番外編.今日は年に一度の
今日はバレンタインなので愛梨のバレンタインを書いてみました。
ー今日はバレンタイン、年に一度のチョコを好きな人や友達にあげる日
私は今、煌麗にチョコを作ろうと絶賛キッチンの前で奮闘中である。
時は遡り数日前、女子会を学園内のカフェでしていた時の話になる。
美藍が急に「ぁぁあああ」と言ったのでみんなは驚いて彼女を見た。
彼女はガチャンと少し乱暴にキャラメルラテをテーブルに置いてテーブルに手を置いて立ち上がった。
「忘れてた!今週の土曜ってバレンタインじゃん!」
彼女は少し焦ったような声を出す。
咲は「ああ、そういえば。そんなのもあったね。」と冷静に言っている。
残りの二人、佳香と咲花は「やってしまった。」というようなこの世の終わりのような絶望的な顔になっていた。
私はというと手帳でカレンダーを確認してから答える。
「大丈夫だよ、あと2日はあるんだから。」
美藍は私に詰め寄って言う。
「愛梨、貴方はお菓子作りが得意だからいいけどねぇ...私ときたら絶望的にできないんだよ!」
私は首をかしげて言う。
「じゃあみんなで作る?」
その場にいた4人は目を輝かせて言う。
「それ、いい!」
「さすが愛梨!優しい!」
「やりたい!」
「私も、参加してもいい?」
佳香、美藍、咲花、咲の順にそれぞれそう言った。
というわけで私達は放課後に寮の私の部屋に集まってキッチンでそれぞれの手作りチョコを作っている。
私は今年はトリュフチョコに挑戦している。
咲はチョコマフィン、美藍はチョコクッキー、佳香は生チョコ、咲花はチョコのマカロンをそれぞれ作っている。
みんながチョコを使っているおかげかキッチンはチョコの匂いで充満していた。
作っている途中でスマホに電話の着信があったので私は通話ボタンを押す。
「もしもし、煌麗?どうしたの?」
『今暇?実は...』
彼が言い終わる前に私は答える。
「ごめん、今女子会してる。明日でもいい?」
『...うん、まあ明日でもいいよ。じゃあ明日朝迎えに行くね。急に連絡してごめん、じゃ。』
と言って電話が切れる。
私は首をかしげて「なんだったんだろ?」とつぶやくと美藍が口をはさんできた。
「どうせ、二人でデートしてイチャイチャしたかっただけでしょ。それにしてもすごいわ。なんで今日がだめなら明日っていう選択肢になるんだか。」
それに咲花が参戦するように言う。
「ちゃっかりデートの約束取り付けたいだけでしょ。さすが、元王子、さらっとデートの約束取り付けちゃって...ずるい。」
なぜそういう結論になったの?と言おうとしたときに佳香も話に入ってきた。
「きっと、前世でもそんな風にデートに誘ってたんだよ。だってほら、良く二人で城抜け出してたじゃん。」
まあ確かに佳香が言っていることは合っている。
ロストワールだった時の彼は執務が片付くとお茶目に片目をつぶってから「出かけましょうか。」と言ってよく変装して街を歩いていた。
....うん、否定できない。
そして咲がとどめを刺した。
「まあ煌麗は愛梨のことを溺愛してるからね~、きっと私達の彼氏たち以外の男は上手く処理してるんだろうね。」
「ああ、そういえばこの前、愛梨に告白しようとしていた子が次の日には青ざめた顔で煌麗のこと見てたもんね。なにしたんだろうね?」
とさらっと怖いことを美藍が言っていたけど気にしないことにした。
そんな風にみんなで話しているとバレンタインであげるものがそれぞれ完成した。
割といままでのバレンタインチョコの中で一番なのでは?というできで完成したので今度は重要なラッピングだ。
私は白い箱にトリュフチョコを枠ごとに入れていく。
箱はバレンタインコーナーで買ったものではなく手作りだ。
