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とある英雄の学園生活  作者: にゃん丸


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第48話 またな

 「バウロ、すまんが連れてきてくれんかの」


 「はっ」


 ドラゴンナイトのバウロは横にある部屋に入り小さな子を抱きかかえて連れてきた。

 どうやら子供のようだ。

 バウロはその子供を俺の前に連れてきて俺に手渡す。

 女の子で年はアリスより年下かな。

 女の子は黒い髪が腰のところまであり頭にはオロチと同じ角が2本ありお尻には30センチぐらいの 尻尾が生えている。

 たぶんオロチの……


 「わらわの子じゃ。つい先日生まれての」


 生まれたばかりって……人間とは違うのかな

 

 「でじゃ、ソナタももうわかっていると思うがわらわはもうじき死ぬ。死ぬのは別に良いのじゃがやはり生まれたばかりのこの子が心配でな。そこでソナタの出番じゃ。この子を頼む」


 「……はあ?」

 

 オロチさん何言ってんの?

 なんで頼むの?

 俺って敵でしょう?


 「なんじゃ?わらわの言葉の意味もわからんのか?」


 「なんで敵であるお前の子を頼まれなきゃならんのだ?」


 「わらわが死ぬのはソナタにも責任があるからじゃ」


 「なんでだよ」


 「普通に生きていたら問題はなかったのじゃがな。この子を産んでわらわの力はこの子に受け継がれた。そしてこの胸の傷が腐食しあと1週間もすればわらわは死ぬ」


 死ぬのに人ごとのように語るオロチ。

 胸の傷が原因で、

 俺の……


 「綺羅様に責任はありません。貴方が勝手に子を産んで勝手に死ぬだけです。それを綺羅様のせいにしないでください」


 シヴァ……


 「ふふ、そうじゃな、すまんな英雄殿。だがわらわが死ねばこの子は1人で生きていかなくてはならん、生まれたばかりのこの子はすぐに殺されるだろう。わらわが死ぬのはなんとも思わんが、この子には生きて欲しい。生きて欲しいからこそソナタに任せたいのじゃ」


 先ほどの余裕な態度から母としての思いがひしひしと感じてくる。

 何とかしてあげたいが……


 「貴様たちが滅ぼした国々の母親もそう思っただろうな。自分より子供をと、だが貴様たちはどうだ、無差別に殺していたでわないか!それなのに貴様はそれを言って人間を頼るのか!」


 今まで黙っていたジェフが剣を抜き俺に近づいてくる。


 「なんの真似だ」


 「知れたことだ、オロチの前でこの子を殺しそしてそのあとオロチを殺す」


 「……」


 オロチは黙って俺たちを見る。

 ドラゴンナイトのバウロは剣を抜く動作に入る。


 「やめろジェフ。この子には罪はない」


 「生きていることが罪だ、その子を渡せ」


 「断る」


 「貴様!人間だろうが!多くの人間がこの者たちに殺されたのだぞ!」


 「だからなんだ!この子が殺したわけでもないだろうが」


 「フッ、やはり下等な人間の行動はわからんな、なら貴様ごと殺してやる」


 1歩1歩俺に近づいてくるジェフ。

 俺を庇うように立ちジェフを睨むシヴァ。

 

 「ジェフやめなさい!」


 「いいえ、姫の頼みでもやめれません」


 「兄さん……やめて」


 「サラお前も俺と同じ気持ちだろう」


 「確かに龍族は憎いけど、でもその子は関係ないでしょ」


 「クッ、ならばワタシだけでも」


 「ジェフ、頭を冷やしてきなさい……強制転移術」


 ジェフは俺に切りかかる瞬間シェリルさんに強制的にどこかに転移させられた。

 

 「申し訳ございませんキラ様。あの子の行動の責任は私のせいです」


 頭を下げるシェリルさん。

 サラは一緒に頭を下げる。

 2人の責任ではないのだが。


 オロチの方に視線を戻すとオロチは不安そうに俺たちを見ている。


 「オロチ、俺はあんたがしたことを許す気はない。だがそれはこの子には関係ないことだ。だからそれは気にしない。そして母親が死ぬ瞬間に子供のことを頼まれたら俺は……」


 シヴァを見ると微笑み頷く。

 シェリルさんも頷く。

 俺は拳を握り締め決意する。


 「この子は俺が責任をもって預かる。だから心配するな」


 「感謝する英雄殿。これでわらわたちは安心して逝ける」


 わらわたち?

 ドラゴンナイトのバウロに視線を合わせると

 彼は俺を見て微笑み一礼し消えた。

 

 「バウロはわらわを助けた時にもう死んでいてな。わらわを心配して死人になってまで今までわらわを助けてくれていたのじゃ」

 

 オロチはさみしそうにバウロがいた場所を見ている。

 

 「英雄殿、この子を、この子を頼む。ソナタが一緒ならこの子はわららのような愚行はせんだろう」

 

 かつての強敵は俺に深々と頭を下げた。


 「この子の名前は?」


 「決めておらん、ソナタにまかせる」


 「わかった」


 「でわ、さらばじゃ」


 「ああ、またな」


 「またな?じゃと」


 「俺はさようならは嫌いなんだよ。だから別れる時は『またな』言うんだよ」


 たとえ死ぬかもしれない相手でもおれは『またな』と言う。

 死んでもあの世で会えるかもしれないじゃないか。

 だから俺は『さよなら』を言わない。

 

 「ふふふ、面白いな英雄殿。ならば『またな』英雄殿」


 そして俺たちはオロチに見守られながら転移魔術で学園都市に戻った。  

読んでくださりありです^^

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