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紅の装甲竜騎兵  作者: aziy
13/13

あとがき

 「紅の装甲竜騎兵」を最後までお読みくださり、本当にありがとうございます。

 この小説は、少年少女文庫様に掲載していただくことを前提として書き下ろした全くのオリジナルストーリーです。少年少女文庫様に前回掲載していただいた「彼と彼女と聖剣と私」のあとがきに「次回作で会いましょう」などと書いてしまったので、その公約を守らねばならない、というのが、書き始めた動機です(苦笑)。

 当初は一章が 25KB、計八章という、長編というよりは中編に毛が生えた程度の長さにまとめる計画で書き始めたのですが、予想通りと言うか何と言うか、最終的には、その計画の二倍以上の、それなりの長さを持つ長編になってしまいました。途中で一章を 25KB 程度とするという枠を取り払って自由に書くことにしたこともあり、今まで書いた非短編小説の中では、一番、書きたいことが書けた作品ではあります。

 執筆期間中、完成した暁にはあとがきにあんなことも書いてやろう、こんなことも書いてやろうなどと思い続け、いろいろ考えが膨らんでしまいました(苦笑)。以下、それらのことを表題付きで列挙してゆきます。



(ネタばれの話を多く含んでいます。本編をまだ読み終わっておられない方はここから先を読まないことをお勧めします)





この小説全体のモチーフについて


 この小説を書くにあたって私が意識した作品は、アニメ「聖戦士ダンバイン」です。古いアニメなのでご存知でない方も多いかと思いますが、日本で初めてテレビ放映されたファンタジー作品(のはず)です。サンライズリアルロボットシリーズの中で最も好きな作品なのです。



この小説の表現手法に付いて


 この小説は三人称形式であるにも関わらず、常に主人公マヤの視点で描かれているという、いわば「疑似一人称」形式をとっています。但し、第12章の一部と第1章は美玖の視点、第2章は山矢とルーミア交互の視点です。いずれにせよ、この小説に「一方その頃、どこどこで誰々が……」といった表現が一度も出てこないのは、この手法を貫いたためです(もっとも、第10章の冒頭部分にそれに近い表現がなくもないのですが(苦笑))。



異世界での戦争のモチーフについて


 この戦争(物語中では(いくさ)と読んでいます。戦争という言葉は私の感覚では火薬を使用するやや近代的な戦争のイメージがあったため、避けたのです)にははっきりとしたモチーフがあります。それは第二次世界大戦中のいわゆる独ソ戦(ナチスドイツとソビエト連邦の戦い。1941~1945年)です。読み返してみても、あまりそういう雰囲気が出ていないような気もしますが(苦笑)、もし戦史に詳しい方がこの小説をお読みくださったのなら、この小説のギール戦が、スターリングラードの戦いとクルスクの戦いを足して二で割ったものだと言えば、そんなふうに感じられなくもないのではないかと思います。もちろん、ハバリア=ナチスドイツ、エラーニア=ソ連です。地名、人名などは逆にハバリアをロシア風に、エラーニアをドイツ風に設定してあるため、ややこしいのですが。

 ただ、今にして思えば、独ソ戦と言うより、ガンダムシリーズの第一作「機動戦士ガンダム」で描かれていた一年戦争に似てなくもないかなという気もします(ザエフ戦がソロモン戦に、ドゥムホルク戦がア・バオア・クー戦に相当)。

 ちなみに、ザエフ戦に関してだけは、別のモチーフがあります。敵の防衛戦力が手薄と見て比較的少数の精鋭部隊で敵の本国(の方向)へ攻め込み、手痛い反撃を喰らう、というこの戦いの状況は、1944年9月に米英を始めとする連合軍とナチスドイツの間で行われたマーケット=ガーデン作戦の戦いの状況を参考にしたものです。



