新しい日々(2)
一応ケーキを持ってきた。誕生日ケーキを頼んだケーキ屋に行って、全員分のケーキを買ってきたのだ。
「はい。一応ケーキ持ってきた。」
「「「「うわーー!!」」」」
皆から大好評だった。
「おいしいな。特にこのモンブラン。」
陽響が美味しそうに食べている。
「もう1個!」
来実がケーキを求める。
「悪い、ちょうど全員分しか持ってきてないんだ。」
「えー。」
そう言いつつも、自分で持ってきていたシュークリームに手を伸ばす。
「太るよ。」
ただ一言、鳴実がポツリと言う。
楽しいパーティーももう終わりだ。皆帰る準備をしている。さ、言い訳か…。うーん…。こういうの考えるのは結構得意なんだけど…よし、今回はこの言い訳でいこう!
「あ、やべぇケーキの領収書!!ポケットに突っ込んでたのが無い!!どうしよう…。悪い、先帰ってていいよ。探すから…。」
「手伝おうか?」
鳴実が聞いてくる。
「いや、大丈夫大丈夫。自分で探すから。あーどこやったっけ…。」
それを見て、陽響が言う。
「じゃあ、斬。先行ってるよ。」
よし、それでいいんだ。そうしていただけるとありがたい。
「うん、わかった。」
こうして、皆いなくなり、僕と磨夏だけがこの家に残った。
「…とりあえず、部屋に来ませんか?」
「あぁ、わかった。」
そして、部屋に入る。
「そういや、親はどっちも今いないのか?」
「はい。今日はいません。だから、何やっても問題ありませんよ?」
いたずらっぽく笑って言う。
「どういう意味だよ…。」
笑って答える。
「…突然ですけど、やってもやられても問題無いような関係になりませんか?」
ちょこんとベッドの縁に座って何事も無いように言う。
「…え?」
僕は耳を疑う。いや、へ?どういうこと?
「もっとストレートに言った方いいですか?ストレートに言うとだいぶ恥ずかしいんですが…。」
「いや、さっきの言い方の方が一般的にはだいぶ恥ずかしいと思うんだが…。」
「とにかく、私は斬さんを好きなんですよ。それだけは、わかってください。そして…付き合いたいなぁ、と。そういうわけです。どう…ですか?」
しばらく考えた。んでもって、結論を出した。
「そうだね…付き合おうか。もうパーティーとして戦うことも無いんだし、新しい日々の始まりってことで。これからも、よろしく。」
「…よろしくお願いします!!ありがとうございます!!」
それから、僕達は色々な話をした。思い出話を中心に、たまに下ネタが混じりながら。
「磨夏は何かと色々と危ないことに巻き込まれてたよな。」
「その度に斬さんが助けてくれたじゃないですか。チンピラの時はああいうの初めてだったし、どうされるのかすごく怖かったですよ。斬さんいなかったら、多分今ごろ処女じゃないでしょうし。」
「非処女で済んだらいい方でしょ。あの時空飛んだの、未だにネットで叩かれてるし。」
「そうなんですか!?ほんとにすいません…。」
「けど、あれよりもお前が弾丸に飛び込んでった時の方がひどかったでしょ。あれ生身で当たったら絶対死ぬし。」
「あれ飛び込んでったの、斬さんのためにと思っていったんですよ。最近まで同居してた人がもし死んじゃったら、悲しむかな…て。」
「ったく…。よくそんな理由で無茶出来たな。」
「でも、そのせいで斬さん気絶しちゃったし…。」
「まぁ、でもダイビングキャッチされて「恩返しです」って言われた時は嬉しかったよ。」
「そうでしたか…!!」
「うん。そのあとへばっちゃったけどね。」
「今元気だからいいじゃないですか。」
「そうだね。ピンピンしてるよ。」
「その勢いでやっちゃいます?」
「そっちのピンピンじゃねぇ!!」
「あはは。別に軽く触られるくらいなら問題無いですよ?ま、触られるほどのものでもないですが…。」
「な…!?」
いや、けど、ダメだよ。僕達はまだ中学生だし。中学生だよ?落ち着け、股間。
「いや、やめとくよ。僕にそんな度胸は無いよ。」
僕の中にあるいくつかの理性の中で、リミッターを振り切った理性たちが沢山ある中何とか平穏を保っていた理性のひと欠片で何とかその言葉を出す。
「斬さんは理性がありますね。」
だいぶ危なかったけどな…。
「私のクラスの男子なら、すぐに群がってくるのに。」
「ははは。理性を持った変態が一番危なかったりしてね。」
「え?」
「冗談だよ。」
「脱ぎましょうか?」
「いや、それは親いないからといってもやめた方が…。」
「斬さんの理性が振り切れた状態を見てみたいです。」
「いややめとけって!!」
本当に脱ぎそうだったので止めた。どさくさに紛れて触ってしまった。
あのあとも色々と話をして、その日は別れた。
「じゃあね。また明日。」
「はい、さようなら。」
僕達の、新しい日々が始まった。このメンバーでこれからも楽しいことしていくんだよね。そして、磨夏とはもっと深くつながった。こういうことは、最初は想像すらしていなかった。これからもっと楽しくなる。そう心の底から思った。
僕達はこれから、どうなるんだろうか…。今までの物語に、一区切りが付いた気がするのだった。




