6.新しい出会いの予感
最近このお話が年内に終わらないと思い始めた今日この頃。できるだけ急いで書き進めておりますがなかなか一日に1つの話の投稿でやっとなので投稿頻度はこのままでやっていこうとお思っております。もしかしたら一日に2つ投稿する日がある、かもしれません....。
ヴィクトゥーラでは基本学園が月の月の二週間目あたりから始まる。
私が通うルージェント学園も例外ではない。
今日は月の月の木の日、今日から本格的な授業が始まる。
私は学園で学ぶことは二つあると考えている。
一つ目はもちろん勉強することだが、学園では家ではあまり習わない魔法の授業がある。
ロストワール様の通うアル―ナス学園では私たちが学ぶことよりはるか先のもっと実践的な魔法の授業を受けているらしい。
二つ目は人との交流を持つことだ。
勉強は貴族なら小さいころから家に家庭教師が一人は必ずいて別に学園に通わなくてもいいぐらいの勉強は教えられてきている。
そのため引きこもる貴族が出てきてしまうのを問題視した国が始めた政策が『学園』だった。
今では当たり前とされる学園はもともと存在しなかったらしい。
私も昔の書物から学んだことなのでそのことが本当であることは確かめられないがきっとそうだったのだろう。
私は今日から始まる魔法学がすごく楽しみだった。
小さいころに魔力値を測ったところ、私は普通の人よりも多くの魔力を持っているらしい。
魔力値は測ったけれどまだどんな魔法が使えるかは判明していないのだ。
私は今日その使える魔法がわかるのでそのことを楽しみにしている。
私は校舎に向かう。
この学園の寮は女子寮と男子寮に分かれていてどちらとも校内に建てられている。
そのためわりと遅く起きても間に合うのでゆっくり来る人が多いのだとか。
しかし私は昔からの習慣のためか、いつも早く起きてしまう。
私は毎朝自分の邸宅の庭のバラ園に水やりをしに行っていた。
そのためいつの間にか毎日の早起きが習慣化されてしまっていたのだ。
淑女として早起きはしてはいけないというわけではないけれど、周りの貴族の令嬢は毎日朝私が起きる時間よりも少し遅く起きてきてゆっくり自分の身支度をするのだと友人の辺境伯家の令嬢のミラディエ・カサルトことミラが言っていた。
ミラは私のことをアリシナ様と呼ぶ。
いくら呼び捨てで言ってほしいといっても聞いてくれなかったのだ。
全然呼び捨てで呼んでくれないので私が一週間いじけていたのはあまり人に言えない秘密の一つだ。
彼女も同じクラスなのだが辺境伯は国の国境近くにあり、少し問題が起きたため来るのが数日遅くなると最近手紙が来た。
彼女と出会ったのは私の父が開いた立食式パーティーの時だ。
私はあまり人と話すのが苦手で家に引きこもっていることが多かったのでもちろん知り合いなんていなかった。
一応貴族の名簿はすべて頭に入れたが私と同年代の令嬢はいろんな意味で積極的な人が多くあまり自分から近づきたいとは言えなかった。
私は一人で庭を歩いていた時に一人の女の子が我が家の庭にある花を見て嬉しそうにしていた。
その女の子がミラだった。
女の子は腰までさらりとした薄いブラウンの髪をしていて少しオレンジがかった茶色の目をしていて、将来は美女を約束されたような容姿をしていた。
その女の子、ミラは目を輝かせて花を見ているようだった。
私はミラに話しかけようと思った。
私はバラが一番好きだが他の花も好きだったのできっとこの子とは気が合うだろうと思ったのだ。
思ったとおりミラは花、いや植物が好きらしい。
結婚しなくてもいいから植物の研究をしたいのだとか。
よく私の家のバラ園の相談にも乗ってくれるいい友人だ。
ただ...生涯ミラには幸せになってほしいからどうか誰と婚約してくれないだろうか...。
現在の国は割と男尊女卑はなくなってきているが、貴族社会では誰かしら相手がいないといくらその人ができる人だとしても他の貴族はあまり良いとは思わないだろう。
それが今の貴族社会だ。
私たち貴族は少しずつ変わってきてはいるがまだなかなか変化しないところがあったりする。
それを私は少しでも変えたいと思っている。
...でもやっぱりミラには婚約者が必要ね。
私が彼女に婚約者が必要だと思うのにはしっかりとした理由がある。
そう、彼女は大の寂しがりやなのだ。
彼女と話すようになってから気づいた。
彼女に独身はきっと向いてない。
数年友人をしている私はそう思っている。
彼女は私と遊ぶときなど少しでも私がお手洗いに行こうと思って立ち上がろうものなら彼女も「一緒に行きます。」というような感じで毎回ついてくる。
最初は気づかなかったがいくら鈍感な人でも少し付き合えばわかることだろう。
彼女は「私は婚約者なんていりませんわ。」と言っているが絶対にいると私は毎回彼女がその言葉を口にするたびに思う。
きっと双子の兄が妹を大事に育てすぎたのだろう。
彼女の父親は愛妻家もそうだが、愛妻家ならぬ愛娘家であるらしい、という噂がある。
あまり会ったことがないがきっと噂ではなく事実なのだろう。
家族に愛されて育った彼女は甘え上手で少し...ええ、少しだけ羨ましい。
公爵家の令嬢として生まれた私は少し周りからの期待の圧が強かったためあまり甘え上手ではないだろう。
小さいころは甘え上手ではない私のことに飽きて婚約者のロストワール様に見放されてしまうのではないかと心配したが大丈夫だったようだ。
ロストワール様は人の心を読めるエスパーかのように毎回私の言いたいことをくみ取ってくれる私にはもったいない、いやもったいなすぎるほどハイスペックな婚約者だ。
未だに私は彼の心を読めない。
いつも人前では王族の笑顔を崩さない彼の心情を読み取れるのはずっと彼の側近候補でそばにいたのスレイド様ぐらいだろう。
スレイド様こと、スレイド・コルトノール様はコルトノール公爵家の跡継ぎで次の宰相候補と言われている。
私のお父様にも認められるほどの能力を持っているらしいスレイド様は将来有望で婚約の話はあとを絶たないらしい。
スレイド様は私たちとは違うクラスなのであまり関わりはないだろう...たぶんないはずよね?
そういえばもうそろそろ私に弟ができるらしい。
弟と言っても義理の弟、つまり義弟だ。
私がロストワール様の婚約者で次期王太子妃になってしまい跡取りがいないため養子を向かい入れることにしたらしい。
私の家、つまり公爵家の分家の伯爵家から養子として向かい入れると聞いている。
名前はシェイナスと言うらしい。
弟と言っても一歳しか歳は違わないらしい。
来年には私と同じルージェント学園に入学してくる予定だ。
私が会えるのは実質来年なので来年が楽しみだ。
と私が考えている間に教室についてしまった。
私が教室に入ると昨日の令嬢たちが少し気まずそうにしている。
かなり昨日のことがこたえているらしい。
私は気にせずに席のほうへと向かう。
すると後ろから声が聞こえた。
「あ、あの。アリシナおはようございます。」
後ろを振り返ると昨日友人になったルナがそこに立っていた。
次回の投稿は明日の20時です。本編を投稿するまであと3日。