「妹」について


 固い話ばかりになってもいけないので、ちょっと柔らかめの話を。この小説を書き始めた当初は、ルーミアがマヤを「お姉ちゃん」と呼ぶ設定はありませんでした。第5章を書いていた時に思いつきでそのようにしたのです。だからルーミアとマヤは誕生日が半年しか離れていないのです(最初からそういう設定なら、ルーミアを15歳、マヤを17歳としていたと思います)。では、どうして急にそのような設定を加えたのか?それは某「シ○タープリ○セス」の影響であることを告白しておきます(笑)。つまり「海神航がお姉ちゃんだったら」みたいなことを考えてしまったわけです(もっとも、そういう小説を書かれた方は、きっとすでにいらっしゃるんでしょうね。でも、その場合、千影は姉を何と呼ぶんでしょう。「姉くん」ではちょっとおかしいような気がしますが(笑))。



美玖、理恵、智美のモチーフについて


 これは、この小説を書き始めたころ放送されていたアニメ「おねがい☆ティーチャー」の影響をもろに受けています。はっきり言って、美玖=縁川小石、理恵=森野苺、智美=水澄楓です(笑)。当然、声も美玖=川澄綾子さん、理恵=田村ゆかりさん、智美=大原さやかさんだとしたらしっくり来ます(笑)。ただ、影響を受けた時点では、放送は途中までしか進んでおらず、苺が「停滞」していたという事実はまだ明らかになっていませんでした。ですからもちろん、理恵が(第一章の時点で)実は二十歳だ、などという裏設定もありません(笑)(第一章の四年後を描く最終章で彼女は自分は二十歳だとはっきり述べてますしね)。



第6章での生理についての説明の補足


 第6章でルーミアがマヤに生理についてのレクチャーを施す場面が出てきますが、このようなシーンを挿入したのには理由があります。それは、TSF作家さん、それも商業ベースのTSF作品を書いて/描いておられるプロの作家さんの中にさえ、たまに生理のメカニズムを誤解している、というか理解が足りない方がいらっしゃるように見受けられた(少なくともこの章を書いた時点ではそう思えた)ので、啓蒙の意味を込めて、このように長いセリフを挿入したのです。どういうことかと言うと、生理(医学用語では月経)というのは、卵子の形成、排卵、およびそれに続く胎盤の充血の結果として起こります。憑依や入れ替わりや脳移植をあつかうTSFの場合はもちろん別ですが、医学的に女性化される物語においては、その登場人物が女性化した時点で月経周期が始まるわけですから、それからひと月近く(少なくとも二十日程度)経たないと出血は起きないことになります。ところが、一部のTSFでは医学的女性化からわずか数日か十日程度で月経が始まってしまう場合があります。私はそれを問題視したのです。

 とは言え、そのような場合でも生理周期が乱れたのだと無理矢理に説明できないこともないですし、また第6章で述べられている文章は簡潔すぎてそこまで伝わっていなような気もしますので、あのセリフにはあまり意味はなかったかもしれません(汗)。

 ただ一つだけ。ある商業ベースのTSFに、女性化したすぐあとに何人かの男性と性的交渉を持った主人公が、生理が始まったあとで「これからは性交渉のとき気をつけないと妊娠してしまう」と考えるシーンがあります。しかし、上に述べた生理のサイクルからもわかるように、女性化した後、初めて排卵が起こった時点で受精および着床が行われれば、そのまま妊娠してしまいます。つまり生理を経験する前に妊娠してしまうこと(初潮前妊娠?)もじゅうぶんあり得るのだということを申し述べておきます。通常の女性の場合は、最初の排卵が起こった時点では子宮が未発達のため受精卵が着床する可能性は低いのではないかと思いますが、TSFで大人の登場人物が女性化した場合、いきなり成熟した子宮を持っているはずなので、初潮前妊娠してしまう可能性はわりと高いということになります。



片仮名言葉について


 この小説はファンタジー作品であるにも関わらず、主に軍事的な分野において、スパイ、スクランブルなどの片仮名言葉が積極的に使われています。これには理由があります。主人公のマヤがどこか遠いところにある異世界に放り出されたのは確かですが、それは昔のことでもなく未来のことでもなく、現在のことです。つまり、小説を読んでいる最中の方にとって、マヤは今、この瞬間、ピムに乗って戦っているのです。そういう同時性を表現するために敢えて現代的な言葉を使ってみました。まぁ、あまり成功したとは言えないかもしれませんが。



