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課外授業!

遅くなり申し訳ありません。あと12000PVいきました、ありがとうございます!これからも頑張っていきたいと思います。

ゼロが行った後、サリアは急いで荷物を取りに行った。荷物はすでに準備してある。荷物といってもキャンプに行くのではないのでそんな大きな荷物にはならない。替えの制服など着替えぐらいなものだ。その他の持ち物は学院側から持ち込み禁止がでているため持っていくことすらできない。

サリアは荷物を持つと集合場所へと向かった。


指定の集合場所にはすでに大勢の生徒が集まっていた。サリアは自分たちのクラスを見つけると担任に報告してからレン達を探した。


「サリア!こっちこっち!」


呼ばれて振り向くとエルが手を振っている。周りにはレンやマリーも一緒だ。


「遅かったな、どうしたんだ?」


「お兄様に途中で会って、その少々話をしていて・・・」


「で、兄貴はなんだって?」(エルはゼロのことをこう呼ぶ、理由はよくわからないが)


「出かけると・・・。それからこれを私に、と・・・」


質問に答えながらサリアは首にかけている青い石のペンダントを取り出した。


「ゼロ先輩が?これは守護聖石か?」(レンはなぜかゼロのことを先輩と呼ぶ)


「ううん、守護聖石じゃないらしいの」


「でも、きれいだよねー・・・。いいなぁ、私も欲しい~」


マリーがペンダントを覗き込む。


「みなさん!集まってください!」


そのとき担任の声がした。どうやら出発の時間らしい、サリア達は2メートルほどの魔力結晶に囲まれた広場に入っていく。

メルス山には徒歩で行くわけではない。カルパニア魔法学院独自の魔法、『転移』を使うのだ。一瞬で大人数を運べるし、到達までの時間も少なくて済む。だが、欠点もある。

魔力消費が半端ないことだ。学院では魔力結晶を転移魔法陣の周囲に囲み結晶から湧き出る魔力を一年溜めることで転移を可能としている。故に、サリア達が受ける課外授業とは年に1回のみと限定されてしまうのだ。


魔法陣が発動し一瞬意識が飛ぶような感覚がしたと思うと、周りの景色が変わっていた。


「あー、みんな注目ー!」


声のするほうをむくと大きな岩の上に人がいた。


「俺の名前はガストン、ここでお前たちの教官を務める。いいか!これから言うことをよーく聞いておくんだ。まず、お前たちには後ろの木箱から紙を一枚引いてもらう。全員が引き終わったら本題に入るとしよう!」


後ろを振り向くと木箱が5個並んでいる、みんなはその5つの木箱に順番に並ぶと手を突っ込んで紙を一枚ずつ引いていった。

全員が引き終わったのを確認しガストンが口を開く。


「引き終わったな?よーし、それはこの授業での課題だ。その課題をクリアした者だけが帰れるというわけだ。課題をクリアするまでは何日だって何ヶ月だってここにいてもいいぞ!」


「「えええー!?」」


いきなりな発言に全員が戸惑い騒ぎ始める。


「騒ぐな!!いいか、これは試験でもあるんだ。それに実戦を経験しいついかなる時も瞬時に魔法を発動させるための集中力、冷静さ、判断力、これらを特訓し身に付ける意味もある。文句や不満があるなら帰ってもいいぞ!ただし、今学期はGクラスで過ごすことになるがな!」


騒いでいた連中が一斉に黙る。

静まり返ったのを確認するとガストンは再び口を開いた。


「よろしい!ではチームを決める!チームは5人まで、単独行動は禁止。もちろん連帯責任だ。誰か1人でも課題をクリアしてないとそのチームはいつまでたっても山の中だ、いいな!?」


