29.深まる王族達の謎
登場人物が分からなくなりましたらぜひ基本設定を見てみてください。最新話までに出てきた人物をその都度更新しています。※更新が遅くなることがあります。
私は意を決して聞くことにした。
「あの、なぜアルテリア王国の前国王様と前王妃様、さらには魔王様、魔王様の奥様がここにいらっしゃっているのですか?」
とりあえず国王様と王妃様はさっきの話の関係者のようなのでわかるのですが、他の方はどういったご用件なのでしょうか?
お父様の話を面白そうに聞いていた前国王様のダンデリー様が私の質問に答えてくれました。
「私とサフィーは一度、孫に会ってみたかったからね。他の孫には国内だから会えたんだが、アリシナには一度も会えていなかったからね。カフ達が来ることは、私は知らなかったよ。」
ダンデリー様はお父様に「君がなかなか紹介してくれないから会えなかったんだぞ。」とニコニコ顔で言っています。
ダンデリー様はお父様と性格が似ていそうですね。
次に魔王様のカフィーディロス様が口を開いた。
「ローズが姪に会いたがっていたからな。私もアリシナに一度会ってみたかったというのもあって私もローズについてきたんだ。」
なぜそうなったのでしょうか...?
...国に残されてきた人たちの仕事が大変そうですね。
「さて、私たちはまた違う日に話そうか。まだしばらく滞在する予定だしね。」
ダンデリー様は立ち上がりながらそう言った。
今まで黙って話を聞いていた前王妃様のサフィーツェ様が口を開いた。
「そうね、私たちはいったん部屋に戻りましょうか。もうそろそろ日も暮れてきますしね。」
と言ってゆっくりと立ち上がって2人で部屋を出ていった。
サフィーツェ様が言っていたようにもう日が暮れようとしていた。
しばらく沈黙が流れた後に、ケルソン先生が提案する。
「今日はここら辺にしておきませんか?きっと起きたばかりのアリシナの健康のためにも今日はお開きにしたほうが良いかと。」
セシルバート様は溜息をつきながらこう言った。
「そうだな、アリシナにこれ以上負担はかけられない。私たちも下がろうか。フルク、お前も私の姪のために今日は下がってくれ。」
フルク様達は頷いて部屋を出ていった。
残されたのはさっき私の部屋にいた人たちとお父様にお母様だけになった。
お見舞いに来てくれていたミラ達は「また来ますね」と言って出ていった。
残されたのはお父様とお母様に私だけだ。
しばらく部屋に沈黙が流れる。
お母様が最初に口を開いた。
「アリシナ、いままで黙っていてごめんなさい。お兄様が少し、いや、かなりしつこいものだから...あまり言いたくなかったのよ。」
お母様、アルテリア王国の現国王のことをそんなふうに言ってもいいのですか?
昔から思ってましたけど、お母様って怖いもの知らず...というか怖いものがないのでしょうか。
「今まで知らなかったことがさっきの話でやっと理解できたのでまだ混乱しているところもありますが、言っていただけたのが今でよかったです。」
と私は答えた。
何となく昔言われていたらもっと性格が違ったのかもしれない。
そう思えば、昔言わないでくれていたことに感謝しかない。
「ありがとうございます。私はいろんな方に守られていたんですね。もう自分は一人でもやっていけると思っていたのが間違いでした。」
私は初めて周りの人にたいしての心からの感謝を言葉にした。
私が魔力切れで倒れたと聞いてフルク様がすぐに私を城の貴賓室に運ぶように指示してくださって、ケルソン先生とクリス先生は知り合いの魔法省の人とも連絡を取って私の回復を手伝ってくれた。
友人のミラ、ルナ、キャロル、サナ、それにロストワール様達だって心配して何度もお見舞いに来てくれていた。
こんなにも温かい気持ちになったのは初めてだ。
いろんな人の助けがあったからこそ私は今ここにいる。
きっと、これが「幸せ」と言うものなのでしょうね。
しばらく昔の話をして私はもう少しここにいると言って考え事をしていた。
サロンを出るとロストワール様が壁に寄りかかっていた。
私が出てくると私に向かって微笑む。
「話は終わりましたか。今日は疲れたでしょうから、明日にでも二人でお話ししたいことがあるのです。」
「わかりました、明日ですね。私もロストワール様にお話ししたいことがあります。」
私たちは廊下を二人で歩く。
3年半前の時はただ悲しいという感情しかなくて感じなかったが、ただ彼と一緒にいられるだけで幸せだったのだと気付いた。
心も体も成長した私達はこれからも一緒に歩いていけるのだろうか。
私は彼の傍にいられるのならばそれでいいと思えた。
でもそれは違った。
傍にいるだけではなく、支えあっていくのが大切だと感じるようになった。
決して一人では無理はしないとこの時、私は自分に誓った。
まだ結構、続きそうです。次回の投稿は明日の20時です。




