里亥さんの秘密(1)
斬は悩んでいた。今日はもともと里亥さんに会う予定だったが、湖からメールが来て、対応に悩んでいた。
………………
To:斬
Title:チャリ壊れた
本文:ごめん、さっきチャリ壊しちゃった…w直してくれない?
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To:湖
Title:Re:チャリ壊れた
本文:今すぐ行かなきゃダメか?これから里亥さんに会いに行くんだが…。
………………
To:斬
Title:Re:Re:チャリ壊れた
本文:だって一番お気に入りのが壊れたんだ…。あ、けど登下校には別のチャリあるから問題無いか。来週末までに来てくれれば問題無いよ。
………………
To:湖
Title:Re:Re:Re:チャリ壊れた
本文:そっか、チャリ自体はたくさんあるんだったねwわかった。金曜までには行くよ。
………………
To:斬
Title:Re:Re:Re:Re:チャリ壊れた
本文:了解。よろ~。
………………
さて、んじゃ里亥さんの所に向かうか…。
「杏。お前もついてくるか?」
「何しに行くんだ?」
「里亥さんに会いに行く。」
「…いいだろう。」
「おや、斬。どこ行くんだ?」
あれ、奇遇だ。陽響と来実と鳴実じゃん。
「あっれー、斬じゃん。どうしたの?」
「これから、里亥さんに会いに行くんだ。お前らは?」
「さっきまで買い物してたんだー。来週皆で海行くから。」
「斬も、来る?」
「え…!?」
つまりその、皆水着だよね。最低でも夏だしだいぶ薄着だよね?僕が、独り占め!?
「そうだね。」
え!!!??妄想の風景と現実の会話がシンクロしてすごく驚く。
「来てくれたら楽しいかも知れない。」
あぁ、そっちね。提案に賛成する方の「そうだね」なのね。…って、ま、マジで!?行っていいの!?
杏の手が僕の心臓のあたりに伸びてくる。バクバクいってるのを確認して静かに一言。
「バカモノ。」
来実がふと思い出したように言う。
「ねぇ、場所の件、斬に相談しない?」
「そうだね。斬、相談があるんだが、今って大丈夫か?」
「あー、悪い。今時間ギリギリだから後でチャットで。」
「そうか。なら、そうしよう。」
「ねぇねぇ、ウチらもついてかない?」
陽響の表情が微妙に変わるのがわかった。それを察して鳴実がカバーするのかと思いきや。
「アタシも話してみたい。」
2対1。陽響、どうする?
「…そうか。なら、行くか…。」
まじか。というわけで、5人で里亥さんの所に向かうことになった。
「陽響、本当にいいのか?」
不安だったので、道中で聞いてみた。
「いずれ仲間になる人達だ。私が嫌っていても仕方がない。ちゃんと話しておかないとと思ってな。」
「そうか。」
大きなガレージの前に立つ。一体この中に何台の車があるんだろう。さて、入るか。どんな話を受けるんだろう。重たそうな黒い扉が開く。
「よぉ。…て、ハーレムでご訪問かい。」
「なっ…!?偶然ですよ。その辺で偶然にも会ったもんで。」
胸に杏の裏拳を食らう。少し痛かった。
「まぁいい。全員入りな。」
こうして、不思議な雰囲気のある建物の中に僕達は踏み込んだ。




