第九回:異世界での言語問題
約1年振りの更新になります(汗
いや、書く内容は色々あったんですが、タイトルを「web作家あるある」にしたのが中々不自由でして……
書籍作家とweb作家の境目って結構曖昧ですし、途中から書籍作家になるケースも多いですからね。
と、いうワケで「web作家あるある」は今回の更新で終了したいと思います。
また何か書く題材があったら更新するかもしれませんが、一旦お開きということで。
それでは第9回になります。
今回の題材は『異世界での言語問題』です。
今回も厳密にはweb限定ではありませんが、web小説は基本編集のチェックが入らないのと、ノリで書いている人が多いから、結構メチャクチャなことを平気で書いている作品が散見するので、題材といたしました。
さて、皆様の中には、異世界系作品を読んでて「あれ? これおかしくない?」みたいな違和感を感じたことはないでしょうか。
私は結構あります。
違和感の原因は人それぞれ色々とあるでしょうが、自分が一番感じるのは「普通に考えれば異世界に存在しないハズの物や単語がある」ことについてですね。
これって結構昔から「異世界サンドイッチ問題」みたいな感じでよく語られるヤツなのですが、中々難しい問題ですよね。
書く側も読む側も、あまり深く気にしないで楽しめれば良いのですが、やはり気になるものは気になってしまうものですから。
「異世界サンドイッチ問題」について、少し簡単に説明したいと思います。
サンドイッチは、パンに色々な食材を挟んだ食べ物を指す単語ですが、その語源はサンドウィッチ伯爵だと言われています。
サンドウィッチ伯爵は現実に存在した人物の名称なので、その語源が存在しない異世界でサンドイッチという名称が出るのはおかしい、というのが「異世界サンドイッチ問題」という言葉が生まれた経緯ですね。
サンドイッチ自体は、パンが存在していれば自然と生まれそうな食べ物ですが、確かに呼び名については違和感を感じるという気持ちも凄くわかります。
翻訳されていると言ってしまえば良いのかもしれませんが、訳していると考えてすら違和感ありますし。
実際、サンドイッチはその名が定着するまでは「bread and meat」 または 「bread and cheese」などと呼ばれていたそうなので、異世界でもそういった見たまんまの名前で呼ばれている方がしっくりきますよね。
ただ、この語源うんぬんは言い出したらキリがない問題です。
読み手や書き手の知識量にも左右されますので、気にし過ぎてもしょうがない問題と言えるでしょう。
それで本題に戻るのですが、この「異世界サンドイッチ問題」、気にし過ぎてもいけませんが、気にしなさ過ぎてもいけないと思います。web小説では気にしなさ過ぎている人も結構見かけるので、できれば注意した方がいいでしょう。
私が見てきた中で特に違和感があった例を出しますと、その作品には異世界なのに「洋式トイレ」が出てきたんですよね。
トイレに関しては、同意語が存在するハズなので、それをわかりやすく表現するためにトイレと書くのはわかるんですが、洋式は流石に違和感バリバリでした。もっと表現のしようはあったと思うのに、なんだかなぁと^^;
他にも、ロリコンは似たような言葉がありそうなのでまあ良いとしても、ストーカーにはなんだか違和感を感じたりだとか……まあ色々あります。
この手の問題は気にしない人にとっては細かなお話でしょうが、気にする人には悩ましい問題です。
実際、書いていて悩んだ人も多いのではないでしょうか?
上記のストーカーなんかはそれなりに新しい単語ですし、代替となる言葉が見つからないなんてこともあり得ます。
この問題については具体的な解決策はありません(知識をつけるとか?)。
ただ、気にする人向けに配慮するくらいの気持ちは持った方が良いでしょう。
どんなに作品が良くても、その違和感のせいで読まれなくなるなんてこともありえます。
本来失わないで良かったハズの読者を失うのは、勿体ないことですから……
ですので、可能な限りそういった単語の使用を避けるか、当たり障りのない表現にするのが無難かと思います。
もちろん、それでクドイ表現になっては本末転倒なので、上手な表現を模索していきたいですね。
今回はこのくらいにしておこうと思います。
本作はこれで完結となりますが、前述した通り何かあれば追加で更新する可能性はあります。
そんな機会がありましたら、また会いましょう。
それではまたいつか~!