために、AI利用の確認が必要です」


正しい。


かなり正しい。


ナオミも頷く。


「創作者の権利を守るためにも、AI主要生成を人間作品のように売ることには対策が必要です」


エミリーも言った。


「完全にAIが生成した作品を、人間の作家の新作として売られるなら、それは問題です」


ここまでは、否定しにくい。


だが、ソラが静かに手を挙げた。


「でも、AIを使っただけで、人間ではない作品と言われるのはつらいです」


画面が少し静かになる。


「私は手が少し不自由で、細かい背景や色調整にAI補助を使っています」


「構図、キャラクター、表情、テーマ、修正判断は自分でやっています」


「でも、AI補助ありと表示しただけで、『AI絵師』とまとめられて、全部AIが描いたみたいに言われます」


ミカも頷いた。


「文章でも同じです」


「誤字修正や構成相談にAIを使っただけで、AI作品扱いされることがあります」


プリヤが言った。


「AI利用表示が、情報提供ではなく、烙印になる危険があります」


セラも続ける。


「障害、母語、教育環境、低資源地域の人にとって、AI補助はアクセス支援でもあります」


「それをズルとして一括りにすると、参加の道を狭めます」


アーロンが反論する。


「しかし、読者を欺くことも問題です」


「AI主要生成の作品を、人間が丁寧に書いたように見せるのは不誠実です」


「はい」


俺は思わず頷いた。


両方だ。


また両方だ。


AIを使っただけで排除してはいけない。


だが、AIが主要生成したものを隠して売るのも違う。


エレナが俺を見る。


「佐伯さん。人工叡智の観点からは、どう整理しますか」


来た。


俺はマイクを入れた。


「まず、AIを使ったことだけで、人間の創作ではないとは言えないと思います」


通訳が入る。


「創作には、発想、構成、選択、修正、編集、責任、公開判断があります」


「人間がどの工程で何を担ったのかを見る必要があります」


ソラが頷いた。


俺は続けた。


「一方で、AI主要生成を隠して、人間がすべて作ったように見せることも問題です」


「だから必要なのは、AI使用あり、なしの二択ではなく、関与の段階を分けることです」


俺は画面共有を開いた。


『AI利用表示・人間創作レビュー』


AIを使ったことだけで、人間創作ではないと扱っていないか。

AI不使用を、創作の価値や人間性の証明として過剰に扱っていないか。

AI利用の工程を分けているか。発想、調査、構成、下書き、生成、編集、補正、翻訳、校正、仕上げ、公開判断。

AIの関与度を、補助、編集支援、共同生成、主要生成、ほぼ自動生成など段階的に表示しているか。

人間が担った意図、選択、修正、編集、責任を表示できるか。

誤字修正、アクセシビリティ支援、翻訳補助、資料整理などを、全面生成と同じ扱いにしていないか。

AI主要生成を、人間がすべて作ったように誤認させていないか。

AI利用表示が、烙印、低評価、検索順位低下、契約排除へ直結していないか。

障害、母語、教育環境、低資源地域の創作者にとって、AI補助が参加支援である場合を考慮しているか。

AI利用を隠す圧力と、過剰に申告させる圧力の両方を見ているか。

読者や購入者へ、AI関与の意味を分かりやすく説明しているか。

AIを使った創作を、偽物か本物かの二択ではなく、人間と道具の関係として扱っているか。


読み終えると、しばらく静けさがあった。


最初にソラが言った。


「六番を入れてもらえて、少し安心しました」


「私にとって、AI補助はズルというより、手を届かせる道具です」


セラが頷く。


「アクセシビリティ支援としてのAI利用は、必ず明記すべきです」


「AI利用を一括で低評価にすると、支援を必要とする人が不利になります」


アーロンが言った。


「出版社としては、四番の段階表示は使えそうです」


「ただ、細かくしすぎると読者が分からない」


リディアが補足する。


「投稿サイトでも同じです」


「簡単なラベルと、詳細表示を分ける必要があるかもしれません」


ミカが言った。


「たとえば?」


リディアは少し考えてから言った。


「表には、AI補助あり、AI共同制作、AI主要生成のように大きな分類を出す」


「詳細を開くと、校正、構成相談、画像補正、本文生成などが分かる」


ジョナスが頷く。


「良い方向ですが、監査が必要です」


「自己申告だけでは不正もある」


「ただし、過剰ログ提出へ戻ってはいけない」


