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任務完了
朝。
海は穏やかだった。
屋敷は静まり返っている。
床には倒れた警備員。
廊下には血。
ガラスが割れている。
だが――
もう戦いは終わっていた。
リビングで
奈美が立っている。
窓の外を見る。
遠くにパトカーの音。
ユウジは腕時計を見る。
「時間だな」
黒田もジャケットを直す。
三人は互いに目を合わせる。
しかし、何も言わない。
ターゲットの城間隆二は
書斎で死んでいた。
銃創。
毒。
ナイフの跡。
どれが致命傷か分からない。
つまり――
誰が殺したか分からない。
暗殺者たちは、それぞれ屋敷を出る。
警察が来る前に。
任務は終わった。
ただ一人。
メイドのミオだけが残る。
彼女はソファに座っていた。
男が一人、隣に立つ。
黒いスーツの男。
「任務終了だ」
ミオはぼんやりしている。
「……ここは?」
男は注射器をしまう。
「大丈夫」
「もう全部終わった」
ミオの記憶は消されていた。
彼女はただのメイドとして
この屋敷に残ることになる。
その夜。
ミオは夢を見る。
血のついた廊下。
銃声。
海の見えるテラス。
そして、知らないはずの言葉。
「ターゲット確認」
彼女は目を覚ます。
夢の意味は分からない。
でも胸の奥が少しだけざわついていた。
海の音が、静かに続いていた。




