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36.伝えたかった事

今日は星の月の聖の日、50日だ。

あと2日もすれば新しい年になる、これはそんな日のお話。



今日は久しぶりに王都の街を歩いています。

ロストワール様が一緒に王都に行かないか、と誘ってくれたのだ。



もちろん護衛はついている。

傍から見れば、2人だけ。

しかし、総勢は50人以上というかなりの警戒態勢だ。



確かに警戒しているのは分かりますが、警戒しすぎなのでは...?多いに越したことはないでしょうけれど、そんなに近衛騎士を使ってもよいのでしょうか?

横を見れば、ロストワール様がニコニコしながらこちらを見てますね...。



「アリシナ、実はブランチは予約しているところがあるのですよ。ですからお昼の12時になるころにそこに行く予定で、それ以外の時間はアリシナの行きたいところに行こうと思っているのですが。どこに行きたいですか?」



私はどこに行こうか考えた末、口を開く。

「あの、実は私王都の雑貨屋さんに行ってみたいのです。」



「では、いきましょう。」

とすぐに返事が返ってきた。




王都で今大人気の雑貨屋、スィリトゥリーという店に行くことにした。

お店の扉を開けると、扉に着いた鐘のチリンっという音がした。



「...すごい、ですね。」

私は思わず言葉を出す。



...このお店が人気な理由が分かりました。



天井には不思議な星のような形をした青や黄色の照明が所々から垂れ下がっていて、店内は少し薄暗くなっていて、まるで夜空を見ていると錯覚するほど幻想的な空間が広がっていた。

さらには女子の「好き」を集めたような雑貨が並んでいた。



「気に入ったようだね、では、ここのお店を買い取りましょう。」



「...ええ?!それはだめですよ!」

令嬢らしからぬ大声をあげてしまった。



いや、だってお店ごと買い取ったらだめですよね?



かなり店内を歩き回っていた、そんなときに私は綺麗なものを見つけた。



「ロストワール様、これとても良いと思いませんか?」

そこには最近できた腕時計というものだった。



中はシェルでできているのか、綺麗な貝殻のように光が反射している。

ベルト部分は金属らしきものでできているが、持ち上げてもそこまで重いというわけではないのでかなり使いやすい商品だと思ったのだ。



「では、これを2つ買いましょうか。」

ロストワール様はそう言ってその店の店主に時計を注文してさっさと会計を済ませるとこう言った。

「アリシナ腕を...。ああ、私のはアリシナが付けてくれますか?」



私が左腕を出すとロストワール様はその腕に腕時計をつけた。

私も同じようにロストワール様の腕につける。



どちらからともなく笑みが漏れる。

しばらく見つめあった後に彼は「もうそろそろブランチを食べる場所に移動しようか。」と言って2人で目的の場所に向かう。




そのお店は山の上にあるというので途中から馬車に乗って移動すること30分、目的の場所に着いた。

馬車から降りるとそこには白い壁に綺麗な装飾が施されたお店があった。



ウエイトレスの人が扉を開けるとそこにはこの王都を一望できる空間が広がっていた。

お店は王都が見える側がガラス張りになっていて途中からベランダのような外に出るスペースがあってそこにテーブルと2つの椅子が置いてあった。

私はロストワール様の手を取ってその席に向かう。



まだ昼なので少し寒いが生暖かい風が吹いてきた。

席に座ると料理が運ばれてきた。



コース料理ではなく、1つのプレートに様々な料理が少しずつ乗せられたお洒落な品だった。

他愛無い話をしながらその料理を食べていたらいつの間にか料理は綺麗に皿の上から消えていた。



ロストワール様はいつもの笑顔に少し緊張を含ませながら一つの正方形の箱を私の前で開けて差し出した。

「アリシナ、私たちは婚約者同士で結婚するのは当たり前なことですが私は貴方だけと結婚がしたい...。決して他の側妃は付けないのは当たり前なのですが、一生貴方のことを大切にします。一年後ですが、どうか、私と結婚してください。」



私の頬を涙が伝う。

「はい、よろこんで。」








手を取りあった二人はまるで、お伽話の中の話に入ったかのような幻想的な空間だった。

次回の投稿は明日の20時です。最終話まであと9日。

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