第75話 アラミスの誘惑
三銃士との戦いはイフリートの完勝で終わった。
そのイフリートは今俺に甘えて抱きついている。
シヴァはイフリートを呪うような目つきで重傷のアトスとアラミスの治療をしている。
「キラ、とにかく説明をしてくれ」
「ああ」
俺は謁見の間で起きたことをヴァンヘルトに説明すると彼は大きくため息をつき玉座で震えているフィリップ王に近づき
「キラが言っていたことは本当でございますか?」
「ちが……そ、そうじゃ」
一瞬否定をして言い訳をしようとしたところイフリートギロッとフィリップ王を睨んだことで言い訳をすることをやめ俺の言葉を認めたようだ
そしてヴァンヘルトは俺の方に振り返り
「キラ、お前ももう少し大人になれ。あと1国の王に対してもう少し言葉を選べ」
俺に言葉使いに注意するヴァンヘルトだが俺から言わしてもらえば、お前が言うな! と言いたくなる。
一緒に旅していたとき平気で王や領主に対してタメで話していたし、時には脅しもしていたくせに。
そんなことを考えていると
「なんだ、何か言いたいことでもあるのか」
「うんにゃ、なんにもねーよ」
あるけどここでそんなことを言ったら今度は俺対ヴァンヘルトになる。
あいつは肉体的にも俺に対して攻撃してくるが一番厄介なのが精神的攻撃だ。
これをやられると俺は1週間は立ち直れないのであえておとなしくすることにした。
「つったく、とにかくもういいからお前は学園都市に帰れ」
「おい、アフロディアへの手紙はどうなったんだ?」
「書いている時にお前らが暴れていると報告が来たんだからできているわけ無いだろうが。後日持って行くからとにかく今は帰れ」
「わかったよ。暑苦しいからイフリートもいい加減はなれろ」
「ふふふふふ、いや!」
満面の笑みで拒否りやがった。
三銃士の治療が終わったシヴァも抱きついてきた。
「シヴァもやめろ」
「いやです」
「しかし、お前たち3人は30年前から全然変わってないな」
ヴァンヘルトが呆れた表情で俺たちを見ている。
「あのな、俺たちにしたらヒミコとの戦いからまだ2ヶ月ぐらいしか経ってないんだぞ」
「……あ、そうだったな。なんかお前たちを見ているとイライラしてきて鬱陶しく見えるからさっさと帰れ!」
呆れた表情から急に顔をしかめっ面なり不機嫌になるヴァンヘルト。
そこまで不機嫌にならなくてもいいじゃないか。
「わかったよ、帰ればいいんだろう。リリーナの件頼むぞ」
「わかった。2日後ぐらいにはなんとかなるからまっててくれ」
そう言ってヴァンヘルトはフィリップ王の下に歩いて行った。
治療が終わり元気になったアトスとアラミスが俺に近づいてきた。
「キラ、お前なぜ本気で戦わない?」
「ん!? 俺は本気だったぞ」
意外なことを言うアトス。
俺は本気で戦っていたんだが、なぜそう思うんだ?
「そんなわけ無いだろう。魔人剣がないお前でももっと善戦しただろうが」
アトスの俺に対する評価は結構高いんだな。
でも俺はそんなに強くないぞ。
「いやいや、俺も全力で戦わしてもらったんだが」
「「……」」
アトスとアラミスは俺の答えに納得できないと言った表情をしている。
「まあいいか。キラがそう言うならそれで。今度はゆっくりフランスに来い。戦友としてお前とゆっくり話したいからな」
「私もよ。キラちゃんと2人きりでゆっくりとお話がしたいわ……お話だけですまないかもしれないけどね」
そう言ってアラミスは妖艶な笑みで俺の手を握ろうとしたが、
バシッ!
イフリートがアラミスの手を叩き落としアラミスを睨む。
「あら、怖い、怖い。キラちゃんと一緒にお話するには炎の魔人さんの許可がいるわけね」
「私の許可もいります」
アラミスの問いにシヴァが答える。
「わかったわ。じゃあ今度会うときは許可がもらえるように努力するわ」
「努力しても無理でしょうけどね」
魔人2人とアラミスが火花が散るような勢いでにらみ合う。
重い。重いぞこの空気。こういったときは逃げるのが一番だな。
「じゃあ俺は先に帰るな」
この空気に耐えれなくなり俺は1人先に学園都市に転移して戻った。