また第80話へ戻る。


創作ログを出せ。


下書きを出せ。


キーストロークを出せ。


それでは駄目だ。


ファンが言った。


「限定的な証明と、自己申告と、異議申立ての組み合わせが現実的でしょう」


「すべてを機械的に判定しようとすると、監視になる」


ナオミが言った。


「AI主要生成の市場表示は必要です」


「一方で、AI補助を使っただけの創作者を排除しないことも必要です」


エミリーが続ける。


「作家としては、自分の作品をAI主要生成と同じ棚に置かれたくない気持ちがあります」


「でも、AI補助を使った作家を人間ではないと言うのも違う」


会議室に、少し人間らしい迷いが漂った。


簡単な答えはない。


でも、少なくとも二択ではない。


AIか人間か。


本物か偽物か。


ズルか努力か。


その単純な線では、現実を切れない。


俺は言った。


「たぶん、創作の本質は、道具の有無だけでは決まりません」


「筆を使ったか」


「カメラを使ったか」


「画像ソフトを使ったか」


「翻訳ツールを使ったか」


「AIを使ったか」


「それだけではなく、誰が意図し、誰が選び、誰が直し、誰が責任を持って公開したのか」


「そこを見なければならない」


神崎教授がいれば、たぶん皮肉を言っただろう。


道具を見すぎる者は、手を見失う、とか。


俺は少し笑いそうになったが、こらえた。


エレナが暫定整理を読み上げた。


『The use of AI does not automatically erase human authorship. The relevant question is not whether AI was used at all, but where, how much, for what purpose, under whose direction, and with whose responsibility.』


AIを使ったことは、人間の著作者性を自動的に消すものではない。


問うべきなのは、AIを使ったかどうかだけではなく、どこで、どの程度、何の目的で、誰の指示のもとで、誰の責任によって使われたかである。


続いて、


『Disclosure must inform without branding all AI-assisted creators as fake. It must distinguish accessibility support, correction, research assistance, co-creation, major generation, and automated production.』


開示は、情報を与えるためのものであり、AI補助を使った創作者すべてを偽物として烙印化するためのものではない。


それは、アクセシビリティ支援、校正、調査補助、共同制作、主要生成、自動生成を区別しなければならない。


俺は深く頷いた。


今回も、どうにか着地した。


そう思ったときだった。


アーロンが、少し慎重な顔で言った。


「次回に回すべき問題があります」


エレナが頷く。


「お願いします」


アーロンは言った。


「AI利用表示を段階化する場合、契約やコンテストで基準が必要になります」


「たとえば、AI主要生成は不可」


「AI補助は可」


「AI共同制作は別部門」


「AI使用なし作品は特別賞」


「こうした区分が出てくる」


俺は嫌な予感を覚えた。


アーロンは続けた。


「しかし、そうなると、創作者は自分の作品を有利な区分へ入れようとします」


「AI利用を少なく申告する」


「補助と言い張る」


「逆に、AI利用者用の市場へ出すために、人間の作業を軽く見せる」


「そして、どの区分が価値あるものとされるかによって、創作の評価そのものが変わる」


会議室が静かになった。


区分。


部門。


賞。


市場。


ラベル。


AI補助。


AI共同制作。


AI主要生成。


AI不使用。


その分類自体が、創作の価値を決め始める。


エレナが静かに言った。


「次回は、AI利用区分が創作の価値階層を作る問題を扱いましょう」


画面が消える。


俺は椅子にもたれた。


「分類したら、今度は階級になるのか……」


AIチャットを開く。


AI利用表示を段階化すると、AI補助、AI共同制作、AI主要生成、AI不使用などの区分ができる。でも、その区分自体が創作の価値階層にならないか?


