エピローグ
アトランティスとの戦い、それは人類に多くの傷を残した。
まずはアトランティスについては、和平条約が結ばれる事になった。
アトランティスが浦島太郎に出てくる竜宮城で、乙姫と太郎が実在する事は大変な騒ぎになったが、太郎と乙姫は人類とアトランティスのカップルという事で、多くの注目を集め、今度その大恋愛が映画になるらしい。
もっとも今回の攻撃についてはかなりの部分が国民には伏せられ、戦いの理由は色々と特務室が後付けして説明をしていたようだが。
その政府特務室について、チュカロスとアトランティスの戦いは中継されていたらしく、そこで政府が極秘に開発していた戦車型ドローンの事も判明してしまった。
兵器を国民に伏せた状態で開発していた事、さらにそれを勝手に運用していた事について特務室は責任を求められた。
その結果、海月室長、湯田室長補佐は降格処分となったらしい。
ストロさんについては、今回の件で協力関係を結ぶ事になった大木研究所、すなわちジイさんのところに出向する事で処分を免れたそうだ。
そしてジイさんはとりあえず父さんと和解した事もあって、我が家との交流は続いている。
しょっちゅう飯を食いに来るし、泊まる事も多い、今もわけのわからん発明や研究も色々としているらしい。
家に来た時に、最初に言っていた世界が滅びる件ってどうなったのか質問したら、「まだ続いとるんじゃないか?」と言っていた。
その事もあって、今も特務室との連携は続いており、ストロさんを連絡役としているようだ。
そしてココアについては、
「あ、お兄ちゃん!」
「その呼び方やめろ・・・」
なぜか家にいた。
アトランティスとの戦いで協力をしたジイさん、ココア、そして俺にはそれなりの報酬がもらえる事になった。
ジイさんは研究費をもらい、俺は保留としている。
そしてココアは小学校に通う事を望んだ。
ココアはジイさんが作ったバイオガイノイド、つまり戸籍などない。
そうなると小学校に通う事も難しい状態だった。
だが、最近はジイさんも忙しそうで暇なので、学校に通いたいと言ってきた。
そうなると、市街地とは言えないジイさんの家から通うのも大変だし、そもそもジイさんに学校関連の様々をこなすのは難しいという事になり、我が家に居候する事になったのだ。
「マサル、まさか興奮しちゃうんですか?」
「違うわ!なんか違和感あるんだよ!」
その結果、こうやってくだらない事を言われる機会も増えてしまった。
「それよりどうですか?キャラメルブラウン、可愛いと思いませんか?」
そう言ってくるっと回ったココアの背中にはランドセルが背負われている。
小学校に通うにあたってジイさんが購入したランドセルだ。
「まあ、可愛いんじゃないか?」
色は違えどただのランドセルだろと思う気持ちを隠す。
「マサル・・・」
「母さん!」
後ろから冷声をかけられて思わずビクッとする。
「あんた・・・まさか本当に・・・」
「違うわ!」
なぜ俺はずっとロリコンと疑われているのだろう?
「お母さん!お帰りなさい!」
「ただいま。あ、ランドセル届いたのね。やっぱり良く似合ってるわ。」
「ありがとうございます!」
こちらに向けられていた視線とは真逆の温かい視線がココアに向けられている。
「あ、そういえば乙姫さんから手紙来てましたよ。」
「手紙?」
渡された封筒を開くと、中から手紙が出てきた。
『アロハ、』
「・・・」
「ちゃんと読みましょうよ。」
一行目を見て捨てようとしたのをココアが止める。
『妾達は今、ハワイにいる。』
「知らねえよ。」
『汝らには迷惑をかけた。素直に謝罪しよう。お詫びと言っては何だが、何か困った事があれば力になろう。』
「そりゃどうも。」
だがそんな事がないのが一番良いだろう。
「まだ中に何か入ってますよ?」
「うん?」
封筒をトントンすると固い何かが出てきた。
「・・・」
「わあ、幸せそうですね。」
出てきたのは写真だ。
中にはキスをする乙姫と太郎がいた。
「ココア、ピエン砲ってハワイまで届くのか?」
「え?まあ理論上は可能だと思いますけど?」
「そうか。」
アトランティスとの戦いは終わった。
だが俺達の戦いはこれからだ!




