表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/37

最悪のタイミング

 「「「誕生日おめでとう!!!」」」

誕生日を祝われたのは何年ぶりだろう。もしかしたら初めてかもね。夏が始まりそうだから、そうめんを準備しておいた。母親が昔よく作ってくれた、果物入りのそうめんを。

「うわー!すんごいおいしい!!」

皆が喜んでくれた。しかし、今気づいた。気づいてしまった。僕が本来ゆっくりしていて、他の皆が食事を作るんじゃないのか?僕が作ってるんじゃ、ただのパーティーじゃん。ま、いいか。気にしない気にしない。

「んじゃ、プレゼント渡しちゃう?」

葵衣さんが大きめの袋を玄関から持ってきた。

「ま、マジでプレゼント買ってきてくれたんですか?しかもこんなデカイの…。」

「大夢くんが選んでくれたんだ。」

陽響が笑顔で言う。いつものいかにもな雰囲気をまとっておらず、純粋に楽しんでいそうだ。さて、中身が楽しみだ。何かなぁ、と…。…。………なんだこれは。いや絶対高いでしょこれ。やべぇ嬉しい涙出そうあーやばいほんとに泣きそうだ……。

「…ありがとう。ほんとにありがとう……。」

中身は、大きな青いピックアップトラックのラジコンだった。ライトも光る。サスペンションもついている。

「泣くなよ!?」

「泣くわけねぇだろ!」

大可士につっこむ。

「はぁ…。まじでありがとう。」

「そういえばさぁ、ケーキまだ?」

来実が言う。

「今いい雰囲気なんだから少し我慢しなよ…。」

鳴実が言う。

「早く食べたーい!」

「私もです!」

すずみも言う。

「磨夏もだよね!食べたいよね!」

「え、ちょ、すずみ!」

強制的に祭り上げられた形になった磨夏。

「そうだね。私も食べたい。」

陽響も賛成する。

「んじゃ、出してくるね。」

冷蔵庫の方に向かう。

「ん…あ、あれ?…………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 斬の絶叫がリビングにも聞こえた。

「なんだ?」

大可士が立ち上がって台所に向かう。全員が台所を覗くように首を伸ばした。

「斬。どうした?」

「け、けけけ、ケーキ取りに行くの忘れてたぁぁぁ!!!!!!!」

「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??」

 続いて大可士の絶叫。陽響が台所に駆け込んだ。

「大可士までどうした…?」

「斬…ケーキ取りに行くの忘れてたそうだ…。」

「………本当にごめん…。」

「で、どうする?今から取りに行くのか?」

 どうしよう。取りに行く?けど店は隣の隣の隣の集落のちょっと奥の辺りだからだいぶ遠い…。仕方ない、皆楽しみにしてるんだし行くか。

「うん。行くよ。チャリで飛ばして往復30分位だから、すぐ行ってくるよ!」

そう言って、僕は台所を飛び出し、家から駆け出してチャリにまたがってペダルをこぎまくった。

 往復30分って言っちゃったけど、どうしよう…。行きで25分もかかってら…。でも帰りは下りだし急げばもう10分位で着くかな。

 ん…?なんだあの物体…。『Saughreign』…?何て読むんだろう。あ、メール。来実からか。早く来いってか…。はいはい。急いでるから待ってろ。って、またメール。あ、このタイミングで特才者メール…。

………

To:特殊才能開化装置起動者

Title:出動要請

本文:にかほ市夏人(なつど)地区の小高い丘に向けてソーレーン連邦が新型兵器を発射。目的不明だが、近付いて危害を加えるようならば直ちに破壊せよ。

………

何でこのタイミング…!!GPS情報だと僕が一番現場に近いのか…。ケーキとチャリはここに置いてくか。あ、けど服装…。大丈夫かな、飛べるかな。お、飛べる。不安だけど、行くしかないか。

 そして、たった1人で空を飛んで小高い丘に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