ヤグソフ四姉妹のテーマカラーについて


 本編を読んだだけでおわかりいただけたと思いますが、ヤグソフ四姉妹、ニーナ、モーラ、ナターシャ、ソーニャは、それぞれ薄緑色、黄色、水色、ピンク色という、パステルカラーのテーマカラーを持っています。



美玖の部活について


 本編中では触れませんでしたが、美玖は陸上競技の千五百メートル走の選手という設定です。



ギールという町の軍事的重要性についての解説


 第7章で激戦が繰り広げられるギールという町についてですが、王都エランの東側には平地が広がっていて防御に適した河川や山地などがありません。ギールはエラーニアを東西に貫く大河(サウォル河といいます)のほとりにあります。もしここをハバリア軍が陥落させることができれば、サウォル河の渡河点を確保したことになり、渡河したハバリア地上軍は、エラン東の平原を突き進んでエランを南から包囲することが可能となります。この町で激しい攻防が行われたのはそのためです。



マヤが異世界に呼び込まれる過程についての補足


 第11章でマヤが異世界に呼び込まれた理由や、その過程が明らかにされますが、一つだけ説明しきれなかったことがあります。それはソーニャが山矢をこちらの世界から拉致する際、どうして先に魂を抜く薬を飲ませ、それから異世界へ転送するという手順を踏まなかったのかについてです。異世界への門を開く装置が尖塔の最上階にあることからわかるように、人が異世界へ転送するにはその人が高いところにいなければならないのです。もし先に山矢の魂を抜いてしまっていたら、ほとんど死んだような状態になった彼を高いところに持ってゆくのは困難です。たとえば自動車のトランクに積んで高い山の上に運ぶにしても、飛行機に荷物として積み込むにしても、ソーニャにとってはリスクが大きすぎます。山矢を高い山の上に誘い出してそこで薬を飲ませて転送する、という手順を踏んだとしても同じことです。ならば、自分で飛行機を操縦させて高空に昇らせ、とにかく転送した後であちらの世界で薬を飲ませるほうが良いということになります。



固有名詞の由来など


 この小説に出てきた固有名詞の中には、由来があるものもあるし、ないものもあります。


山矢健太……山矢という名字は、私の小学校三、四年生時代のクラスメートの名字です。語呂が良かったので使ってみました。健太という名前は元清水エスパルスのJリーガー、長谷川健太氏に由来しています。


マヤ・クフールツ……マヤという名の由来は物語の中で述べられている通りです。クフールツという名は、単なる思いつきですが、ドイツっぽいそれでいてドイツ語ではない名前にしようと思って付けました。


古津麻弥……古津はもちろんクフールツをもじったもの、麻弥という漢字表記は声優の岡本麻弥さんからとりました。


相良美玖、川名理恵、本多智美……三人とも単なる思いつきです。


八木沢ソーニャ……まず八木沢という名字を何となく使ってみようと思いました。元西武ライオンズのピッチングコーチだった方の名前からとったものです。ソーニャという名は語呂などを多少、検討した上で付けました。


ヤグソフ……八木沢をもじってこのような名字を作りました。どのようにもじったかに関しては本編の第11章に述べられています。


ニーナ、モーラ、ナターシャ……思いつきです。ただナターシャに関しては、二音節の名前にするとヤグソフ四姉妹の一人だとすぐにばれてしまう恐れがあったので、彼女だけ三音節にしました。


ラウラ・アガリカ……思いつきです。


サーラ・フィングステン……サーラという名は思いつきですが、フィングステンという名字は、私がNHKラジオのスペイン語講座を聴いていた頃、スペイン国営放送から発音指導のために日本に派遣されていたスサーナ・フィングステン(Susana Pfingsten)さんという女性アナウンサーの名前からとりました。ちなみに、Pfingsten という名前は誰がどう聞いてもドイツ語の名前です。彼女の先祖はおそらくドイツ語圏からスペインへ移住してこられたのでしょう。


オクタヴィ・アドレアーヌ……オクタヴィ(Octavie)は、今は名付けられることのなくなった古いフランス人女性名、アドレアーヌ(Adreanu)はルーマニア人の名字です。


