海砂の休日
さてさて、どうしようかな。
今日は、土曜日。部活も休みだから久しぶりにのんびり出来る。だけど、まぁ、家の手伝いだよね。
「おはよう。今日お店手伝うよ」
「あら、休みなのに。何かしたいことないの?」
「ないよぉ~」
「じゃあ午後店番してもらっていい?」
「わかったぁ~」
よいしょ。ベットにとりあえず座って……ゴロゴロしよぉ。
ハッ!駄目駄目。こんな時間の使い方しちゃ。っと言って他にすることないし、フルートの練習するか。
「ふぅ~。やっぱりここ難しいな」
私がフルートやるとか昔は考えられなかったな~。高校から始めたけど下手だな。当たり前だけど。なのにみんなから『上手いね』とか言われたり、ソロ担当になったり、そんなに上手くないのにな。でも、今年の夏に3年生が引退した時、周りから『次の部長が海沙だったりして』なんて言われた時は、ズクッとした。結果的には、ならなかったけどもし私が部長だったりしたら、即断った。だって無理だもん。上手くないし、みんなをまとめるスキル高くないし。
「……凄いよな」
七条さんは、生徒会の会長さんでテニス部の部長だし、鹿野さんは、ソフト部のエースで元天才子役。この2人に対して私は何もないし。
「川中君は、図書部の部長でお金持ちで……」
あぁ~。私。七条さんと鹿野さんに勝てるのかな?
「負けたくないな」
午後。店番をしている海沙。今日は、ケーキを買いに来る人が少なくちょっと怠けている。
「この前の川中君と出掛けた時は、楽しかったな」
――カランカラン。お店の扉が開く。
「あ、いらしゃ……いま。あれ」
「こんにちわ。神山さん」
入店してきたのは、優孝だった。その後ろにメイド服のカルネとミーヤが立っている。
「ええっと。えっ!な、なんで?」
「なんでってケーキ買いに来たんだけど」
予定外の人物に慌てて髪が変じゃないか、整える。ショーケースに色んな種類が並べられているケーキを中腰で見て選ぶ優孝。
「俺は、ショートだな。2人は?」
後ろに立っていたカルネとミーヤに聞く。
「いえ、私たち」
「カルネ。この前貰ったケーキ凄く美味しそうに食べてたじゃん」
「な、何を!?そんなわけが!」
「じゃあ、ミーヤは?」
スッと指をさす。その先は、モンブラン。
「こ、この前私の分のケーキなかったから食べたいです」
「あ、ごめんなさい!私2つしか入れてなくて」
この前海沙が渡したケーキは、2人分だけだった。
「い、いえ、気にしないでください。こうして買いに来たのですから」
「で、カルネは、どうするんだ?」
「……チ、チーズケーキを」
ミーヤが当たり前のようにケーキを選択したので、自分だけ仲間はずれが嫌なのか結局、自分も選んだ。
会計を済ませてた川中君が、お店から出る時だった。
「じゃあ学校で。ケーキ。また買いに来るよ」
そう言って手を振ってくれた。すごく嬉しくって照れた。
「きゃぁぁぁぁ。また買いに来るって!!嬉しすぎるよぉぉ。お父さん!新作のケーキ作ろう!」
大声で言うものだからうるさいって怒られた。




