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残虐兵器撲滅少女ティアドロップ⑤


 まただ、またあの夢の続きだ……


 白い蜘蛛の残虐兵器が……


 次の瞬間、ドサッとリリアが倒れる音がした。炎に飲み込まれ、全身が焼け焦げてしまっている。


 俺は泣き叫んだ。


「ちくしょう! ちくしょおおっ! リリア! 起きてくれ! 俺も大好きだから……頼むよ、目を開けてくれ」


「ギギギ……ピー……。魔族生命反応ナシ。」


 白蜘蛛は、赤外線リリアの生命反応が消失している事を確認すると、泣き叫ぶ俺には見向きもせず、森の方へ戻って行った。


 全身が痛い……それでも俺は這いつくばりながらリリアのもとへとたどり着く。


 「リ……リリア? 分かるか? うっ……。

なぁ…ぐす………。リリアー!」


 俺は分かってた。もう死んでしまってるって。でも話さずには居られなかったんだ。あー涙がとめどなく流れ落ちる。止めようとする気も起きない。


「リリア………ぐすっ。大好きって聞こえてたよ……ありがとう。」


「俺も…大好きなんだ。ずっと一緒にいたいんだ。だからさ、リリア。起きてくれないかな?……ぐすっ。」


 話すのを止めるとピクリとも動かないリリアに現実を突きつけられている様で、さらに涙が込み上げる。


「うわぁぁあああああっ!!」


 リリアの死を受け入れることができずに、俺は泣き続けた。


 リリアの身体に俺の大粒の涙がボタボタと溢れ落ちる。すると、その涙はリリアの身体に触れると蒸発するように消えていった。


「……ぐすっ。え……?」


 リリアの身体から、少しずつ白い蒸気のようなものが噴き出していく。そして、その白い蒸気は、リリアの亡骸を覆い尽くすように広がり続け、やがて小さな透明なクリスタルとなり、リリアの身体がうっすらと消えてゆく。


「これ、は……?」


 俺は呆然とその光景を見つめていた。


 そして気がつくと、リリアの亡骸は跡形もなく消え去っていた。まるで初めからいなかったかのように。


 すると、俺の頭の中にある強い感情が湧き上がってきた。みるみる脳内を埋め尽くすため、言葉に出さずには居られなかった。


「生まれ変わっても、リリア……キミに会いたい!」


 俺は立ち上がり、リリアの遺してくれたクリスタルを手に取る。


「好きだった……他の誰よりも」


 涙が止まらない。こんなにも切なくて、苦しい気持ちになるなんて、リリアに出会うまで知らなかった。


 俺たちが共に過ごした時間は、俺の人生の中で最も輝いていた。リリアと笑い、泣き、戦い、時には怒り合った。でも、そんなすべての瞬間が、俺にとってはかけがえのない宝物だったんだ。


「ただ好きだった……他に言葉を見つけられない、リリアが好きだ」


 俺は繰り返し繰り返し、心に刻み込むように言葉を口にする。


 でも、それだけじゃ足りない。言葉じゃ足りない。リリアへの感情は、言葉にすることができないほど深く、強烈だった。


 リリアがいない世界なんて、考えたくもなかった。でも、今、リリアはここにいない。俺の目の前から消えてしまった。それでも、俺の心の中には、リリアが生き続けている。


 リリアの笑顔、リリアの声、リリアの温もり。それらすべてが、俺の中で息づいている。


「リリア、お前がいなくなっても、俺の中でお前はずっと生き続ける。俺たちの思い出は、時間が経っても色褪せることはない。お前と過ごした日々は、俺の一生の中で最も輝いていた。」


 俺はリリアの遺してくれたクリスタルを握りしめる。このクリスタルが、なんのかはわからないが、きっとこのクリスタルはリリアとの絆の象徴だ。


「生まれ変わっても、リリア……キミに会いたい! そしてもう一度、キミに好きだって、伝えたい。」


 いつか、どこかで、リリアと再び出会えますように。そしてその時は、もう一度、心から「好きだ」と伝えられますように。

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