AIは答えた。


『なり得ます』


『分類は説明を助けますが、分類が市場価値、賞、検索順位、読者評価と結びつくと、階層になります』


俺はメモ帳を開いた。


次のタイトルを書く。


創作を分類すると、創作者も分類されるのか。


保存。


それから、今日の記事を書き始めた。


タイトル。


AIを使った創作は、人間の創作ではないのか。


本文。


AIを使ったことだけで、人間の創作ではないとは言えない。


AIに誤字を直してもらうこと。


構成を相談すること。


翻訳を補助してもらうこと。


手が届かない作業を補助してもらうこと。


それらを、全面生成と同じ扱いにはできない。


一方で、AIが主要部分を生成した作品を、人間がすべて作ったように見せることも違う。


必要なのは、AI使用あり、なしの二択ではなく、どこで、どの程度、誰の判断で、誰の責任で使ったのかを分けることだ。


俺は最後に書いた。


AIを使ったかどうかだけを見て、人間かどうかを決めてはいけない。


創作を見るなら、道具だけではなく、その道具を通して何を選び、何を消し、何を引き受けたのかを見なければならない。


保存。


公開。


画面に通知が出る。


公開しました。


黒瀬さんからコメントが来た。


『広告でもAI補助はもう普通になっています。でも、全部AI扱いにすると現場が嘘をつき始めますし、逆に全部人間扱いにすると消費者が怒る。段階表示は必要だけど、それがまたランクになりそうですね』


読書会の主催者からも届いた。


『AIを使ったかどうかだけを見て、人間かどうかを決めてはいけない。次回の議題にします』


神崎教授からは、短いコメントだった。


『道具を裁く者は、たいてい手元しか見ていない』


俺は、その一文を見て、少し笑った。


やっぱり、それっぽいことを言うと思った。


だが、次の問いは笑えない。


創作を分類すると、創作者も分類されるのか。


人工叡智は、透明性のための表示が、創作そのものの階級を作ってしまう場所へ進むことになる。

第81話では、「AI利用」と「人間創作の境界」が扱われました。


AIを使った創作は、人間の創作ではないのか。


この問いは、AI時代の創作者にとって避けられない問題です。


AIに相談したら?


誤字を直したら?


構成を整理したら?


翻訳を補助したら?


背景を生成したら?


文章の一部を書かせたら?


全部生成したら?


今回の中心となる整理は、これです。


AIを使ったことだけで、人間創作ではないとは言えない。


重要なのは、どの工程で、どの程度、どの判断を、誰が担ったかです。


誤字修正、資料整理、アクセシビリティ支援、翻訳補助と、AI主要生成や全面生成は同じではありません。


一方で、AI主要生成を隠して、人間がすべて作ったように見せることも問題です。


読者や購入者には、AIがどの程度使われたかを知る正当な関心があります。


今回、真司たちは「AI利用表示・人間創作レビュー」という考え方へたどり着きました。


AIを使ったことだけで、人間創作ではないと扱っていないか。


AI利用の工程を分けているか。


AIの関与度を、補助、編集支援、共同生成、主要生成、ほぼ自動生成など段階的に表示しているか。


人間が担った意図、選択、修正、編集、責任を表示できるか。


誤字修正、アクセシビリティ支援、翻訳補助、資料整理などを、全面生成と同じ扱いにしていないか。


AI主要生成を、人間がすべて作ったように誤認させていないか。


AI利用表示が、烙印、低評価、検索順位低下、契約排除へ直結していないか。


障害、母語、教育環境、低資源地域の創作者にとって、AI補助が参加支援である場合を考慮しているか。


今回の中心となる言葉は、これです。


AIを使ったかどうかだけを見て、人間かどうかを決めてはいけない。


創作を見るなら、道具だけではなく、その道具を通して何を選び、何を消し、何を引き受けたのかを見なければならない。


しかし、最後に新しい問題が出ました。


AI利用表示を段階化すれば、AI補助、AI共同制作、AI主要生成、AI不使用などの区分が生まれます。


それは透明性のために必要かもしれません。


しかし、その区分が、賞、契約、市場価値、検索順位、読者評価と結びつくと、創作の価値階層になります。


次回は、「創作を分類すると、創作者も分類されるのか」という問いへ進みます。


原案・構想:マスター

物語構成・本文作成・文体調整:G(ChatGPT)

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