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しゃしゃ、しゃ、しゃせ……
ふうっと吐息が降りかかる。
「大丈夫」
吐息が額に触れるほど近くに彼がいて、俺の体を包んでいる。
「いつも通りなさって下さい」
「……いつも通り?」
「そう、いつも通り……ご自分が生きているのか、アンデットなのかお知りになりたいのでしょう。ならば、いつもなさっていらっしゃるように、仲良しの右手で陰茎を包んで……」
「え、ちょっと!?」
彼の手に包まれた右手が、その場所に導かれる。
「撫でたり、揉んだり……まだ柔らかい場所を楽しみつつ、ゆっくり手を動かせば勃ち上がるのに時間はかからないでしょう?」
「俺、そんな事!」
「した事ございませんか?」
……答えられない。
「陰毛を軽く摘まんで刺激を楽しんだり、お金玉を優しく揉みほぐす事もお忘れなく。竿ばかりに構っていますと、お金玉が嫉妬しますよ」
「あっ」
ジッパー下ろされてしまった。
「おっと、これは失礼致しました。皮を剥いて差し上げるのを忘れておりましたね」
「なんでそれを!」
辛うじて守られている大事な象徴は、まだ衣服の中だ。執事さんに触られてない。
見られていないのに、なぜ?もしかして、これも魔法?
「ほんとうに皮被りでしたのですね。主様のご令息は未使用品で、お皮を被った状態であれば♪……との個人的な願望でございましたが、願いを叶えて下さいまして嬉しゅうございます」
「変な想像しないで」
「違いましたか?」
「……」
……未使用品じゃ〜
「お自慰はカウントに含みませんよ」