Peace6-4
雪が降る中で、父と写真を撮った時のことを思い出す。
みれい(誕生日にはパパと仲の良いシェフのレストランに行って、いつも祝ってたな⋯。毎年旅行にも行って…)
みれい「今度はどこの別荘?」
母「確か⋯」
父「お母さん、ちょっと。」
母「少し待っててね。」
2人は電話に出るため、部屋の奥へ行く。
母が戻ってくると申し訳なさそうな顔をしていたので、状況を察することができた。
母「ごめんね、急に仕事が入っちゃって。別荘はまた今度になりそう。」
みれい「え!?また!?この前もご飯に行くって言って行かなかったじゃん!」
父「ごめんね、仕事だから。」
そう言って父はみれいとほまれの頭を撫でる。
母「おばあちゃんとお手伝いさん呼んでおくから、家でいい子にしててね。」
みれい「えー!!」
ほまれ「仕方ないよ。」
みれい「ほまれは予定がなくなって悲しくないの!?」
ほまれ「悲しいけど⋯どうしようもないし。」
母「あ、お手伝いさんもうすぐ来るみたい。じゃあ行ってくるね。」
みれい「ママー!パパー!」
母と父は手を振って出ていってしまった。
みれい「⋯そんなに仕事の方が大事なの?」
ほまれ「じゃあ、勉強してくる。」
みれい「ほまれまで!?なんで!?旅行楽しみじゃなかったの!?」
ほまれ「楽しみだった…と思う。でも、よく予定がキャンセルされてたじゃん。大人になったら仕事が大事になるんだから、今から勉強してないと、親に振り回され続けちゃうよ。」
みれい(どうして⋯皆家族が好きじゃないの⋯?)
この時、みれいはまだほまれの言いたいことが分からなかった。
みれいはほまれがテストで満点を取った時に褒められていた事を思い出す。
みれい(みれいが小学校にあがって、テストで良い点数を取ったら構ってくれるの?)
何れみれいもほまれのように、医者になるために勉強をしなくてはいけなくなる。元々勉強は好きだったが、この時からみれいにとっての勉強は、家族に構ってもらうための道具と化していた。
みれい(みれいも勉強を頑張れば、家にいてくれる?)
それから母と勉強するようになった。
みれい(塾に家での勉強⋯ママは前より家にいてくれるようになったけど、その分パパが帰ってこなくなっちゃった⋯。)
母「みれい!手を止めない!医者になるんでしょ!」
その後、ほまれが医学科に進学したものの、ほまれは次期院長として父に知り合いを紹介されたり、父と病院に泊まり込むことが増えた。
みれい(これじゃあ皆で一緒にいるどころか、ほまれまで一緒にいる時間が減っちゃったじゃん。)
いつの間にかみれいは雪の降るベランダで気を失い、気が付いたら病院にいた。
ほまれ/母「みれい!」
みれい「ママ…ほまれ…。」
ほまれ「みれい、何してんの!?皆心配したじゃん!」
母はそっとほまれの肩に手を置き、首を振る。
母「良かった…起きてくれなきゃ…どうしようかと…。」
みれい「…ごめん…パパのことや昔の事を思い出してて…。」
母「昔の事…?」
みれい「うん…。みれいはずっとパパを恨んでた。すぐ仕事に行っちゃう、医者以外に価値を見出さないパパを…。いつもいないから、死んでも何とも思わないと思った時もあった。でも、もう…本当に会えないんだね…分かち合うことも…勘当することも…できなかった。」
そう泣くみれいを、母とほまれは抱きしめ、漸く3人で泣いた。
-後日-
昼頃まで寝ていたみれいが起きると、横に金白の髪色をした人が座っていた。
みれい「…あれ?天からお迎えがやってきたのですか?」
りおう「何を言っているんです?」
みれい「じゃあ、り、りおう…ですか?」
お見舞いに来たりおうは髪が金白になっていた。
りおう「…みれいは本っっ当に我儘です。心配かけないでください。一緒に死のうと散々言っていたのに…!」
みれい「えっと…ごめんなさい。でも別に死のうとした訳じゃなくて…」
りおう「確かにりおうは一度も一緒に死ぬなんて言っていないし、生きることに執着している。でもそれはみれいが嫌いなわけでも、いなくなってほしいわけでもない!」
みれい「り、りおう…落ち着いて…」
りおう「…ごめんなさい、りおうのせいで…みれいのお父様が…」
みれい「…どういうことですか?」
りおう「父上は…りおうが病気で入院していた時、お医者様に…つまり、みれいのお父様に『何故治せない』と、『医者なら治せるはずだ』と心ない言葉を言っていたらしいです…。きっとその所為でみれいのお父様は、自分を追い込み、家族を蔑ろにしてまで働いて…今度父上も謝りにくると言っていました。本当に申し訳ない…です。」
りおうは深々と頭を下げる。
みれい「何でりおうが謝るのです?りおうは病気で苦しかったはずで、大変な思いをしたのに。」
りおう「それだけじゃありません。この家はここまで上り詰めるために、様々なものを蹴落としてきました。ろわの家との契約を切ったのだってその一つ…。親と同じで、りおうはみれいに寄り添うこともできず、傷つけてしまっています…。こんなの、相棒どころか人として、流れている血自体存在してはいけないんです。」
みれい「⋯みれいが今から言う事、りおうは受け取り用によっては恨むかもしれないですけど、言っていいですか?」
りおう「…りおうに恨む資格なんてありません。」
みれい「親って血は繋がってますけど…、確かに最初は一緒にいたかもしれないけど、結局、自分じゃない他人…なのですよね。親ってだけで子どもにとっては絶対的でこの世の全てみたいな存在に見えるから、そうじゃなかったと気づいた時、信じたくないですし、自分のことも信じられなくなります。でも、親だって完璧な存在じゃないから。だから、言いたいことを言うことが、対等の始まりになるんじゃないかって信じてるのです。」
りおうは病気が治ってから、跡継ぎの為にとずっと親に従ってきたことを思い出す。
病気でないから幸せだと、あれ以上の苦しみはないと信じていた。だが、自分が好きなことができない苦しみに蓋をしていたことにも気づく。
りおう「みれいが言っていたこと、少し分かったかもしれません。」
みれい「え?」
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




