表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キミの傍にいてもいい?駄目かな?  作者: @ナイトホーク
第四章 負傷したエース編
21/52

傍に一番似合うのは


「優孝を好きになったのは、中1の時だった。私は、今みたいに授業は、寝てるし先生とよく言い合いとかよくして孤立してた。むしろ1人になりたかった。その方が静かだし喋るとかめんどくさかったから。お陰で誰も私の声を掛けたりしなかった。……優孝は、違ってたけど」


フンッと鼻で笑う。それでちょっと優しい眼差しで海沙に言う。


「私がどんな場所にいても優孝は、私を見つけ出して『やっぱりここだったか』って言ってちょっと離れた場所に座って本を読みだすんだ。変な奴だろ?昼の時だって近くに来るし、自分の友達と一緒にいればいいのに。……優孝は、私が1人でいるのが気になってどうしようもないみたいだったよ」

「川中君は、優しいから」

「そんなある日。優孝が言ったんだ。『部活に入れば』って言われた時は、笑っちゃったよ。急に何言い出すんだよって思ったよ。でも、部活に入れば毎日私の傍に来なくなると思ってソフトボールに入った」

「どうなったんですか?」

「毎日は、来なくなったよ。時々部活の調子はどうだ?みたいのはあったけど。これで少しは、楽になれるはずだった」


急に悲しそうな表情になって席を立って窓際に移動して、振り返り寄り掛かる。自分の身体を抱きしめるかのように両腕を身体に回す。


「……寂しくなった。屋上で1人でいる時とか教室の時、あんなに私の傍に来てくれたのが時々になって。……もっと私の傍にいてほしい。くだらない話とか何も言わなくていいから、傍で本とか読んでいてほしい。そんな風になって、私は優孝のことが好きなんだって気がついた」

「じゃあ、この高校に入ったのって」

「そう。好きな人と同じところに行きたかったからここに来た」



「高1でも同じクラスになって嬉しかった。また、優孝と一緒だって。だけど、優孝は、あの金髪生徒会長と付き合うことになって。知った時は、辛かった。悔しかった。だけど、優孝が幸せなら……私は、没頭するかのようにソフトボールを続けた」

夏織の心の中に合った気持ちを聞いた海沙は、なんだか自分と似ているところがって共感していた。

「神山さんも優孝が好きなんでしょ?」

「えっ!やっ!そ、それは」

急に自分に振られあたふたしてしまう。

「分かるよ。隙があればよく優孝のこと見てるじゃん。バレバレだよ」

図星で何も言えなくなり顔が熱くなる。

「優孝は、私の傍が一番似合うから諦めてね」

「わ、私は」


――ガラガラ。

再び教室のドアが開きそこにいたのは優孝だった。

「あれ、神山さん。何でいるの?」

「わわわ。川中君!!わ、私は、その」

慌ててる海沙にアハハっと笑う夏織。

「女同士の秘密の話だよ」

「なんだそれ?まぁいいや。帰るぞ夏織」

なんだかもう慣れた感じで夏織の荷物を持って体を支える。

「神山さん。さっきの分かってね」

さっきの夏織が言った『優孝の傍にいるのは私が一番似合う』この言葉みたいに今、海沙の目の前に優孝の傍にいる夏織。その表情は、凄く満足そうでドヤ顔していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