17.新しい家族と意外な出会い
やっとアリシナの弟がやってきました!
朝食が終わり、いったん部屋に帰ってきたらロストワール様から手紙が届いていた。
返事を書きたいけどどうすればいいかしら...お父様に聞いたほうがよさそう。
私は手紙を引き出しに入れて鍵をかけた。
これからみんなで街に行く予定だったけど今日は私の義弟が来るということでみんなもそれに付き合ってもらうことになった。
私は弟を迎い入れるためにエントランスホールに行くが、まだかかるとのことなのでみんなとサロンで待っていることにした。
しばらく待っていると馬車が門のところを通過したと連絡が入ったので私はエントランスホールに向かった。
開いた扉からミッドナイトブルーの髪に薄紫の瞳をした少年がやってくる。
きっとあの子が私の弟になるシェイナスなのだろう。
シェイナスはもともと私の親戚に当たる家の子供で、あまり会ったことがなかったが知っている子ではあったがしばらく会っていなかったので前見た時よりも成長していて、身長は私と同じくらいになっている。
彼はニッコリと笑い私に手を差し出した。
握手をしながら彼は言う。
「シェイナスです。今日からよろしくお願いします。」
貼り付けた笑顔のようなものをむける彼が、私が初めてロストワール様に会ったときに見た顔と重なる。
少し貼り付けている笑顔が似ている気がする、さすが王家の血が混ざっているだけあると思った。
確か彼の祖母がこの国の第三王女だったはずなので似ているのもそのためだろう。
「ええ、よろしくね。シェイナスと呼んでもいいかしら?」
私は貴族の笑顔で答えた。
少し驚いた顔をした後にさっきよりも自然な笑顔で彼は答えた。
「好きなように呼んでください。では、私はお姉さまと呼ばせていただきます。」
今日はお父様が不在なため、お母様と私で彼を出迎えた。
そのまま彼をサロンのほうに連れていく。
「シェイナス、こちらは私の友人のミラとキャロルにルナよ。」
私は友人を彼に紹介する。
3人は立ち上がって礼をする。
「貴方が、アリシナ様の弟様ですわね。アリシナ様はかなり鈍感な方なのでよろしくお願いしますわ。」
「殿下が近くにいれない今、アリシナ様を守ってくださいね!私もできるだけ守りますが、そこにいれない場合もありますので..。」
「こんにちは。アリシナをよろしくお願いします。」
ミラ、キャロル、ルナの順でそれぞれ挨拶をする。
...ミラ?鈍感とはどういうことですか?...それにキャロルやルナまで何を言っているのかしら。
私は3人の言っていることが分からなかったがシェイナスは分かったらしく頷きながらこう言った。
「分かっていますよ、お任せください。メンティー公爵令嬢、カサルト辺境伯令嬢、ガラトス男爵令嬢。」
ミラが小さい声で「まあ、及第点ですわね。」と言っていたが完全に話についていけない私には理解ができなかった。
その日はシェイナスも一緒に私を含めて5人で家で過ごした。
夜にお父様にロストワール様宛に手紙を書けないか聞いてみたら「私が出しておこう。」とのことで私は手紙をお父様に任せた。
次の日私たちはなぜか海のほうにある別荘に行くことになった。
お父様曰く「学校は王都にあるのだから王都で買い物したければ学校が休みの日に行けばいい。」だそうだ。
今回は家族全員と友人達で別荘のほうに来ている。
お父様、仕事は大丈夫なのでしょうか。
きっと要領のいいお父様のことだからフルク様に仕事を押し付けてきたに違いない。
と思っていたのですがどうやら違うようです。
別荘につくとお父様は突然姿を消しました。
....たぶんお父様は、仕事の用事でこちらのほうに来たのね。
シェイナスは次期当主として別荘の中で勉強をするとのことなので私はミラ達と海の近くにある店に行ってみることにした。
私達は一応貴族なので護衛がついている、メイドもついている。
そこまでは問題がないのだがさっきからお父様付きの執事のジェラウスがついてきているのはなぜだろうか。
シェイナスは見張ってなくてもちゃんとしていると思うけど、家にジェラウスがいなくても大丈夫なの...?
私は気にしないことにした。
今は友人がせっかく遊びに来てくれたので楽しむことにした。
私も海に来るのが久しぶりだったので前両親と見に行ったときと少しお店が変わっている気がした。
前よりもこの街に活気があるように見える。
やっぱりお父様は優秀なのね、宰相の仕事をしながら自分の持っている領地の管理を怠ったりしないところはさすがとしか言えないわね。
私たちは目的地まで馬車で移動することにしたが、道が混んでいるためなかなか目的地に着きそうにない。
ふと窓から外の景色を見た時に遠くのほうから歩いてくるミルクティーブロンドの髪をした少女がいた。
私は見間違いかと思ったが彼女は二人の友人を連れて歩いているようだ。
一人は銀髪の長い髪に瓶覗色と亜鉛華色がグラデーションされたような瞳をした教会の人のような恰好をした人で、もう一人は銀髪の人より少し小さめで長い黒髪と茜色と白梅色がグラデーションされたような色をした魔法省の人のような恰好をしている。
遠目からでもその三人は仲が良さそうに見えたのでたぶん友人なのだろう。
ずっと自分の見間違いだと思っていた少女が実際に存在していることに驚いた。
夢の中で出会ったのだろうと思っていたのだ。
あんまり見ない髪色を間違えるはずがない、この前出会った彼女だ。
...でもなんでこんなところに?
「...様、アリシナ様?」
ミラに声を掛けられていたようだ。
私は窓から視線を移して答える。
「ごめんなさい、すこしボーっとしてました。」
「良かったですわ、心ここにあらずという感じでしたわよ?」
ミラは安心したようにほっとした顔をした。
そしてまた話し始めた。
私はもう一度窓の外に視線を向ける。
そこには彼女達の姿はもうなかった。
次回の投稿は明日の20時です。




