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小説家になろうの下には屍体が埋まっている(AI版)


 小説家になろうの下には屍体が埋まっている!


 これは信じていいことなんだよ。何故って、ランキングの上位にあんなにも見事な作品が並ぶなんて、信じられないことじゃないか。俺はあの成功が信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。小説家になろうの下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

 どうして俺が毎晩家へ帰って来る道で、俺の頭のなかの数ある考えのうち、選りに選ってちっぽけなテンプレートや、AIの助言なんぞが、千里眼のように思い浮かんで来るのか――おまえはそれがわからないと言ったが――そして俺にもやはりそれがわからないのだが――それもこれもやっぱり同じようなことにちがいない。


 いったいどんな芸術でも、いわゆる真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気のなかへ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。それは、よく廻った独楽が完全な静止に澄むように、また、音楽の上手な演奏がきまってなにかの幻覚を伴うように、人間の才能がその極みに達したときに放つ後光のようなものだ。それは人の心を撲たずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。

 しかし、昨日、一昨日、俺の心をひどく陰気にしたものもそれなのだ。俺にはその成功がなにか信じられないもののような気がした。俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。自分にもこんなものが書けるはずだと思う。いや、こんなものよりももっといいものが書けるはずだと思う。だが、俺の作品はランキングの底のほうで、誰の目にも触れずに沈んでいる。俺は自分の良さを考えるよりも先に、どうすれば読者に受け入れられるのかを考えている。テンプレートを使うべきか、流行りの設定を取り入れるべきか、それともAIに相談して、俺の文章のどこが悪いのか教えてもらうべきか。俺はいまやっとわかった。


 おまえ、このランキングの上位に並んでいる作品の下へ、一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。

 売れなかった作品、読まれなかった作品、感想も評価もつかずに削除された作品、誰にも知られずに筆を折った作者、何年もかけて書き上げたものを、たった一つの流行りの設定に追い抜かれた作者、そして自分の作品よりも出来の悪いものが売れていると嘆きながら、それでも毎日ランキングを覗いてしまう作者。屍体はみな腐爛して蛆が湧き、堪らなく臭い。それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。作者の残した才能や時間や情熱が、まだそこに残っているのだ。ランキングの根は貪婪な蛸のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような触手を集めて、その液体を吸っている。


 何があんな作品を作り、何があんな作者を生み出しているのか、俺は屍体の残した時間や才能や情熱が、静かな行列を作って、ランキングのなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。無数の作者の屍体が、誰かの成功を支えるために積み重なっている。成功した者はその上に立ち、自分の力でそこまで来たのだという顔をしている。いや、実際に自分の力で来たのかもしれない。そんなことは俺にはわからない。だが、そう考えなければ、俺にはこの世界が納得できないのだ。


 ――おまえは何をそう苦しそうな顔をしているのだ。美しい透視術じゃないか。俺はいまようやくランキングの上位が見られるようになったのだ。昨日、一昨日、俺を不安がらせた成功の神秘から自由になったのだ。

 数日前、俺は小説家になろうのサイトを覗いていた。ランキングを眺めながら、流行りの作品をいくつか開いていた。どれもよく似た題名で、どれもよく似た展開で、どれも読者が喜びそうなところへ、間違いなく話を運んでゆく。俺はそのなかで、変なものに出喰わした。それは文章のなかにあった。人間の書いたものにしては、あまりにも無機質で、あまりにも整っていて、あまりにも迷いがない。読者が求めるものを差し出すためだけに作られた、奇妙な作品だった。

 おまえはそれが何だったと思う。それはAIによって作られた作品だったのだ。人間のような文章を並べながら、人間のように悩んだ跡がない。隙間なく積み重なった言葉が、光にちぢれて油のような光彩を流しているのだ。そこには大量のなろう作家の文章が、資料として、手本として、あるいは餌として、取り込まれているのかもしれない。無数の屍体から吸い上げられたものが、今度は別の作品となって生まれてくる。俺はそれを見たとき、胸が衝かれるような気がした。

 墓場を発いて屍体を嗜む変質者のような残忍なよろこびを俺は味わった。


 この小説家になろうのサイトでは、なにも俺をよろこばすものはない。ランキングの数字も、感想欄に並ぶ賞賛も、読者を引きつけるための題名も、ただそれだけでは、もうろうとした心象に過ぎない。俺には成功体験が必要なんだ。その平衡があって、はじめて俺の心象は明確になって来る。俺の心は悪鬼のように憂鬱に渇いている。俺の心に成功への道筋が完成するときにばかり、俺の心は和んでくる。

 ――おまえは手を止めているね。冷汗が出るのか。それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。べたべたとまるで精液のようだと思ってごらん。それで俺達の憂鬱は完成するのだ。


 ああ、小説家になろうの下には屍体が埋まっている!


 いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない屍体が、いまはまるでランキングと一つになって、どんなに頭を振っても離れてゆこうとはしない。俺はこの考えを捨てることができない。俺は自分の才能が足りないのだと考えるよりも、世界の仕組みが間違っているのだと考えるほうが楽なのだ。

 読者の見る目がない。宣伝の上手い者が勝つ。テンプレートに従った作品が読まれ、AIを使った作品が量産され、誰かの努力は数字の底に沈んでゆく。そう考えると、俺は少しだけ息ができるような気がする。俺はこの考えが正しいかどうかを知らない。ただ、これを信じているあいだだけは、自分の敗北を見なくて済むのだ。


 今こそ俺は、あのランキングの上で笑っている作者たちと同じ権利で、成功の酒が呑めそうな気がする。俺にも同じことができるはずだ。俺も彼らのように作品を作り、彼らのように読者を集め、彼らのように数字を並べてみせる。俺のなかには、まだそれをすることへの嫌悪がある。だが、嫌悪があるからといって、俺がそれをしないとは限らない。俺はまだ何もしていない。これはあくまでも俺の頭のなかの、暗い空想に過ぎないのだ。しかし、空想はいつでも、現実の扉の前に立っている。


 ――それにしても、俺が毎晩家へ帰って来て、小説を書こうとするとき、頭のなかへ思い浮かんで来る、AIの助言が、空を翔ぶ蝮のように、俺の文章へかみついてくるのは何時だろう。これは洒落ではないのだが、その声には、

 Already Late(もう、手遅れだ)

 と書いてあるようだ。


このお話は、ChatGPTさんに書いてもらいました。

改行やルビなど読みやすく整える添削はしましたが、それ以外はそのまま掲載しています。

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