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勇者の魔法使い ─自力で行う異世界転移─  作者: 篳篥
第2章 テンザン大迷宮にて
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第40話 家を守る者


 やっと……やっと勝った……! ナナエスの試練、クリアだぜ!

 『探究者シーカー』達を見送ってから、何回チャレンジしたことか。でも勝っちまえばこっちのもんだもんね。

 

 ちなみに俺が勝ったゲームは人生ゲームだった。実質3対1の苦しい戦いだったけど、最終的には伴侶と3人の子供持ちの億万長者として上がったよ! ハッハッハ……現実を思い出して寂しくなったりなんてしてない。誰が何と言おうとなってない。ぐすん。


 というわけでナナエスの試練の部屋を出て、最後の試練の部屋へと向かう。最後の試練は俺のヤツだから楽でいいわぁ。


 しかし俺の試練の部屋に入ってみると、待っていてくれと言っておいたはずの『探究者シーカー』達がいなかった。あるぇ?

 いやいやちょっと待て、考えよう。


 試練の間は基本、一本道だ。すれ違っていないのならば、どこかにはいるはずである。


 あの合言葉の扉を開けた、ということはまずあるまい。あそこの合言葉は寿限無だ。この世界の人が知っているはずが無い……むしろ、日本人でも全部完璧に諳んじられる人は少ないだろう。しかもこの短時間では、手当たり次第に試してみるということも出来ないはず。

 ちなみにあのフェイクを開けた先は小部屋になっていて、この空間を大迷宮と家の間のワンクッションに活用しだしてからは俺の個人的な倉庫として利用している。捨てるのは忍びないけれど目に入れたくは無い物とか保管してるんだよ。例えば姉貴の妄想ノートとかさ……思いっきり焼き捨てたかったけど、アレって一応は姉貴の死後に見付けた遺品だったから、その、扱いに困ってな……。

 閑話休題。


 となると……。


「試練クリアしちゃったかな?」


 この部屋の試練をクリアするのはごく簡単、ボタンを見付けて押すだけ。部屋中をくまなく探せばいいだけだから、誰でも出来る。フェイクを仕掛けたりして攪乱は狙っているけど。

 そして現状、その可能性が1番高い。


「うーん、元々全部教えるつもりだったから、別に見られて困るようなものは無いけど……危険なカースドアイテムとかは厳重に封印しておいたから、この短時間で見付けることは出来ないだろうし。まぁ、でも……自宅をちょろちょろされるのも面白くないし、急ぐか」


 俺もさっさとボタンを押して試練をクリアし、現れた階段を三段飛ばしぐらいで駆け下りる。ちゃっちゃと行こう……うん?


「あれ? 何これ?」


 階段を降りきってすぐの闘技場……というか、軽い運動をするための運動場に入ってみると床に1つ、小さくない罅割れがあった。

 ここは運動場であるから、多少壊れるのは日常茶飯事だった。しかしそれらの破損・損壊はその都度修理してきたため、日本に帰る時にはここは綺麗な状態だったはずだ。立つ鳥跡を濁さずの精神に則って点検したから、間違いない。


「いや、でも777年も放ったらかしにしてたしね。その間に誰かが入って来て壊しちゃったのかも……あれ? これまだ壊れてすぐっぽい。ってことはこれやったの、あいつらか?」


 何のためにこんな……何だろう、嫌な予感がする。とにかく急ごう。

 そして家のある空間に入るための最後の扉を開け、ますます困惑することとなる。


「え、青空……? 風……? まさか全システムが稼働してるのか?」


 俺の家は『絡繰の屋敷』とも呼ばれる。由来は文字通り、絡繰仕掛けが多いからだ。最初に呼んだのが誰だったのかは覚えていない。仲間内の誰かだったとは思うけど。

 

 屋敷は地下室付きの2階建て純和風建築。それに庭園と、蔵も少々。日本での家はどんななのかと聞かれ、じゃあ作って教えてやんよというノリで作られた。割と軽いノリだった。

 しかしそれだけをポンと置くのも味気無いので、時間に合わせて変化する空だとか、心地よく吹く風だとか、近くを流れる小川だとかも作った。他にも季節に合わせて温度や湿度の変化、植物の生育なども行うし、雨や雪が降るなどの天候変化もある。割と軽いノリで始めたのに結果的に大事業になっていた。


 しかしこれらの仕掛け、絡繰はこの空間そのものをマジックアイテムとすることで成立させている。そしてマジックアイテムである以上、起動させるには魔力が必要である。しかもこれだけの大仕掛けとなると、ステータスカードのように0に等しいMP消費でOKなどという事は無い。

 屋敷の一室にはこの空間マジックアイテムの核となる魔水晶があり、それに魔力を注ぎ込むことで空間マジックアイテムは起動する。1日室内環境を維持するために消費するMPおよそ250。結構消費するが、これでも改良を重ねた結果最初期よりは燃費も良くなっているのだ。


 ちなみに余談だが、試練の間の仕掛けは挑戦者のMPをごく少量徴収して起動する。


 何が言いたいのかというと、今のこの状況が可笑しいということだ。

 俺は日本に帰る時に魔水晶に溜めていた魔力も回収しているし、万一残っていたとしても800年近く稼働し続けているはずが無い。かといって、この短時間で『探究者シーカー』達がこの空間の仕組みを理解して起動させたとも思えない。


 つまり……誰かいるのか? それでさっきのあの床の破損? え、誰が?

