表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/90

12月20日 横倒しの8は勇気の印じゃありません

遅くなりました、今日のお話です。


 魔方陣内の光と風は、どんどん強くなります。

とーさんの皮ジャンがあおられて、まくれあがってますよ。

スカートはいてたら、まあ、たいへんな状態でしたね。

こんなこともあろうかと、スキニージーンズなのですから!


 魔法使い猫さんが、私の頭上に杖をかざしました。


「いでよ、この物の魔力を現す印よ」


力む魔法使い猫さん、息をのむハリィさんと透明化ナウなギンさん。


「よし、出ましたぞ…にゃにゃ、あの印はいったいなんにゃ?」


魔法使い猫さんが上を見上げて固まってます。

ぽそりとフードがおちて、フレーメン状態の太めなキジ猫さんになりました。

ハリィさんも、見えないけどたぶんギンさんも。

不思議そうに私の頭上を見上げてます。


「なんかヘンなのでましたか?」


私も上をみてみました。


「む、む、無限大?」


おおぅ、あの横倒しのアラビア数字の8みたいなのは…。

∞マークじゃないですか!

魔力鑑定したら∞マーク出現ですと。

あれ、なんかひっかかります。

なんだろう?

あああっ!

ヴァルノーラ世界に来た日の朝、PC画面に点滅してた文字。


まりょく ∞。


そして、たいりょく ∞。


まりょくは魔力で、たいりょくは体力ってことだよね。

無限大ってことは、MPも、HPも、底なしってこと?

それ、どんな無茶ぶりテンプレチートなんですか?

そこだけチートって、他はどうなんですか?

知力とか∞なら、もうちょっと賢くなってるはずだけど。

その感じは…しないじゃまいか。

疑問が脳内をぐるぐるしてます。


「サツキさん、その印に心当たりがありますか?」


ハリィさんが小さい声で聞いてきました。


「はい、あれは無限大で、ようは底なしって意味です」


「「なるほど」」


ハリィさんとギンさんの声が綺麗にはもりました。

……食欲とかは底なしじゃないからね!


※※※


 結局、説明したら、なんかややこしくなりそうなので。

固まったままな魔法使い猫さん、そのままにしてさよーならです。

受付のシャム猫さんから、冒険者ギルド証を受け取ってハリィさん家に帰宅。

透明化解除のギンさんと、ハリィさん、私の三人で対策会議ナウです。


「ギルド証は手に入りました。これがあれば、どの街でも身分証になります。

 それに魔力の謎も、まあ解けたし、よしとしましょう」


「底が知れぬと思ったが、ほんとうに底がないとは、愉快、愉快」


えーと、ハリィさん、それでいいんですか。

謎の人の謎が、さらに謎にしたような気がするんですけど。


魔力底なしなのは、あまり問題じゃないんですね、ギンさん。


「それで、これからどうします、サツキさん?」


ええっ、これからですか?


とりあえず、憩いの3DKマンションに帰りたいです。

お風呂入って、美味しいご飯食べて、ぐーたらしたいです。

あと、リザードマン村長さん家にある、おきっぱの荷物、回収したいし。

あ、ハリィさんにもお金、返さなきゃ。

なので。


「ハリィさん、トラベリングストーン、売ってください。ツケで」


「はあ?」


ハリィさん、再び、フレーメン状態。

再起動するまで、しばらくかかりました。


 再起動したハリィさんと協議の結果。


トラベリングストーン、3個売ってもらいました。

あと、黒パンと卵も売ってもらいました。

もう、食パンが二枚くらいしかないのです。

かわりに、自宅にある食料。

魔力を帯びた、異界の食べ物ですね。

これを、ハリィさんに卸すことにしました。

明日、トラベリングストーンを使って、もってくる予定です。


候補は、おとーさんのビールと、おかーさんの上白糖。

たーくさんあるからねえ。

さて、リザードマン村長さんとこよって、荷物回収して家に帰りましょう。


…ギンさんは、私と一緒に帰る気満々です。

もう、ギンさん、私のもふもふ宣言していいよね♪



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