「「はい!」」


「チーム表はお前たちの横の看板に張ってある!くれぐれも勝手な真似はするんじゃないぞ!以上、解散!」


ぞろぞろとみんなはチーム表を眺めに行く。知り合いがチームに入っていれば集まるのも簡単だが知らない連中ばかりだと探すのも一苦労だ。これはある意味”運 ”だろう。

チームメンバーを探し右往左往している中、他とは比較的幸運なチームがいた。


「エル、レン、カイル、アキム・・・。男子2人とマリーを抜かせばいつもと同じ面子なのね・・・」


とりあえず、二人とは合流済みだ。あとは・・・。


「カイルとアキムか」


「知っているか、レン?」


「いや、知らないな。サリアは?」


「私も知らないわね・・・」


「どうするー?」


「叫ぶか」


「・・・まかせたぞ、エル!」


ぽんとエルの肩に手を乗せる、レン。無言の目線で応援するサリア。


「おまえら・・・、カイルゥゥゥゥゥゥ!アキムゥウウウウウウ!どこだーーーーー!」


「ほんとに叫ぶのかよ・・・」


「うるさいわね」



「そんな叫ばなくてもここにいるよ」


エルが急に黙る。そこには金髪と赤髪の男が立っていた。


「やあ、初めまして。僕の名前はカイル・ランバード」


金色の髪を風になびやかせながらカイルが自己紹介をしてくる。


「・・・俺はアキム・ゲイムルス、よろしく頼む」

短い赤髪で低い声でアキムが名乗る。


「私の名前はサリア・レクマイヤー。こっちが」


「エル・カルレオンだ、よろしくな!」


「レン・マーキスだ、初めまして」


「とりあえず、ここを離れようか。それからみんなの魔法と課題を確認したいんだが・・・」


カイルがそうみんなに言う。


「その件には賛成だ」「ああ」「いいよ」 「うん」


5人は広場を後にすると、広場近くの池のほとりに集まる。


「さて、まず僕の魔法と課題からいこうか。僕の魔法は雷、課題はケル岩塩の採取だ」



人によって使う魔法は限定されている。人にはそれぞれ得意な属性があり、それによって使う魔法もそれに合わさる。熟練した魔道士はすべての属性を使えることができるが、自分に合った属性のほうが強い。