 『探究者シーカー』達は予想に違わず先にここに来ていたようで、屋敷の正門前で屯していた。よし、まずはあそこに近付いて様子を見てみよう。


「【透化スルー】」


 透明人間状態になって姿を隠しつつ、こっそりと彼らに近付く。何故姿を隠すのかって? 様子見だからだよ。だって俺の家に誰か別の人がいるのかもしれないんだ、まずは詳細を知りたいだろ?


「え、ちょ…………え?」


 最初に聞こえたのはリズの声だった。もの凄く当惑しているらしいことがその声音からだけでも窺えた。しかも漂う空気からして、当惑しているのは彼女だけでは無く全員らしい。


「フッフッフ」


 そんな彼女達の向こうから、少し高めの笑い声がした………………え、ちょ、この声って…………。


「聞け、人間たちよ! お前たちの身柄はこのボ……じゃない、私があずかる!」


 おい、ちょっと素が出かけてたぞ。


「え、待って、え?」


「いや……預かるって、お前……」


「え~っと……油断させるための幻覚とか、かな?」


「!!」


 困り切ったような『探究者シーカー』達の様子に、笑い声の主はショックを受けたような顔をした。


「油断じゃないもん! ボクは強いんだもん!」


 あ、今度こそ完全に素が出た。ピョンピョンと飛び跳ねながら自己主張してる。

 しかし『探究者シーカー』の困惑も無理は無い。何故ならば。


「だってあなた、スライムじゃない」


 ぷるんとした柔らかな滴型のボディ。最弱モンスターの代名詞、スライムがそこにいた。しかも通常のスライムよりも一回りほど小柄である。

 スライムは通常話さないが、高レベル個体ならば会話が可能なものもいる。流暢な会話を問題無く行えるそのスライムは、それだけで間違いなく相当レベルが高いことが解る……とはいえ、あくまでもスライムである。最弱のスライムである。

 しかしそのスライムは、他とは一味違った。


「ボクはただのスライムじゃない! 聞いて驚け!」


 そしてスライムは胸――なのだろう――を張る。


「我が名はライム! その昔、マスター……大賢者の使い魔だったスライムだい!」


 そう、そのスライムはただのスライムでは無い。かつての俺の使い魔、ライムちゃんなのである! ……ってラ、ライムゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!?? 

 ライム!? 何故ライムがここに!? 俺が日本に帰る前にテイム契約を解除して、地上で離したはずなのに……まさか自力で大迷宮と試練の間を突破したのか!? マジか! アルの試練とかどうやってクリアしたんだあの子。

 正直に言おう。戦慄した。


 昔々のそのまた昔、今から遡る事およそ1400年。その時代に冒険者になろうと旅立った2人の少年は、村を出てすぐに数匹のスライムと出くわした。そのスライム達の中でも特に小さくて弱弱しく、臆病だった個体は戦う事など出来ず、ぷるぷると震えながら潤んだ目で2人の少年を見上げていた。

 少年の内の1人はそれに庇護欲が刺激され、スライムに名前を付けてテイム契約を結ぶことにした。テイム契約とは人間と魔物が主従関係を結ぶ事だ。スライムはその弱さと可愛さでテイムモンスター……というかペットとして一定の需要が有り、それを行うのはさほど珍しい事では無かったのだ。

 この時テイム契約を結んだ少年とスライムこそが、俺とライムである。ちなみにこの時遭遇した他のスライム達は、アルが有り難く経験値に変換してしまいました。俺は、その……この時期はまだ、モンスターと言えど『殺す』って事が出来なくてな……とどのつまり、テイム契約に逃げたのだ。今となってはそれで良かったと思ってるけど。


 ……あれ? ちょっと待て。


 よくよく考えてみれば、ライムが何故ここにいるのかという事以前にもっと別の問題があるんじゃね……あの子、何でまだ生きとるん?


