間話3 オロチの夢
わが娘を抱いた英雄殿は「またな」と言って転移魔術を唱え転移した。
いい言葉じゃな。
わららもそう思う。
1000年生きて初めて子を生みその子の成長が見れないのは残念じゃが、英雄殿に任せておけば大丈夫だと確信を持っている。
学園都市を作ったネイ・イチジョウを見ればわかる。
敗戦したジパングを復興させ人種や亜人を差別をさせない法律を作りほとんどの国がその法律に支持している。
世界で嫌われているダークハイエルフである彼女は今では世界で1番好かれている存在だ。
そんな彼女の親代わりになったキラ・イチジョウ。
私に致命的な傷を負わせヒミコに止めを刺した英雄と呼ばれる少年、いや青年じゃな。
まだ若いく勇敢でそして思いやりがあり強い男。
じゃが女経験がないのには不覚にも笑ってしまったが。
そもそもイフリートもシヴァは何をしておるのじゃ?
英雄殿を気に入ったからこそ主人として使えているはずじゃろうが。
まったく最近の若い魔人の考えていることはわからんわ。
わらわならとっくに手を出しておるぞ。
なぜじゃろう、今になって死ぬのが怖くなってきたわ。
我が子が英雄殿に育てられ立派になりそして好きな男と結ばれ子が生まれる。
わらわはお婆ちゃんか。
いろいろ考えると本当に死ぬのは嫌じゃのう。
わらわの目元から何やら溢れてきた。
なんじゃこれは。
水?
目から水が出るじゃと。
じゃが水にしては塩っ辛いの~
わからん悲しいのに目元から塩水がでる。
ゴホッゴホッ
咳をすると血が混じっておる。
そろそろわらわも限界じゃな。
わらわは玉座にもたれかかり息をするのもしんどくなってきたわ。
なんじゃろう体が動かんの~
じゃがだんだん体が楽になってきたわ。
そして今までにない眠気が……
少し眠るかの。
いい夢が見れるかもしれん。
わらわがいて、娘がいて、英雄殿がいて、そして……バウロがいて。
いい夢が……