グナン……第3章の冒頭に一度だけ登場する男の子の名前です。この名前、実は私がかつて書いた小説「ラシルの宝剣」と「ホムスの英雄と女救世主」でも使われています(苦笑)。


アイリゲン大佐……ドイツ語の eilig(アイリッヒ。「急ぎの、急を要する」の意)という単語が、ある一定の条件の下で変化すると eiligenアイリゲンとなります。そこからとりました。


ヤグソフ・ダカイ……思いつきです。


アウスグ語……フィリピンのミンダナオ島南部および西部からスルー諸島にかけて居住している民族、タウスグ族の言葉をタウスグ語といいます。それをもじりました。


エールデラント……エールデ(Erde)はドイツ語で大地、地球の意味(英語の earth に相当)、ラント(Land)は英語の landランド同様、土地、国の意味です。


ハバリア……ドイツ南部のバイエルン地方のことを英語では Bavariaババリアといいます。これをもじって付けました。


ファクティム……ラテン語で「する、作る」を意味する facio(ファキオーと読みます)の変化形の一つに factumファクトゥムというのがあります。それをもじりました。ちなみに、factum は目的分詞、ないしスピーヌムと呼ばれる変化形で、必ず「来る、行く」などの動詞とともに使われ、「(何々を)しに/作りに(来る、行く)」という意味になります。


ジュート……語呂の良さを考慮してこのような名前を付けました。ただ、もしかしたら、アニメ「機動戦士ZZガンダム」の主人公、ジュドー・アーシタという名の影響を受けているかもしれません。ちなみにジュドー・アーシタのジュドーは、ビートルズの「ヘイ・ジュード」からとったらしいです。


バーン・クフールツ……二回しか出てきませんでしたが、ルーミアの父の名前です。バーンはアニメ「聖戦士ダンバイン」に登場したバーン・バニングスからとりました。


ルーミア……語呂、覚えやすさなどに配慮しつつ、考えに考えてつけた名前です。結構、気に入っています。ちなみにこの名前のローマ字表記「Lumia」はフィンランド語の雪を意味する単語「lumiルミ」を意識しました。(2018年1月22日追記:その後『東方Project』という同人ゲーム企画の中にルーミアという名のキャラがいることを知りました。偶然の一致です。聞くところによると『東方』は結構有名らしいのですが、私は当時、全く知りませんでした)



言語設定について


 山矢はシアトル育ちの帰国子女という設定になっていますが、その理由は、とてもあか抜けた、洗練された少年と設定することで、異世界に放り出された挙げ句に田舎の村で少女として生きることを余儀なくされるという悲惨な境遇とのギャップを強調したかったからです。実は当初、エランに出てきたマヤが田舎者呼ばわりされてへこむシーンを第8章で描く予定だったのですが、諸事情により割愛しました。

 ルーミアたちアウスゲント地方の人々はアウスグ語を話し、王都エランの人々は、アウスグ語とアクセントが異なっているだけのエラン語を話す、というややこしい設定は、この割愛されたシーンのための伏線でした。つまり、マヤがルーミアに言葉を教わった時点で「自分はエラーニア語のアウスゲント方言(アウスゲント弁?)を話している」という意識があったとしたら、エランに出てきた彼女が話そうとする時、当然、自分は方言を話していると考え、警戒してしまいます。逆に、彼女が「自分はアウスグ語というエラーニアの一言語を話している」と考えていたとしたら、エランに出てきた彼女は警戒せずに話そうとします。私は後者のほうが、自分では普通に話しているつもりなのに田舎者扱いされたショックが、より一層引き立つと思ったのです。



女性の自称語について


 この小説のほとんどの女性登場人物は自分のことを「あたし」と称しています。しかし、一部の方、特に女性の方の中にはこの表現を嫌う方もいらっしゃるようです。極端な場合、そのような表現は実在しないと言い張る方もいらっしゃいます。にもかかわらず、私は敢えてこの小説ではこの表現を使わせていただきました。理由は、もちろんマヤが女性化したことを強調するためです。マヤとなった山矢が「私」と称しただけでは、単に丁寧にしゃべっているようにも解釈できますからね。そして、マヤに「あたし」という表現を使わせるとなると、バランスをとるために周りの女性登場人物にも同じ表現を使わせる必要があったのです。