 だって1400年だよ、1400年! 俺達が出会ってからあの子に流れた時間は! とっくに寿命が来てて可笑しくな……いや、ちょっと待て。

 

 俺はこの瞬間、とある可能性に気が付いた。そもそもスライムに寿命ってあるのか? と。


 スライムは決して不死では無い。最弱モンスターの呼び名に相応しく、他のモンスターに殺され、動物に殺され、冒険者に殺される。急激な環境の変化に対応しきれずにぽっくり、という事もある。

 しかしだからこそ、俺は寿命を迎えて死んだというスライムの話を聞いた事が無い。逆に、スライムがある程度の年齢になったら分裂して新しいボディを作り出すという話は聞いた事がある……というか、ライムがやったのも見た。

 ということは……ひょっとしてスライムって、寿命無いんじゃね? 弱っちいから長生きできないだけで。でも俺に付き合って強くなったライムは外的要因に殺される事が無く、1400年以上も生きてしまったとか……あり得ない話じゃない。


「大賢者様の使い魔だった……? 本当なの!?」


 俺がスライムの神秘に慄いている中、ターシャは興奮しきった顔でライムに詰め寄ろうとした。ドグナムに押し留められていたので不可能だったが。


「確かに伝承では、大賢者様は使い魔を1匹持っていたとあるわ! あなたがそうなの!?」


「そうだよ!」


「ライム様は凄いんだから!」


 ターシャの問いに答えたのはライムでは無かった。ライムの両隣にいる2人の子供……うん? あれってリティアとグラじゃね?

 ライム、お前まさか、この空間マジックアイテムだけじゃなくて『セプテム』まで起動させているのか? リティアとグラだけ? それとも全部? おいおい、この空間マジックアイテムとあいつら全部を起動させているとしたら、維持するだけで1日で1000ぐらいのMPを消費するぞ?


 『セプテム』とはその昔、とある事態に備えて俺とダイゴで造り上げた自立思考型自動人形フリーオートマタの一団である。どこからどう見てもヒューマンの双子の子供にしか見えないあのリティアとグラもまた、自立思考型自動人形フリーオートマタ……つまりは魔力で動く、意思を持った人形なのだ。

 ちなみにこの『セプテム』、モチーフは七つの大罪だ。例を挙げれば、あそこにいるリティアは『強欲』、グラは『暴食』のイメージ。今だから言うけれど、これを考えた当時の俺はまだ厨二という病を拗らせていたんだろう。


 自立思考型自動人形フリーオートマタは時代が遡る程に性能が上がると、前にも少し説明したと思う。しかし『セプテム』はその殆どが作成時期こそは旧型の時代だが、その性能は最初期型にも勝る。

 何故ならこれらは、作成者である俺とダイゴが持てる技術を余すことなく注ぎ込んで完成させた最高傑作達だからである。数体は元々作ってあった自立思考型自動人形フリーオートマタに改造を施して流用したものだが、この事実は動かない。

 目的を考えれば、高性能な自立思考型自動人形フリーオートマタを造るのは当然だった。


 『セプテム』の製造目的。それは、万が一の時には俺を封印する事。

 何言ってんだ、と思うかもしれないが、これって大事な事だ。


 だってあの当時、俺は不老不死の呪いを解く目途が立っていなかった。つまりは、相当永い時を生きる事がほぼ確定していたのである。

 そしてその時の中で、俺が狂わないという保証はどこにも無い。フィジカルは不老不死でも、メンタルは精々100年ちょっとの寿命を生きるようにしか出来ていないヒューマンなのだ。今は大丈夫でも、数百年が経つ頃には疲れ切って折れているかもしれないという恐怖もあった。

 だというのに、俺はクソ強くなり過ぎた。万が一俺が狂って『厄災』の如く暴れ回る事態になった時、それを止める事が出来る新たな英雄が現れるとは限らない。


 そこで目を付けたのが自立思考型自動人形フリーオートマタだった。人形ならば永い時の中でも俺を監視し続ける事が出来る。万が一の時には俺を抑えることが出来るような能力を事前に持たせる事も出来る。これも例を挙げれば、リティアは魔力を奪い取るし、グラは魔法やスキルを無効化する。

 俺達の技術の粋を集めても、流石に俺と戦って勝てるような人形は造れなかった。なので彼らには俺を出来るだけ無力化させられるような能力と封印の能力を持たせた、というわけだ。

 結局俺は本格的に狂う事も無く呪いを解いて日本に帰還したため、『セプテム』のその役割が発揮されることは無かったが。


 ちなみに人形達は、俺を『マスター』と呼んで慕ってくれていた。ダイゴも『マスター』と呼ばれていたが。彼らにとっての『マスター』……主人とは、創造主のことらしい。

 俺としても必要としていたのはあくまでも『万が一の時の抑止力』であって『常に張り合う敵対勢力』では無かったため、それはそれで有り難かった。この広い屋敷を管理したり、世界中をこっそりと観察するのも色々と手伝ってくれたし。


 しかし、だ。『セプテム』もまたこの空間マジックアイテム』と同じく、魔力があって初めて稼働する。その上俺が日本に帰る際、役目が終わった『セプテム』は全てOFFにしたはずなのである。


