第56話 フランス王女 アフロディア
「すまない、イオリ」
「……貴様に名前で呼ばれる筋合いがない」
「……すまない、クサナギ殿」
俺は騎士の礼で対応した。
「ふん」
初めて会った時も遼に間違えて怒ってたな。
間違われるのが嫌なのか?
父親である遼が嫌いなのかな。
「貴様はこんなところで何をしているんだ」
「……見ての通りだが」
服屋にいる俺に何をしているんだと聞くか?
服を買いに来てるんだよ!
「女性にちょっかいをだしに来たのか」
「なんでだよ、服を買いに来たんだよ」
なんで服屋に来て女性にちょっかいをかけないといけないんだ。
俺はそんなキャラじゃない。
見るだけだ俺は。
声なんかかけれるか。
「じゃあなぜ、アフロディアさんに対して視姦をしたんだ」
「いやいや、してねーよ。ちょっと見ただけだよ」
「……アフロディアさん、彼はこう言っていますが?」
「ええ、私のことをずうっと見てらっしゃたのよ」
いやいや、見ていたがそれでも1、2秒ぐらいなんだが……
それでも悪いと思った俺は
「見ていたのは確かだから謝罪はしたんだが」
「王族である私にあのような目で見るなんて、フランスでしたら貴方牢獄行きよ」
……また王族か。
なんかアリス以外の王女て変なのばっかりだな。
「なんで見ただけで牢獄にぶち込まれなきゃいかんのだ」
「私を見ていたのが罪だからよ」
……疲れる。
とっととここから離れるか。
「とにかく謝罪はしたからもう行かせてもらう」
俺は出口に早足で向かった。
「まちなさい!まだ話は終わっていませんことよ!!」
チッ
めんどくさいな、
転移魔術で逃げるか
いや、イオリに俺の身元はバレているから今逃げても意味ないか。
「じゃあどうしたらいいんだ」
謝罪したのに許されない……賠償金でも払えってか!
言っとくが俺の全財産は金貨3枚だぞ!
でも全財産とられると俺は無一文になるから勘弁してほしいのだが。
「アフロディアさん、ここは私に免じてこの無礼者を許してあげてもらえませんか」
なんとイオリが俺のために金髪縦ロールに許しを請うてくれている。
「イオリ様のお知り合いの方でしたの?」
「まあ、そんなところです」
「仕方ありませんわね、そこの一般人、今回はイオリ様に免じて許してあげますわ」
なんか納得できん。
納得できんがここは……
「どうもありがとうございます」
こういった方々に対しては変に反論しないのがいい。
変に反論すると時間がもったいない。
「ところで貴方の着ている軍服はイングランドね、階級は……大尉!学園都市に派遣される騎士にしては階級が高すぎるわね。誰の騎士なの?クリステーナ?それともセイラ?」
「アフロディアさん、この平凡な男は第6王女アリスの護衛騎士、キラ・イチジョウです」
「オホホホホ、キラ・イチジョウなんて30年前の英雄様と同じ名前だなんて。貴方はその名前に負けないような態度をしなけらばなりませんわね」
俺をあざ笑う金髪縦ロール。
名前負けしているて言われてもな……本人なんだが。
「アフロディアさん、やつは本物のキラ・イチジョウです」
ホホホホと笑っている金髪縦ロールは笑いをやめてイオリを見る。
「まさか、こんな普通の庶民がキラ・イチジョウだなんて、イオリ様珍しく冗談を言いますのね」
イオリは否定するように首を振る。
金髪縦ロールは俺を見る。
「ありえませんわ!こんなみすぼらしく、背が低く、イケメンでもない男がキラ・イチジョウ様だなんて!」
俺が本物と認めたくないんだろうな。
こんだけ言われて俺もかなりショックを受けているんだが。
もう帰ろうか。
この上難癖つけられたらさらに凹みそうなので、
「すまないが俺は行かせてもらうぞ」
「ちょっとお待ちな・・」
「待て、まだ話が終わって……」
2人が同時に俺を引きとめようとしたが
俺は転移術を唱え屋敷に戻った。




