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②これまでのあらすじ

第三部 これまでのあらすじ・登場人物



■これまでのあらすじ


【第一部 測れない魔法】

 大陸最南端の小国オルネスを出て、北へ旅を続ける姉妹、シェリルとアノリス。魔法を算術で記述する「魔法算術論」を独力で築き上げた姉と、人懐こい話術で相手の懐に入り込む妹、そして亡国カリティスディアの王女で剣の達人・ラフィスと出会う。

 ラフィスの旅の目的は、戦火の中で弔われることのなかった両親の魂を送る儀式「カルナヴィア」を、大陸最北端のドルヴェナ岬で果たすことだった。

 エレシア王国に入った三人は、召喚事故で暴れる龍を鎮め、王都リーヴィンでそれぞれの居場所を得る。シェリルは著書を世に出し、「エーテラリス」の異名を持つ特級術師であることが知れ渡る。アノリスは王都の高級店「月華亭」の受付に立ち、ラフィスは騎士団の門を叩いて、王女であることを明かすことになった。

 廃洋館に巣食う亡霊を討ち、山を越え、三月。三人はドルヴェナ岬にたどり着き、ラフィスは深く暗い青の海へ、両親の魂を送った。


【第二部 穢れた極星】

 旅を終えた三人は、初夏の王都リーヴィンへ戻る。

 シェリルは魔法師団の特任研究師として迎えられ、研究と講義の日々に入る。アノリスは上級術師試験を首席で突破して上級α術師となり、月華亭での勤めも続ける。ラフィスはリーヴィン騎士団の将軍に就き、刀「ノクティセカ」を手にした。旅人だった三人は、それぞれ組織の一員として新たな日々を歩み始める。

 夏、ラフィスは外交省次官ルヴァンらとともに、隣国ダルガン連合へ軍馬の視察に赴き、二頭の軍馬を持ち帰る。

 その頃、王都では「シェリルは帝国と内通している」という噂が流れていた。火種は、ヴォルテナ帝国軍総帥ガルデウスと交わしていた私的な書簡。噂の陰には、ダルガンでの施設受注を巡って私腹を肥やす上級術師エインの企みがあった。月華亭の帳簿に紛れた金の流れから、その汚職は少しずつ暴かれていく。

 追い詰められたエインは、ついにシェリルの水に毒を投じた。一命を取り留めたシェリルの証言と、集められた証拠によって、事件は法廷で裁かれ、ひとまずの決着を見る。

 そして八月の終わり。疲れを隠せないシェリルに、師団長アルヴァンから十日間の休暇が命じられた――。



■登場人物


 主人公の三人、シェリル・アリアシスト、アノリス・アリアシスト、ラフィス・ミラセシルについては、前話の人物紹介をご覧ください。


【魔法師団】


◆アルヴァン・セルス

 魔法師団長。七十二歳、上級γ。算術に依らない感覚派の世代を代表する術師。二十四年ぶりに目の前に現れた特級術師として、シェリルを畏れにも似た思いで高く買っている。


◆ベルナルト・ライアス

 魔法師団副団長。上級術師試験の担当官も務めた。口は荒いが部下思いで、シェリルを師団に迎えた当人でもある。


◆エルナ・シルヴィス

 上級α術師。回復術師で、シェリルの共同研究者。微分方程式を土台にした治癒魔法の研究を進めている。


◆ミレイ・ハルン

 上級α術師。風魔法を得意とする、ギャル気質強い砕けた口調の陽気な術師。竜巻と熱線を組み合わせた大技「アゲ嵐」を持つ。熱線の術は、シェリルの着想を自らの算術で磨き上げたもの。ただし算術の実力はシェリルも認めるものを持っている。


◆ソニア・ドルッセ

 準上級術師。神経魔法を専門とし、線形代数との接続という未開の分野に一人で挑む。氷の攻撃魔法も使う。シェリルを「先生」と呼ぶ。義父が起こした事件により、師団内で難しい立場に置かれている。


◆カイル・ウェールン

 上級α術師。戦場帰りの豪快な男で、雷と炎の火力を誇る。エルナの恋人。火力は師団内でも上位を誇る。


【騎士団】

◆ディルゴ・セントライ

 リーヴィン騎士団長。内務省出身で戦場には出ない。組織運営力と人心掌握術を買われて、この地位に抜擢された。


◆バレンツ・エラースク

 リーヴィン騎士団副団長。ラフィスの直属の上官。第一部で、騎士団の門を叩いたラフィスと最初に剣を交え、その出自を知った一人。


【その他】


◆ルヴァン・タルカース

 エレシア王国外交省次官。無類の馬好き。ダルガン視察では一行を率いた。


◆ガルデウス

 ヴォルテナ帝国軍総帥。シェリルと算術を語り合う私的な書簡を交わしている。


◆ヴァルティス三世

 エレシア王国の国王。カリティスディアとの旧縁を知り、ラフィスを騎士団に迎えた。



■用語


◆魔法算術

 魔法を数学で記述し、安定して放つための体系。シェリルが体系化した。算術に依らず、感覚で魔法を扱う術師(感覚派)も多い。


◆等級

 術師の位階。初級、中級(クラス1~10)、上級(α・β・γの順に上位)、特級の順。特級は大陸でもごく稀な最上位。現状シェリル一名のみ。


◆魔法師団/リーヴィン騎士団

 エレシア王国の術師の組織と、剣の組織。シェリル、アノリスらは魔法師団に、ラフィスは騎士団に属する。


◆月華亭

 王都リーヴィンの最高級酒場であり、最高級娼館。アノリスはその受付を務める。


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