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444話「火星総力戦⑮ “火空王”イーグルイ!」

 ナッセ陣営が出撃したものの、最後残った基地は武闘派だった。

 なので三人の手練らしき闘神(バトキア)がマジンガ、フクダリウス、マイシ主力と激闘をするハメになった。

 大混戦となっているのを火闘神(カヴァリン)マルスはモニターで眺めていた。


「……あの四人とは違って、身の程知らずが群れて勝てると思い上がってるらしいな」


 マルスは両手をギュッと組んで、落ち着いて座っていた。

 もしかしたら他に実力者が隠れているかもしれないが、“火空王(セレティマ)”イーグルイは他の五領主(ゴロード)と違って先鋭化された攻撃的な武闘派。

 どんな状況においても最適な戦略でもって敵を叩き潰す。


「いわば五領主(ゴロード)最強とも言えるのだ」


 目を細めていく。




 三人のゾンビ兵がオレたちへ剣を振るってくる。

 するとサラクとミキオが「させるか!!」と吠えて得物を振るう。ミキオの剣とサラクの槍が一閃して、ゾンビ兵を斜めに両断していく。

 最後一人のゾンビ兵を二人で突いて、背中から血飛沫を噴いて爆散した。


「よし!」

「ここは守りきるよ!」


 真剣な顔でサラクとミキオが身構えた。すると闘士(バトラー)が飛んでくる。


「はっはー!! そこもやるじゃねーか!! 俺は(サイ)闘士(バトラー)ライノだあああッ!!」


 サイを象る全身鎧を纏う大男が三日月のような二刀流を振りかざして来るぞ。

 それに対してミキオが地面に剣を走らせて、五発の三日月の水刃を放つ。


「水波斬ッ!!」

「こっちも炎穿刃(えんせんば)ッ!!」


 サラクも槍を連続で突きまくると、切っ先から尖った炎の矢を無数飛ばす。

 ライノは見開いて、ボバババーンと全弾着弾して爆風が広がっていく。やった、と思ったら平然とライノが突っ込んで来るぞ。


「チッ!!」

「さやあああッ!!!」


 サラクとミキオがコンビネーションでライノと激しい格闘を繰り広げていく。

 しかし「そんなもんかぁ!!」と二人を吹き飛ばして衝撃波が爆ぜた。


「ぐああッ!」「グッ!!」


 サラクとミキオが左右に吹っ飛ばされ、ライノがこちらへ突進してくる。

 しかしオレは太陽の剣(サンライトセイバー)を正眼に構えていた。


流星進撃(メテオラン)!! 六連星ッ!!!」


 流星群のように六筋の剣閃がライノの全身を穿つ。ライノはたまらず白目で「ガッ!」と吐血して仰向けに倒れていく途中で爆散。ドガアッ!!

 尻餅をついているサラクとミキオは呆然。

 オレは「大丈夫か!?」と声をかけると、二人は立ち上がる。


「すまねぇ、手間取らせた」

「ああ。でも助かったよ」


 初めて会った時は突っかかってたのに素直になってて、どことなく感傷する。


「もっと強くならなきゃな……!!」


 ミキオの呟きにサラクも頷く。

 再び闘士(バトラー)が飛んできて「はっはぁー!!」と笑ってきて、二人はサッと身構える。

 まだ敵わないレベルなのは分かっているが、こうして戦場に出たからに覚悟は出来ていた。


「うおおおおおおー!!! ビッグバンミサイルッ!!!」


 なんとウギンがドロップキックで横槍入れて闘士(バトラー)を蹴っ飛ばした。この一撃で致命傷となり闘士(バトラー)は「グギ……」と苦悶の顔で吐血し、吹っ飛んでる最中で爆散。ドガアッ!!


「団長を守るのは俺だッ!! どんと来ぉーい!!!」


 ウギンは凄まじいオーラを噴き上げて、何人か来るゾンビ兵を粉砕していった。

 サラクとミキオも負けじと得物を振るって近づけさせない。

 しばらくは大丈夫そうだ。


「なんとかなりそうね」

「ヤマミ、どうだ?」


 オレのそばで何もしないヤマミは頷く。


「まだ二人ほど闘神(バトキア)が基地の中に控えている。それも手練の……」

「やはりか……」


 基地内へ黒い小人を侵入させて構造や人数などを調査していたのだ。

 四首領(ヨンドン)が制圧した四つの基地にはそれほどの戦力はなかったな。もしかしてオレたちハズレを引いてしまったんでは……?


