プロローグ
いつか書こうと思っていた話です。
結末は決めていますがそこにたどり着くまでどうなるかは正直わからないです。
とても、とても懐かしい夢を見た
むかし、むかし
遥かむかしのとても懐かしい夢
まだ、私が精霊たちと共に暮らしていた頃の遥かむかしの出来事の夢。
幼い頃の私は、自分がどの様な境遇にいるのか良く理解できていなかった。
何故なら私が暮らしていたのは精霊達の住まう里で人間は私一人だったからだ。
幼い私はその事を不思議に思う事もなく、只々精霊たちと楽しい日々を過ごしていた。
精霊たちは何度も私に言い聞かせていた。
『お前は数百年ぶりに生まれた精霊使い。
我らの愛し子、汝が望むのであれば我らはいくらでも力を貸そう』と。
かつての精霊使いたちの様に人と精霊たちの架け橋となる。
偉大な先人たる精霊使いたちの話を寝物語に聞いて育った私のそれが当時の夢だった。
そのために力を貸してくれるかと問うと、精霊たちは決まって悲しそうな顔をしながら『愛し子がそう望むのなら』と言って私の頭を撫でた。
幼い私はそれが不満でしょうが無かった何故かつての精霊使いたちの様に人と精霊の架け橋となりたいと言うと精霊たちは悲しそうな顔をするのか。
何故、喜んではくれないのか。
だからこそ、私はいつもあの人に会いに行った。
あの人はいつも里を守る結界の境にいた。
私は、あの人が大好きだった。
宵闇の様な漆黒の髪に私と同じアメジストの瞳は、しかし、私などとは比べようも無いほど美しく私の目には写った。
あの人は私がどのような話をしても、優しい慈愛に満ちた目を私に向けてくれていた。
だからこそ、私は精霊たちにも内緒で何度も決して行っては行けないと言われた結界の境まであの人に会いに行った。
何度も何度も、毎日の様に
私が自分の境遇を知ったのはその時だった。
その日、私はいつもの様にあの人に会いに行った。
そこで、私は初めて自分以外の人間に出会った。
今でも、その時に見た人間の恐怖に染まった顔と投げつけられた言葉は忘れられない。
その人間は私の顔を見てこう言ったのだ『悪魔・・・』と。
私の顔の左側は普通の人間と何一つ変わらない。
しかし、右側は違った。
自分以外の人間に会った事の無かった私は、精霊たちともあの人とも違う自分の顔を何の不思議にも思わなかった。
自分が人間だから皆とは違うのだとそう思っていたのだ。
私の左側の顔は普通の人間と変わらない。
しかし、右側の
右側の顔は縦に割れた獣の瞳孔に、漆黒の獣毛を持つ悪魔の顔だったのだ。
生まれながらにして精霊の加護と悪魔の呪い、相反する二つを持って生まれた子供。
それが私だった。
そして、私がそれを知ったのと同時にあの人は私の前に姿を表さなくなった。
私に呪いを授けたあの人はーーーー
結末を迎えた主人公が見ている過去の夢という形式で書いてみました。