「俺のは地、課題はウィスプの体液だ」


「私の魔法は光、課題はヒャンドラの花の採取だ」


「光魔法を使えるのか!?」


「まぁ、な」


驚かれてちょっと恥ずかしそうにするレン。


「あたしのは無属性と炎!課題はベアファンゴの牙だ!」


エルが自慢そうに名乗る。


「無属性・・・?無属性ってなんかあったか?」


カイルが不思議そうにアキムに聞く。


「無属性というのは身体強化などに使われる属性のことだ、一般的には無属性持ちとは言わないけどな」


「あたしのはそれだけじゃないぞ、見てみな!」


そう言うとエルは右手に魔力を集中させる。ゴオッ!すると、いきなりエルの右手が炎に包まれた。


「付呪魔法か!」


「まぁ、な!」


「最後は私かな?私の魔法は水、課題は・・・魔晶石の採取!?」


「魔晶石だと・・・?」 「あるのか?」 「わからん」


サリアが課題を告げた途端エルを除く3人が呻った。


「え、なんだ?」


1人エルだけが気付いていないようだ。


「なぁ!なんだよ魔晶石って!!」


「・・・レン、一つ聞いていいか?あいつは大丈夫なのか?」


アキムが不安そうにレンに尋ねる。


「私も不安になってきた、それ以上言わないでくれ・・・」


「なんだよ!二人して、いいから説明しろよ!」


「エル、あなた授業ちゃんと聞いていたの?これって基礎中の基礎よ?」


サリアがあきれながらエルに答える。


「う、寝てたんだよ!しょうがないだろ!」


「はぁー・・・、なんだか一気に不安が・・・」


「魔晶石というのはね、簡単に言うと魔石の上位石のことなんだよ。魔力がこもっている石が魔石なんだけど、魔力の濃度がより高いのが魔晶石っていうんだよ」


見かねてカイルがエルに丁寧に説明した。


「へー、でもそれならどこにでもありそうじゃないのか?」


「エル、まさか地理学も寝てたの?」


「え、いや、そのー」


「魔晶石は魔力の高い地域にしか存在しない、メルス山の魔力が高いところは一箇所だけ。それは・・・頂上のみ」


「げっ、じゃあ頂上に行かないと取れないってことか!」


「やっとわかったか・・・」


「とりあえずサリアの課題は後回しだ、私のとカイル、アキムの課題を順番どおりにやれば、ここからこの山を東周りにうまく周れば一通りクリアできるはずだ。エルの課題は~・・・周っているうちになんとかなるだろう」


レンがまとめる。


「あれ、ちょっと待って!あたしのだけ適当じゃね?」


「明朝5時出発だ、ここに集合、質問は?」


「「ない」」


「いや、あたしのはー・・・?」


サリアが頷き、カイルとアキムが返事をして、エル最後の抵抗をしたが無駄だった。

その場で5人は解散した。


朝5時、メルス山には霧が立ち込めていた。池のほとりに5人の人影があった。


「全員いるか?」


「うん」 「いるね」 「いつでもいけるぜ」 「行きましょう!」


「よし!まずは東の岩石地帯からだ、カイルの課題だな」


「ああ、ケル岩塩は比較的簡単に見つかると思う。魔物も低ランクのクラスしかいないと思うけど警戒はしておいたほうがいいと思う」


「わかった」





その夜・・・、5人は4人分の課題を終え、休憩を取っていた。



「意外に早く終わったな」 


「ああ、もっとかかると思っていたがあっさりだったな」


「あたしの魔法の出番がなかったなんて・・・」


「エルのが一番楽だったわね、まさかベアファンゴの死体があるなんてね」


「こうなるとサリアの課題がすごく難関に思えてくるね・・・」


課題を4人分あっさりとクリアして拍子抜けしてしまっていた。特にこれといって強力な魔物が出てくることもなかった。むしろ、森は穏やかな風が吹いており魔物の声も気配すら感じられなかった。

5人が談笑していた頃、学院のキャンプでは騒動が起きていた。


「入山立ち入り禁止だと?どういうことだ!」


「ですから!冒険者ギルドからの緊急指示で、至急メルス山に立ち入り禁止令および退避令がでているんですよ!」


言い争っているのはガストンと冒険者ギルドの連絡員だ。万が一に凶悪な魔物が出現した場合に冒険者ギルドに応援を要請するために連絡員がいるのだがギルドから連絡が来るのは初めてだった。