「運が悪かったかも知んねぇな」

「そうね」


 ヤマミも同意するように頷く。

 まさか最強の五領主(ゴロード)と当たるとは思わんだろ。いや、他の五領主(ゴロード)もヤベーくらい強いんだろうが、手下はそんなに層は厚くなかったしさ……。

 マジンガ、フクダリウス、マイシが未だ格闘を繰り返している事から、同等クラスの闘神(バトキア)なのが窺える。


 ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!!


 絶え間なく連鎖し続ける激突で大地を震わせ、衝撃波が連続で吹き荒れる。なおも双方が攻防の応酬で一進一退しているぞ。

 ややフクダリウスとマジンガは押され気味か。

 高火力のマイシですら押しきれず、互角の状態だし戦況としてはマズいか……?


「できれば消耗を避けて、五領主(ゴロード)を袋叩きしたいところなんだが……」

「現状、いい策は浮かばない」


 他の四首領(ヨンドン)に助けを求めるとしても、距離的に間に合わんしなぁ……。

 火闘神(カヴァリン)マルスがいるオリンポス山の直径は約六〇〇キロ以上で、囲む結界は更に離れているから少なく見積もっても直径八〇〇キロはあるかもしれない。

 五つの基地の間隔もかなり離れているから援軍は期待できねぇ。




 そんな様子を映したモニターを鋭く見据えていた四〇代のムキムキオジさんがヒゲをさする。


「やはりアキレス腱かい……。ナッセとかいう者を庇って戦っているからに、重要な指揮官か。倒されるとマズいのだろうかい」


 本当は五領主(ゴロード)と互角以上の四人の誰かかと思っていた。

 しかし小部隊として三つ分かれている方が怪しいと勘付いていた。

 マジンガ、フクダリウス、そしてナッセ。

 最初こそ、四首領(ヨンドン)と呼ばれる四人のお供として別働隊の役目を背負っていると考えた。


「見た目に騙されるトコだったわい……!」


 一見して銀髪のガキとしか思えないヤツが隊長として活動しているのは違和感しかない。

 地闘神(アスラリオ)アポロを撃退できるだけの戦闘力はあるのだろうが、四人ほどじゃない。

 マジンガやフクダリウスと同等程度であるにも拘らず、なぜかナッセを重点的に守ろうとする動きが見られた。

 ヤツらはアキレス腱だと分かってるからこそ、狙われないようにミスリードしてたのだろう。


「だが、それも終わりいッ!!」


 立ち上がったムキムキのオジさんはメコメコと巨大なワシの化け物へと変貌していく。しかも五領主(ゴロード)特徴である不気味な人魂みたいなのが周囲で漂う。

 戦意を高ぶらせて急上昇して天井をぶち破った。

 まずは奇襲と、ナッセへと狙いを定めて凄まじい威圧をこもらせていく。


 ズズズズズズズズズズ……ッ!!!



 オレはハッと見上げた。

 基地上で巨大なワシが左右に広がる翼を羽ばたかせて、鋭い視線を見せていた事にゾクッと悪寒が走った。

 四首領(ヨンドン)クラスの威圧感がこもれでていて、オレたちが束になってかかっても勝てない雰囲気だと察する。

 しかも五領主(ゴロード)最強とも疑いがあった。


「ナッセェ!!!」


 ヤマミも狙いに勘付いたか、振り向いて叫んでくる。オレは切羽詰って頷く。

 やべぇ!! あいつオレが狙いだ!!


「ショトケイキ!! 例の頼む!!」

「はいナ!」


 “火空王(セレティマ)”イーグルイは殺意を束ねてマッハを一〇〇超える超高速突進を開始。

 大気を切り裂いて地面から飛沫を上げながら一直線とナッセへ目指す。

 轟々と眩いオーラの尾を引きながら加速をしていく。地響きと大気の振動が広がっていく。


「我は“火空王(セレティマ)”イーグルイ!! 指揮官ナッセ、覚悟!! 死ねいッ!!」


 誰もが弱点を看破されたと、ナッセへ注視していく。やられたら一巻の終わり。

 マジンガとフクダリウスは見開き「逃げろおおおッ!!」と叫ぶ。

 マイシも危機感いっぱいで汗いっぱいだ。

 だが、この場はどうする事もできない。闘神(バトキア)や大勢の軍勢で手一杯。


「「「「ナッセェ──────ッッ!!!!」」」」


 それでも『詰んだ!』と最悪な結末がこれでもかとのしかかる。

 オレは握りかけの手をかざす。


「憑依合体!!!」


 凄まじいオーラを纏ったイーグルイが体当りし、尋常じゃない衝撃によって引き起こされ巨大な爆発球に膨らんでいった。

 超高熱プラズマが広がって地盤を砕き、烈風が爆ぜるように吹き荒れた。

 地鳴りを伴って轟音が響き渡る。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!

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