7.新しい友人
私はよくお話をBGMを流しながら書いているのですが、最近ピアノの卒業メドレーばっかり聞いていたので今回はクラシックにしようと思いかけてみるのはいいのですが、なぜか曲に合わせてシリアスな場面を書きそうになったので元に戻しました。...どうでもいい話を書いてしまいました。
昨日と変わらずルナは髪の毛を横に結わえていた。
ルナによると自分で髪の毛を結わえているらしい。
今度私も自分で髪の毛を結わえる方法を教えてもらおうと思う。
「おはようございます、ルナ。昨日はよく寝れましたか?」
まるで新婚夫婦の会話みたいになってしまったけれどルナが気にしていないからたぶんいいだろう。
周りの生徒は私たちの会話に聞き耳をたてているみたいだけれど、何が聞きたいのかはわからない。
一方、ルナはそんなに周りの視線に気づいていないのか、気にしていないのかで他のことを考えているらしく少し興奮気味に目を輝かせて私のした質問に答えた。
「それが、今日から魔法学の授業が始まるのが楽しみであまり寝れなくて。」
私は私以外にも魔法学を楽しみにしている人がいたことが嬉しかった。
あまり貴族の令嬢は自分の好きなことを話してはくれないので新鮮なのもある。
「私も楽しみなんです。私だけじゃなくてよかったです。」
と私は素直に答えてみた。
少し周りの様子を見てみる。
私を見ている貴族はたぶん次期王太子妃になる予定の私と仲良くしておきたいという人が話に入るタイミングを伺っている可能性が高い。
私はあまりそういう私欲にまみれた人と付き合うのは得意ではないためあまり話に入ってこられないような話題を出そうと心がけている。
ロストワール様が言うには「きっとそういう人もいるだろうけどアリシナの場合は違うと思いますよ。」と言われたがその意味が私は分からなかった。
ミラにも「きっとアリシナ様への憧れがあるんだと思いますわ。」と意味不明なことを言われた。
とりあえず気にしないことを心掛けている。
「そうなんですか⁈私、どんな魔法が使えるのかすごく楽しみなんです!」
彼女は今日はすごく元気に今にも飛び跳ねそうな感じだ。
予礼が鳴ったので私たちは席に着く。
魔法学の授業は午後なのでそれまでの午前の授業もしっかりと受ける。
授業になると寝てしまう人もいるみたいだけどこのクラスは自分の気品を大事にしている人が多いので寝る人は少ないのだと私は勝手に思っている。
昼休みになるチャイムが聞こえる。
私はしばらく今日もらった教材を自分専用の教科書を入れる棚を整理していた。
整理整頓が済んだので、ルナを昼食に誘おうと教室を見まわすけれど彼女の姿が見当たらない。
私は嫌な予感がしたため彼女を探すためにまずは人気のないところから探していく。
そうすると彼女は早く見つかった。
彼女は校舎裏で昨日とは違う他のクラスの令嬢に詰め寄られていた、いや、そう見えた。
「なんで、なんで...貴方はアリシナ様と仲がよろしいのよ!ねぇ、どうしたら仲良くなれるかしら?」
...なんか、私が思っていたことと180度方向性の違った声が聞こえる。
それでも私はルナに危険が及ばないうちに声をかけることにした。
「そこで何をしているんですか?キャロル様?」
そこで初めて私の存在に気付いたらしい。
きっと彼女はすごくまっすぐな性格をしているに違いない。
「え⁈あ、あ、あ。え、えと。あの。....ごめんなさい。」
となぜか急に地面に崩れ落ちるように彼女は地面に座り込んだ。
キャロル・メンティー様は侯爵家のご令嬢で明るい茶色と薄い紺色が混じっているような髪の毛にライトグリーンの綺麗な目をしている。
さらりと彼女の綺麗な目が下を向いてしまった。
えっと、私何かしてしまったのかしら?
「あの、キャロル様?大丈夫ですか?何か体調がすぐれないのですか?」
私はキャロル様の目線を合わせるために地面にしゃがみ込む。
ルナは急にキャロル様が座り込んでしまったのであたふたと慌てている。
「え、ええ...あの、アリシナ様怒っていらっしゃらないんですか?」
私は一瞬首を傾げた後「ああ。」と納得する。
彼女はルナに詰め寄っていたのだと私が思っていると勘違いしているようだ。
「ええ、だってキャロル様はなにか私に聞きたいことがあってルナに聞いていたのでしょう?」
ルナはなぜか私に向かって微妙な顔を作った。
「あの、たぶん聞きたいことがあるのではなくて。アリシナとお話がしたいのだと思います。」
私はまた首をかしげる。
「え?私ですか?キャロル様、ルナの言っていることで解釈は間違えていませんか?」
私と喋りたい人なんてきっとなにかあるに違いない、だって私自身にそこまで話したいと思われるような長所が見つからないからだ。
キャロル様はこくりと頷く。
顔が赤く見えるのはたぶん私の気のせいね。
「あのなぜ私と話したいと思われたのですか?」
私は不思議だった、なぜ話したいのかしら?
「それは、アリシナ様のファンだからです。」
なぜかその答えはすぐかえってきた。
「私のファン?」
最近とても端正な顔をしている方々にファンクラブという団体ができたことは聞いていたがそれのことではないだろう。
彼女には申し訳ないが、たぶん彼女一人が私のファンなのではないだろうか。
「そうです。ずっとまえから憧れてて、お近づきになりたくて...。」
「えっと、それは私の友人になりたいということでしょうか?」
私の頭はかなり混乱している。
なぜ彼女は私とお近づきになりたいの?
彼女は目を見開く。
「え⁈そんなおこがましいことは考えていません。ただ、お話をしてみたかったのです。」
私はクスリと笑ってしまう。
「キャロル様、良ければ友人になってもらえませんか?」
彼女はさらにこれでもかというぐらい目を見開いた。
「私なんかがアリシナ様の友人に、なってもよろしいのですか?」
勢いよく彼女は私のほうに乗り出す。
「ええ、こちらは大歓迎ですよ?あとキャロルとお呼びしても....」
「お願いします!ぜひ私のことはキャロルなり何なり好きにお呼びください!」
少しかぶせ気味に彼女は答えた。
「では、私のことはア...。」
「私はそのままアリシナ様と呼ばせていただきます!」
またもや彼女は私が言い終わる前より先に答える。
クスリと隣から笑う声が聞こえる。
「すいません、つい...。あの、私のことはどうかルナとお呼びくださいキャロル様。」
キャロルはルナに向かって満面の笑みを向ける。
「ええ、もちろん。私のことはキャロルと呼んでねルナ。」
さっきまで泣きそうだった子がいっきに元気になったわね、まあ、私の名前は呼び捨てしてくれないけれど。
私は懐中時計を出して時間を確認する。
「早くしないと昼休みが終わってしまいますよ?お二人ともまだ昼食はまだですよね?良ければ私と一緒に食べませんか?」
「もちろんお願いします!」
となぜかキャロルは意気込んで、
「いいのですか?ありがとうございます。」
とルナはなぜか感動したかのような顔になる。
私は食堂までいつもの淑女を意識した顔のまま頭を悩ませるのであった。
そして淑女を意識したアリシナの顔は学園のせいとから「天使の微笑み」と言われいることをアリシナ本人はまだ知らない。
今日は3本の連続投稿です。本編を投稿するまであと2日。頑張って書き上げようと思います。