「メルス山に今何人の生徒が残っていると思っている!?今すぐなんて無理だ!そもそもそれは本当に緊急なのか?怪しいものだな」


「当たり前じゃないですか!我々が嘘の情報を教えるとでも!?」


「過去に何度かあったではないか、今回もそういうのではないという証拠がほしい」


「なっ!?事態は一刻を争うんですよ?そんな悠長なこと言ってる場合では・・・」


「とにかくだ!一体何が起きて、どういう状況なのか。偽の情報じゃないのかちゃんと確認を取ってくれ。いいな?」


「緊急指令だというのに・・・、ギルド応答願います、こちらは・・・」


ガストンに圧倒され連絡員はギルドと連絡をし始める。

その時、山の一箇所から光が現れる。


「なんだこの光は!」


強力な魔力とともに光が広がる。光は山全体をも照らし明るくまるで昼間のようだ。

明るかったのはほんの短い間で、爆発と共に衝撃が山全体を震わした。


「一体何が起きているんだ!!」


光は山にいるすべての生物の視界を奪い消えた。

衝撃で何人もの生徒が倒れている。


「ええい!至急生徒の安否確認をしろ、それから山全体にいる生徒をここに呼び戻せ!いいな!?」


「は、はい!」


各クラスの担任が散っていく。それを見届けるとガストンは衝撃で気絶した連絡員を起こしに行った。




時を同じくしてサリア達も光と衝撃を受けていた。


「くそ!何が起きたんだ!」


「カイル、落ち着け。あの光は恐らく魔法だろう」


「誰かが強力な光魔法を誰かが行使したということか」


「強力な光魔法・・・?」


エルとレンが何か心当たりがあるようにサリアを見る。


「え?でも、お兄様は出かけるようなことを言っていたし・・・」


「とりあえず、さっき光と衝撃がしたほうに行ってみればわかるんじゃないか?」


レンが提案する。 


「行くのか?何がいるのかわからないんだぞ?」


「だが気になるだろう?」


「まぁ、な」 「ああ、そうだな」


アキムとエルが同意した。カイルも決心したようだ。


「行きましょう、少しでも状況がわかるかもしれません」


サリアが立ち上がると全員がそれに続いた。5人は光と衝撃が起きた方角へと急いだ。

急いだはずだったがそもそも一日中山を歩き回ったあとの行軍がきつい。すぐに疲れて歩きに変わってしまった。


「もう少しで森を抜けるぞ・・・」


息を切らしながらカイルが言う。正直ここまで来るのに体力をだいぶ使いへとへとだが何があるのかだけ確認だけでもしようと諦めていた。学院からもらっている緊急通信結晶も無視を続けるのはまずい。

森を抜けるとそこには大きな穴がありその周りを魔晶石が一面に広がっていた。


「嘘だろ・・・」


「おい、魔晶石っていうのは山頂付近にしかないって言ってなかったか?」


「エル、確かにそうだけど、例外もあるのよ・・・」


「例外?」


「魔晶石、魔水晶などの魔石系等の発生の条件は知ってる?」


「それぐらい、あたしでもわかるぞ!空気中の魔力を微量の魔力を含む土や石が吸収して結晶化するんだろ?」


「そうね・・・」


「ん?」

 

短い沈黙が訪れる。  


「ちょ、ちょっと待て!じゃ、じゃあアレか!?この辺一体を魔晶石化するほどの魔力で放った魔法が撃ちこまれたとでも!?」


「そういうことだ、正直現実とはありえないと思うけどな・・・」


「ああ、こんな現象を起こすほどの魔法といったら知っている限りSSSランクくらいしかありえないが・・・」


「だが、SSSランク魔法など撃てる人間などいないだろう?」


「となると・・・、まさか魔人か?」


「その可能性が高いな、早くここを離れよう!」


「サリア、とりあえず魔晶石のかけらを拾っておいたらどうだ?」


「うん、これくらいの大きさでいいかしら」


サリアは手のひらより小さいかけらを拾い、袋に入れる。

5人はその場所が急にとてつもなく危険な場所だと思い始め、全身に身震いが出始めた。


「さっさとキャンプにもどろう!」


カイルは言い終わる前にすでに駆け出している。残りのメンバーも続いたが、サリアだけ何か懐かしい匂いを感じ一度止まり振り返ったが、レンに呼ばれそこを後にした。

5人はその後キャンプ地に戻り何が起きていたのか報告した。メルス山における緊急退避及び侵入指令は撤回された。課題がクリアしている者は一度帰宅の許可がおりた。クリアしていないものはしばらく山篭りだとか。サリア達のチームは全員が帰れて一安心だったがこの授業で判断力や集中力が培われたどうかは微妙なところだった。緊張感を持って挑めたがこんなことでいいのかという不安は少なからずもあったが、後日先輩から聞いた話によるとそういう例は恒例らしい。

各々が帰宅の路に着き、サリアはメルス山入り口でゼロと会い最速で家に戻った。

メルス山は入山許可が下りているもののブラックドラゴンの死体付近は立ち入り禁止となっており現在進入不可の結界で防がれている。

一方、少々形が変わったメルス山は観光名所としての話が持ち上がっているがそれはまた別の話だ。



特に戦闘もない普通回、戦闘とか期待させてすいません。次回でふんだんにバトるので許してください><

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