 これもライムが魔力を与えて動けるようにしたのだろう。いや、魔力だけでは無い。

 『セプテム』を起動させるには魔力だけじゃ無く、パスワードも必要なのだ。もしも誰かがこの家に来て彼らを見付けた時、起動させることが出来ないように。

 何しろ、殆どが元々対俺用に製造された人形達である。その戦闘力は極めて高い。自立思考型自動人形フリーオートマタである故に彼ら自身に意思と思考があるのでまず無いとは思うが、誰かに悪用される可能性とて0では無い。それを危惧しての保険だった。

 けれどそのパスワードを、ライムは知っている。昔、俺が教えたからだ。まぁ、ライムなら悪用はしないだろうけど……。


 心配なのはライムが『セプテム』やこの空間を悪用しないかという事では無く、ライム自身の体だ。さっきも言ったが、これら全てを維持するには1日に1000ぐらいのMPを消費する。

 俺は【鑑定】でライムのステータスを確認してみる事にした。しかしそれは杞憂だったのだとすぐに解る。



[ステータス]

名前:ライム

レベル:4812

種族:スライム

魔法適性:有り


HP:5491/5491

MP:5390/6200

力:2980

防御:3042

体力:4512

敏捷:6284

魔法耐性:4203


スキル▽

魔法 ▽


 

 あ、これ諸々の維持コストは心配しなくてもいい感じだわ……違う、そうじゃない。問題はそこじゃない。落ち着いて考えよう。


 議題・俺の元使い魔のレベルが俺を超えている件について。


 いや本当、これどうなってんの? あの子どうやってここまでレベルアップしたの?

 元々の種族がスライムだから、レベルが上でもステータスは俺に劣る。恐らくは使えるスキルや魔法も俺には遠く及ばないだろう。だから万が一ガチバトルをしたとしても、間違い無く軍配はこちらに傾く。

 けれどそれにしたって、スライムとしてあるまじき能力値だ。元々世界最強のスライムだろうとは思ってたけど、今やスライムに限らずモンスター全般で見ても最強かもしれない。スライムとは一体……?


「そう、ボクこそが大賢者の使い魔、ライム。かつてマスターがスライムのスを取って名付けてくれた」


「本当にスを取っちゃったの?」


「独特なセンスを持っていらしたんだねぇ、大賢者様って」


 うっせぇ。

 しかしライムは良い名前だろう、と胸を張る。エエ子や。


「そしてマスターがいない今、この家はボクが守るの。だってここでは皆が寝てるんだもん」


 ライム、お前って子は……どうしよう、その健気さにかなりジンとした。


「だから侵入者は許さない。お前たちは捕まえて、魔力電池にしてやるんだから」


「その、魔力電池とは何だ? さっきも言っていたが」


 会話を聞いていた俺も気になった。何ぞそれ?


「侵入者は許せないし、ここを知られた以上は生きて地上に返せないけど、マスターは殺生を好まなかったの。だから生け捕りにして、ここを維持するための魔力を供給させる魔力電池にするの」


「大丈夫だよ! 痛くないよ!」


「うん! 眠らせて植物状態にしてあげるから!」


「生きてさえいれば、死ぬまで使い潰せるもんね!」


「ライム様、あったま良い!」


 どうしよう、ウチの子達が何か凄い怖いこと言ってる。『探究者シーカー』達の顔も盛大に引き攣っている。


 これはもう、様子見は止めた方が良いか? 多分、俺が割って入れば言う事を聞いてくれると思うし。

 そう思って【透化スルー】を解こうとした時、ふとある事に気が付いた。


 ライム達が無邪気な声でする恐ろしい話を聞いて『探究者シーカー』達は当然ながら引いていたが、その中で1人だけ、そうでは無い者がいたのだ。


「ちょっと待って、あなた達!」


 ターシャだ。彼女にあるのはドン引きでは無く、何だろう……歓喜とでも言えばいいのか。


「あなた達が本当に大賢者様の関係者なら、そんな事をすべきじゃないわ!」


 うんうん、それには賛成だ。魔力電池なんてそんな物騒な事は言わずに、ちゃんとオハナシしてここの事を口外しないように約束してから外へ出してやればいい。あの子達にはそれが可能なはずだ。

 『セプテム』は、その全てに【転移】を付与エンチャントしてある。しかも鍵と同様に結界を通り抜けられるようにもしてあるので、彼らはここと地上への行き気が簡単に出来るのだ。これもまた俺対策の一環だったんだけどね。俺がここに引き籠っても問題無いように。

 なのでターシャの意見に内心で賛同した……の、だが。


「だって私は、大賢者様の妻になるべき存在なんですもの!」


 …………………………え? 何言ってんのこの子?

 その発言には、欠片も賛同する事が出来なかった。

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