正方形の形にしたので丸いトリュフチョコがちょうどいい感じに収まったので安心する。
ココアパウダーが箱の裏に付かないようにラッピング用のトレーシングペーパーをかけて丁寧に箱を閉じる。
そして彼の瞳の色と同じスカイブルーの色のリボンを丁寧に巻き付ける。
「よし、できた。」
私は完成品を見てうんと一人頷いた。
私は他の人のものも見てみようと彼女たちの手元を見た。
咲はもう完成したようで、大切そうに自分の作ったものを持っていた。
彼女は怜依の瞳の色のハート形のグレーの厚みのある箱にライトブルーのリボンをつけていていかにも彼氏を想いながら作りましたというような感じだ。
咲花はあともうちょっとのようで少し凝ったリボンを作っていた。
彼女のはミッドナイトブルーの正方形の箱に青いリボンで少し大人っぽい感じに仕上がっていた。
佳香は薄いピンクの丸い箱で今ちょうど赤いリボンをつけているところだった。
美藍はというといろんな型で作ったチョコクッキーをブラウンの箱に入れ終わったとこで一息ついて手にはグレーと薄い水色のリボンを二つ持ってどうやってラッピングをするかを悩んでいるようだ。
数秒見ていると、彼女は閃いた顔をして二つのリボンをまとめてリボンを作って箱に巻いている。
こうして無事にみんなそれぞれのバレンタインチョコができたのであった。
そしてバレンタイン当日、私は鏡の前で服装チェックをしていた。
白い網目の付いたセーターに青いチェックのスカート、と寒さ対策はばっちりだ。
うんうん、と頷いて私は煌麗を待とうとしたらちょうどインターホンが鳴ったので玄関まで出ていく。
するとドアの目の前に彼が...と思いきやバラがいた。
いや、バラで彼が見えなかった。
とりあえず何本か数えられないほどの赤いバラに驚いた。
「煌麗?そこにいるの?」
彼がふっと笑った声がした。
「いるよ、ここに。」
と言って彼は持ち上げていた花束をいくらか下におろした。
そこには少しピンクがかったブロンドの髪にスカイブルーの瞳をした彼が立っていた。
「...とりあえず、部屋の中で喋ろっか。」
と私は言って彼を部屋に入れる。
そして疑問に思って花束を指さして「これどうしたの?」と聞くと「今日はバレンタインだから上げようと思って家の庭から摘んできた。本当は一緒に昨日家に帰って庭のばらを一緒に摘もうかとおもったんだけど...。」と少し残念そうな顔をした。
残念そうにした彼に思わず笑ってしまう。
「じゃあ来年は一緒に取りにいこっか?はい、これ。バレンタインチョコ、今年は結構うまくできたと思うんだけど...。」
といって私は彼に昨日作ったチョコを渡す。
「ありがとう。」
感極まったというように彼は感謝を私に伝えた。
そして数秒後に彼はすこし頬を染めてから言う。
「愛してるよ、愛梨。これからもずっと。」
私も彼に微笑んで言う。
「うん、知ってる。私も愛してるよ。今も昔もこれからもずっと。」
どちらからともなく唇が重なる。
その後はいつものように学校の話などの他愛もない話をして一緒にご飯を作って昼ご飯を食べてまたリビングでくつろいで夜ご飯を食べて過ごした。
いつものように過ぎる時間は前世のあの頃よりも彼と一緒にいる時間が増えた。
私はそんな何気ない日々に幸せを感じる。
私はこんな幸せな日々が続くことを密かに願った。
ー今日はバレンタイン、年に一度のチョコを好きな人や友達にあげる日、そしてお互いの気持ちを伝える機会をくれる、そんな大切な日。
彼が摘んできてくれた365本のバラはその日のお風呂にバラ風呂として使われたり、部屋に飾ったりと一週間ほどバラの香りを堪能したのであった。




