第1話 異常存在調査報告書 『口裂き女』
2000年ぶりになろうで新作投稿します。
当作品はカクヨム様にて並行して投稿しています。
【機密指定:第一種秘匿案件】
異能調査室 第弐調査部隊
案件番号:E-0137
異常存在調査報告書
対象名称:口裂き女
危険度:B+
分類:自然発生異能者
関連事象:人の卵事件
・概要
対象は人の卵事件発生後、土倉市周辺にて初めて確認された異能者である。
確認時期は事件発生から約三ヶ月後。
住宅街において連続殺傷事件が発生し、当室が調査を開始した。
・人の卵事件との関連
当室は対象を異界由来怪異ではなく、人間由来の自然発生異能者と判断している。
人の卵は異能調査室が管理及び監視している為、接触はない。
以上から可能性拡張後の自然発生型と判断。
・外見
女性
推定年齢20代後半
赤色ワンピース着用
剪定用鋏を携帯
顔面には口角から耳部にかけて裂傷が存在。
しかし記録映像には揺らぎのようなものが見受けられる。
裂傷は異能によって形成された概念的外傷である可能性が高い。
・異能
能力名(仮称)
『共感切開』
対象に対して自身の仮想損傷を強制的に現実化させ、共有させる能力。
鋏による攻撃は物理的損傷ではなく情報汚染に近い。
被害者は切断された事実を後から現実へ反映される。
このため通常の防具や障壁では防御不能。
・行動原理
対象は人間への強い執着を示す。
特に家族連れや恋人同士への接近が多い。
被害者の多くが死亡直前に「私、綺麗?」という発言を聞いている。
質問自体に異能効果は確認されていない。
しかし対象が自身の存在意義を確認するための行動と推定される。
・調査員所見
対象は怪異ではない。
怪物でもない。
人の卵によって可能性を書き換えられた人間である。
だからこそ最も危険である。
異界存在と異なり、人間としての感情と執着を保持しているためだ。
・対応方針
討伐許可申請済み。
担当討伐者:第壱実働部隊隊長 呉山 蛭子
報告書記録者:第弐調査部隊隊長 夜崎 幽




