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残虐兵器撲滅少女ティアドロップ②

「シャル泣きながらうなされていたけど、大丈夫?」


「え? あ……うん。もう平気」


 宿舎のベッドで目を覚ました俺を心配そうに覗き込むリリアの顔がやけに近く感じて、俺はリリアが今を生きてることに嬉しさを感じ、泣きそうなことをバレないようにと少しだけ顔を逸らした。


「そっかぁ、良かった! それじゃあ、今日も元気に行ってみよー!」


 そこには、いつものように元気に笑いかける、あの時の姿のままのリリアがいた。


 ほっとするのも束の間、俺の視界が一気に反転した。


 ドンッ!


「痛っ!?」


 突然の痛みに思わず声が出る。


 一体何が起きたのか一瞬分からなかったが、どうやらリリアに敷き布団ごと引き摺り下ろされたようだ。


 リリア、なんて力だ……。


「なにすんだよ!」


「シャルのお母さんから起きない時はは布団を剥いで起こしなさいって教わったから」


 俺が少し声を荒らげながらリリアを見上げるが、そんな事気にもとめずに楽しそうに振る舞う。


「敷き布団じゃなく掛け布団を引っ張るんだよッ!」


「まあまあ、細かいことは気にしないで」


 リリアはそう言いながらまたも敷き布団に手をかけた。


 これはマズい。このままでは床に背中を叩きつけられるッ!


 俺は急いで体を起こした。しかし時はすでに遅く。


 俺が起き上がったと同時に、勢いよく掛け布団が引っこ抜かれた。


「おわぁぁぁ!!」


 ドンッ!


 体制を崩した俺は床に盛大な尻もちをついてしまった。


「あっ、やっと起きたね! おはよう!」


「お前のせいで二度寝できなくなっただろうが! このアホ!」


「えへへぇ~、やっぱり敷布団を引っ張るのが正解だったねーシャルっ」


 そうい言うと、リリアは嬉しそうに無邪気な笑顔を浮かべながら、尻もちをついたままのシャルの胸に飛び込んだ。


「まったくコイツは……。」


 起きるたびにこんな調子で騒がしいけど、俺にとってはこれが一番の幸せかもしれないな。


「よし、予定通り着替えたらすぐに酒場に飯食べに行くぞ」


「了解であります!」


 敬礼をして答えるリリアを見て、俺は自然と笑みがこぼれた。


「ふっ……バカやってないで早く行くぞ」


 俺は立ち上がり、クローゼットの中から仕事着を取り出し、手早く身支度を整えた。


 そして部屋を出る直前、ふと思い出し、振り返った。


「どうしたの?」


 キョトンとした表情を浮かべるリリア。その瞳には、先ほど見ていた夢の光景がまるで嘘のように思えた。


「いや、なんでもない。行こうぜ」


「うん!」


 先頭を切ってルンルン気分で部屋から飛び出すリリア。俺たちはさっきまでドタバタと騒がしくしていた部屋を後にした。

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