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幸風に吹かれて  作者: 村崎野 賀茂
22/22

太白

夕暮れ時、松尾の社の鳥居の前で、暮れていく空に魅入っていた。

季節にもよるが、ちょうど西の空に、ひときわ大きく明るく輝く一番星が

その姿を見せていた。

鳥居の真上に来たその星は、茜を帯びた空にだた一つ、光芒を放ち、

ゆっくりと西に向かっている。

“茉莉姫、あの星すごいね。”

“ええ、ほんと”

“うちの爺に聞いた話だとね、あれはアマテラスの女神様なんだと、

ある時、弟のスサノオノ男神の荒れぶりにお怒りになり、

天の岩戸にお隠れになりなさったと。

松尾のお山の上には、今でもその岩戸があって、そこに入って、東の空に抜けるそうだと。

しばらくしたら、明けの東の空に姿を現されるそうなんだ。”

“へぇ、そうなんだ、今でもあんなに輝いているのに、近くで見たら眩しくてしょうがないよね”

ふふふと二人して微笑む。

一番星が山に隠れて見えなくなると、二人は帰りの途についた。


その夜、茉莉姫は夢を見た。

東に昇った月から、ほうき星が飛び出し、きらきらと輝く星屑をまき散らしながら

天空を駆けていく。

やがて西の空まで来ると、ひときわ明るく輝き、松尾の山に御座されるのを。

はっと、目覚めてみれば、御簾の向こうで明るい月が、部屋の中に優しい月光を

送りこんでいる。

御簾の影が優しく部屋に揺れている

“今のはなんだったの?”

月読の社で寝付けない茉莉姫が再び目覚めたのは、翌日の遅い時間となったのであった。


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