 ちなみに、私が以前、書いた中編「彼と彼女と聖剣と私」では、主人公のリエーラはれっきとした女性ですので、彼女には一貫して「私」という自称語を使わせています。その一方で、フューン/フューネには途中まで「俺」、途中から「あたし」と言わせることで性的変化を強調しています。



ストーリーの傾向について


 冒頭で聖戦士ダンバインの影響を受けたと述べた通り、私はこの小説を、サンライズリアルロボットアニメのような傾向のストーリーとしたつもりです。しかし、この小説の設定を使えば、もう一つ、別の傾向を持ったストーリーを書くこともできなくはありませんでした。それは、「ライバルとの戦い→敗北→特訓→再戦→勝利→ライバルとの和解→新たな敵の出現」というパターンを延々繰り返す、いわゆる少年漫画タイプのストーリーとすることです(笑)。ところが、実を言うと私はそういうタイプのストーリーがあまり好きではないのです。それに、少年漫画に見られるような戦闘シーン(途中に身の上話とか必殺技の解説が入ったりするようなやつですね(笑))を小説に長々と書いても面白くないですしね。ですから、私にとっては前者の選択肢を選ぶしかありませんでした。また戦闘シーンも最小限にしぼりました。



プロトタイプについて


 この小説にはプロトタイプが存在します。プロトタイプでは、主人公は航空自衛隊の F-15 戦闘機のパイロットという設定で、初期舞台も千歳基地でした。私は兵器ついてそれほど詳しくないので、書店で空自関係の資料を立ち読み(苦笑)して調べ始めたりもしていたのです。しかし、私はふと気づきました。ソーニャが異世界に連れてゆきたいと思うほど優秀な戦闘機乗りになるには、それなりの時間を要します。おそらく30歳は超えてしまうでしょう。30歳を超えたオヤジ(←自虐笑)が異世界に引き込まれて少女となり、竜を乗り回すというストーリーでは、あまり萌えませんよね?(笑)。だから今の形に変更したのです。



描き足りなかったこと


 ピムとマヤのふれあいのシーンをもう少し描きたかったですね。

 あと、エラーニア側にライバル竜騎兵隊を登場させたかったですね。不良(というかスケバン?)っぽい竜騎兵たちがマヤたちの前に現れて、最初は侮っていたのが後に和解して一目置くようになる、といった感じでしょうかね。ちょっと上記の少年漫画パターンふうですけどね(苦笑)。

 この小説は第6章以降、エピソードが時間的にわりととびとびになっているので、サイドストーリーを挿入しようと思えばいくらでも挿入できるような気がします。現時点ではそういうものを書く気力は全くありませんが(苦笑)、ひょっとしたら、いずれその気になるかもしれません(ならないかもしれません(苦笑))。



マヤの容姿描写について


 お気づきになられた方もおられると思いますが、この小説には主人公マヤがどういう容姿なのかを描写した部分がほとんどありません。せいぜい、胸があまり大きくないということ(第3章、第8章、第10章)と、一目見て東洋人だとわかる顔をしているということ(第2章)が述べられている程度です。もちろんこれは私が意図的に行ったことです。つまり、そういう描写を敢えてしないことによって、読者のみなさんにマヤの姿を自由に想像してほしいと思ったのです。ですから、本編を読み終わり、今この文章を目にしておられるあなたの頭の中に浮かんでいるマヤの姿は、それがどんな姿であっても(髪が長いか短いか、スレンダーかそうでないか、目がぱっちりしているかそうでないか、肌が色白かそうでないか、小柄か大柄か、など)間違いではないのです。それはあなただけのマヤ像なのです。





 なんか、すごく長いあとがきになってしまいました(苦笑)が、最後にもう一度、申し上げておきます。ここまでお読みくださりありがとうございました。



2004年9月5日

aziy記

(2008年6月2日、本編の一部改定に伴い、あとがきの内容も一部変更)

(2018年1月22日、小説家になろうへの転載の際、不要な情報など一部を削除)

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