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ハーレム海水浴(3)

 海水浴当日。僕は釣りの準備に追われていた。親戚のツルツル爺さんからもらった太い竿を5年ぶりに小屋から出す。大可士に聞いたところ、この太い竿は投げ竿で、主に砂浜から投げ釣りをするときに使うのだと言う。簡単に言うと、砂浜は防波堤よりも魚までの距離が遠いので、防波堤釣りセットのオモリを重くした仕掛けをぶん投げても壊れないように強くした竿だ。本当はリールも専用のがあるらしいが、とりあえずセット物を流用する。あとはバケツだな、家から持ってくのは。釣具屋で氷とエサを買って準備完了、と。

 今の時間は…9:25。集合が10:00だから、今から釣具屋行っても問題無いか。そして、近くの釣具屋に向かった。

 …『貝藤釣具店(かいとうつりぐてん)』。ツルツル爺さんの古くからの友達が経営している地元の小さな釣具屋。手早く買い物を済ませ、チャリにまたがる。9:45。間に合うね。

 3分で家に着き、チャリに荷物を積む。日焼けしそうだから日焼け止めも塗ったし、全部OKだね。

「杏。準備できたか?」

上の階の自室にいる杏に声をかける。

「うぅ…服が…。」

「ふ、服?」

あいつ、自分の服あったっけ?いつもの堕天使の服が数着だけじゃねぇの?羽根うまく隠れるのもその服だけだし。

「杏、服買ってたっけ?」

 この時。自室で1人後悔していた杏。私はなんて失言を…。こっそり浮き輪の値段倍以上の値札に張り替えといてお釣りでこっそり服買えたのに…!ん、けど着ちゃったら同じか。斬は下だし表情見えないから誤魔化そう。顔に出やすい私だけど問題無いよね。

「あ、言ってなかったっけ?鳥がくわえてたの頂いたんでだよ。」

ヤバい、舌噛んだ。

 ん?鳥?くわえてるものか?ま、そういうこともあるか。

「んなラッキーなことあったのか。良かったな。」

そういや服欲しいっつってたしな。タダでもらえたし良かった良かった。

 「んなラッキーなことあったのか。良かったな。」

ふぅぅ…。斬がいつもの「ま、いいか」思考で済ませてくれてよかった…。にしてもこの服着づらい。どうしよ…。


 お、来たかな。チャリのベルの音がする。

「はいよ~。」

「来たよー!」

来実と鳴実と陽響、それに湖と那深だった。

「まだ他来てないから、上がって待ってて。」

 さて…杏の服の件どうしよ。とりあえず声かけに行こ。

「杏?大丈夫か?」

「うぅ…。着れないぃ…。」

「あー、…どうすりゃいいんだ?僕男だし。」

 「斬ー?何やってんの?」

来実が下から声をかける。

「えーどうした?」

「全員来たよー?」

マジか。どうしよ。とりあえず下に行こう。

「ごめんごめん、ちょっと準備に手間取ってて。」

「ところで斬、聞きたいことがあるんだが…。」

陽響が聞いてくる。

「なんだ?」

「これから行く海には、着替えられる場所あるのか?」

え…?下に着てるんじゃないの?

「下に着てないの?」

「…うん。」

「えーマジか。」

どうしよ…。あ、そうだ。杏の部屋で着替えてもらおう。それなりに広いから全員着替えられるでしょ。ついでに杏の着替えを手伝ってもらおう。

「ちょっと待ってて。」

 上に急ぐ。

「杏ー?そこで皆着替えさせてもいいか?」

「え?いいけど…。」

「ついでだし着替えも手伝ってもらって。」

「わかった。」

 そして下に急ぐ。

「えっと…上の一番奥の部屋に行って、そこで着替えてもらえる?」

「いいよー!」

「あと…杏がちょっと準備に手間取ってるから、手伝ってあげて。」

「杏って誰…?」

鳴実が控えめに聞く。

「私も思いました。」

結菜も言う。

「あれ、話してないっけ?」

「ま、後で話すよ詳しいことは。ま、着替えてきて。」

 なかなか降りてこない。どうしたんだろ?「…あぁ!!」「ふきゃぁぁ…。」「んぁん!」

 …なんだこの声は!?何に手間取ってるんだ!?すげぇ気になる。中を覗きたいけどそれは変態だし法の裁きが下る可能性もあるしけど気になる…!!

 2分後。着替えてる部屋の隣の自分の部屋の壁に耳を擦り付ける。何やってんだ僕は。あ、扉開く音がしたとりあえず退避!!机に向かうふりをする。

「斬。着替えも終わったし早く行こう。」

陽響が僕の部屋に顔だけ入れて言う。なんか僕の部屋に女子が来るってすごいその…股間が覚醒しそう。

「あーわかった。んじゃ行くか!」

「よし、行こう!!」

 こうして、僕達はチャリに乗って海に向かった。

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